Winnyのレビュー・感想・評価
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日本で…
こんな映画作れるんだと感心した。Winny確かにそんなことあったなぁと。どちらかと言うとウィルスの方が問題になってた記憶しかない。ソフトやシステムを悪用し、犯罪行為する方が違法であって、あくまでも制作者側は違法ではない。映画を見るまでは半信半疑だったが、警察の裏金情報流出などWinnyによって真実が暴かれる事案を見ると、確かに使用者責任だなと思った。金子氏と弁護団の掛け合いが軽く映り、緊張感が無いと感じる場面もあったのが残念だった。彼の警察に言われるままに誓約書を書いたりする、あまりにも世間知らずの点(←どこまで実話なのだろうか)がまどろっこしい感じもした。二審三審を、特に無罪を勝ち取る過程が見たかった。ラストの本人のインタビューで彼の真の研究意欲がよく分かる。彼の研究時間を裁判で奪ってしまったことが悔やまれる。
歴史的事実を知るためには面白い映画
Winny 開発者の逮捕を巡る裁判に焦点を当てた作品。下手にエンタメを加えるのではなく淡々と開発者とその弁護士に焦点を当てている。
警察側の非道さを描いていたりと、善悪ははっきりしてはいるけど、それほど強烈に描くことはあまりなく、全体を通じて面白く見れた。
警察側がWinnyのあらゆる問題への対応の不手際を全て開発者に背負わせるような卑劣な方法を取ってはいるが、それは日本という社会の縮図でしかない。
日本という社会において、出る杭は打たれるかと如く、必然的な逮捕だったかもしれない。
しかし、開発者の金子さんや弁護士が人生をかけて戦ってくれたおかげで、そうした出る杭は打たれる社会も、少しはマシになっていることを祈るばかりだ。
事実に基づく映画の難しさ
著作権違法に関する裁判の経過を表現したものであるが
警察側のトカゲのしっぽだけわかり本当の逮捕の意図を
はっきり表現されてませんでした。
別件で愛媛県警の裏金問題の告発がちりばめられているがそちら側は
不完全燃焼な内容になってました。
映画のエンドロールの後に最後の本人がコメントしていたのが良かった点です。
優秀な人材を裁判で疲弊させ時間を奪い早く亡くしてしまったのが悲しいですね。
そこだけは強く思いました。
科学者の倫理観
なぜ金子氏の死後10年も経ってから、winny事件をドキュメンタリーのように蒸し返したのか、最高裁で無罪判決だから、京都府警の冤罪事件なのかもしれないが真実は分からない。
winnyというソフト名は既に人気のあったファイル共有ソフトWinMXのM→n、X→yと一字進めたもので匿名性を高めたソフトでたちまちコンテンツの違法流通に更なる拍車をかけることになりましたから悪用を予見できなかったとは言い難いですね、道具に罪はない、誤った使い方をする人の方に罪があるというのは一理あるが、ダイナマイトを発明したノーベルのような心境だったのか?、期せずしてアカデミー賞をとったオッペンハイマーにも通じる科学者に倫理観を問うべきかの深い問題にも思えますが、脚色っぽい構成、ほぼ同時期とは言え愛媛県警の裏金事件まで添えて警察の横暴ぶりを一緒くたにして強調しているようにも思え、後味が今一、すっきりしませんでした。
出る杭は
TELASAで鑑賞。
原案の新聞記事は未読。
恥ずかしながら、事件に関する知識は全くゼロの状態で観ました。何故金子勇氏がこのような目に合わねばならなかったのか。事件を通して司法と権力の問題点を炙り出していく。
出る杭は打たれるしかないのか。しかしそもそも杭を打つにはたくさんの助けがいる。技術者の未来のために戦った金子氏の姿勢が尊い。見応え抜群の人間ドラマで、法廷劇でした。
エンドロールで流れた金子氏の映像を観て、東出昌大の役づくりの徹底ぶりに感銘を受けました。役者として一皮剥けた感があり、悪いイメージを払拭する活躍に期待です。
※修正(2024/05/13)
未来に向けて
エンドロールでのご本人のお言葉。
少し拝見しただけで、
コンピュータのより良い明日を見つめようと
する心のまっすぐな仕事に真摯に向き合う
お人柄、お姿しか感じなかった。
もし、警察での取り調べ方が真実に近いものであるなら、単純な私の頭では警察が悪としか
思えない。コンピュータ以外素人を手玉に取るように罪に嵌るようにしむけている描写、腹が立って仕方ない。
私なんかスッテンテンのスッテンテン、
コンピュータが不得手であるが、
こういう裁判になった時、味方の弁護士はもちろん、司法に携わる人々皆、コンピュータに精通して、本当の悪人を炙り出しても欲しいし、金子さんのような貴重な人の時間を奪うことが無いようにして欲しいと思った。
金子勇とオッペンハイマー
先日、戦後最大最悪の冤罪事件大川原化工機事件の判決が出たので思い立って本作を鑑賞。
物語は著作権侵害幇助の罪で起訴されたウィニー開発者金子氏と警察の裏金を告発した仙波氏の話が同時進行で描かれる。この二人が劇中絡むことはないが、ウィニーが二人の運命を共に左右する。
金子氏は支援者や弁護団と力を合わせて無罪を勝ち取り、仙波氏の告発もウィニーにより捏造資料が流出したおかげで認められ、観客はこの結果にカタルシスを味わえる。そして警察検察による違法捜査違法取り調べにより冤罪が生まれるシステムと国家権力によって貴重な科学技術の発展が妨げられたというメッセージもわかりやすく伝えられる。
ただ、本作は金子氏の弁護を務めた檀弁護士側からの視点で描かれていて、警察検察側が悪という典型的な構図だけで語られてる点に少々引っかかった。
特に劇中、著作権法119条は親告罪(平成30年に非親告罪に改正済)にもかかわらず原告が警察というセリフに違和感を覚えた。ちなみに原告とは民事裁判における概念であり刑事裁判では原告という概念はない。強いて言えば刑事裁判では検察が原告にあたる役割を果たす。この点は脚本上のミスだろう。
弁護団は親告罪でありながら被害者ではない警察が原告(告訴した)なのはおかしいと言う。
しかし、すでに正犯の二人は起訴されてることからわかる通り、著作権法侵害の被害者が告訴をしてるわけで告訴不可分の原則(刑事訴訟法238条)から親告罪の起訴要件たる告訴は共犯者たる幇助犯に及ぶため、金子氏を起訴することは可能だ。だからあえて警察が金子氏を告訴したかのような話はそもそもおかしい。
このセリフや愛媛県警の裏金疑惑の証拠たる捏造資料がウィニーによって流出した件と合わせることで、不正が流出するのを恐れて警察が金子氏を無理やり起訴したという印象を観客に与える狙いがあったと思われる。
また、弁護士は被告人の利益にという原則があるように被告人たる金子氏が不利益となる事実は表には出さないので、金子氏が清廉潔白であるかのように本作では描かれている。
確かに警察などの取り調べにおいて自白強要は今でも行われてるだろうし、金子氏のような世間知らずの人間が劇中のような調書を書かされるなんてことは十分あり得る。違法捜査違法取り調べはいまだにおこなわれてる。そういうさまをみせられ、また裏金問題も絡めて描かれてるので金子氏が善、警察検察組織が悪という構図はわかりやすく観客には受け入れやすい。
しかし、金子氏が完全に清廉潔白な人物だったかは疑問が残る。もちろん彼に悪気はなかったとしてもウィニーの危険性を十分理解しながら流布してしまった点に全く落ち度がなかったといえるのだろうか。結果的にそのせいで二人の犯罪者を生んでしまったわけだし、被害額も数十億円ともいわれている。悪用される可能性がわかっていながらそれを単に悪用せぬようにとのメッセージ付きで流したことで罪が全くなかったといえるのだろうか。
本作では金子氏は開発者でありことさらに純粋無垢な存在として描かれる、世間知らずで朴訥な人物として。確かに開発することが生きがいであり不当に利益を得る目的はなかったかもしれない。ただ、その世間知らずな純粋無垢さがあえて言えば罪といえるかもしれない。
オッペンハイマーは原爆を開発中はただ科学者としての知的探求心から、そして自分の能力を発揮できることにだけ喜びを感じて研究開発に没頭した。その結果それが何を生み出すかまでは考えずに。何万人もの人間を一瞬で殺せる兵器を開発してしまったことに生涯後悔の念で苦しむことになるとも知らずに。
純粋な科学技術開発への思いは確かに罪ではないかもしれない。しかしそれが時として大罪を生む結果となることも事実だ。
金子氏のウィニーは同様のソフトウェアと比べても悪用される可能性が特に高いものだった。それをわかっていながら流布したことに一切の罪がなかったといえるだろうか。
裁判では幇助の罪が問われた。これは幇助の故意があったこと、特に本件では未必の故意があったかが争点となっていただけに、それを検察側が立証するのはかなり難しい。そもそも立件さえ難しいのだ、だから警察は故意があったかのような申述書を書かせてまで逮捕している。
人の心の中はわからない、だから客観的な証拠が必要になる。本件ではそれを裁判で提示できなかった、だから結果無罪となった。これはあくまでも裁判上無罪ということに過ぎない。
本作は純朴で無垢な開発者が悪の国家権力から勝利を勝ち取るという単純な構図で描かれているだけだったので、金子氏の功罪についてもう少し掘り下げて描いてほしかった。
検察権力が犯罪事実を明るみにして法で裁くと同時に人権を侵害する危険性をはらんでるのと同様に科学技術の進歩が人の生活を便利にするとともに人の権利や命を奪ったりもする。そういった、テクノロジーも諸刃の剣になり得るという危険性が描かれていればよかった。
ちなみにもう一人の主役である仙波氏が暴いた愛媛県警の裏金事件。このせいで本作は松山市では公開されなかったらしい。
仙波氏いわく裏金作りのために冤罪が生まれているという。犯人をでっちあげなければ捜査費用の名目で裏金づくりができないからだ。愛媛県警の過去の冤罪事案など検索して見てみるとそれは酷いものだつた。公にされてないだけで全国の警察で裏金づくりがなされていることから同じ様に冤罪も全国で生まれているのだろう。正直、この国に暮らしてることにかなりの恐怖を覚えた。仙波氏の闘いはこれはこれで一つの作品に十分なりうるものだと思う。
朴訥なキャラクターを演じた東出君を筆頭に役者さんたちの演技がすごくよくて娯楽作品としては完成度が高い作品だった。ただ前述のように引っかかる部分があって純粋に感動したとまではいかなかった。
大川原化工機事件の映画化を是非とも望む。
警察、メディア、開発者、
「Winny」が誰に潰されたのか。Winnyを使い映画・文書など著作権を持つデータの流出が問題となった。警察は、アップロードした複数人を逮捕し、警察は面子を保つために「開発者」という大看板を逮捕した。逮捕したはいいが(これ何の罪だ?アメリカでは開発者の逮捕はないぞ…)と、警察は自白まがいの誓約書を金子氏に書かせ強引に罪を認めさせた。
一方、愛媛県警の偽造領収書問題でWinnyから証拠が流出。
金子氏を逮捕した京都府警の内情が描かれていないのは、当然京都府警が取材を許可するはずなく=取材できなかったからだと思うので憶測に過ぎませんが、本映画で伝えたい一つとして、警察は「面子を保つためには何でもする」ということを描かれていました。
取材できた愛媛県警を告発した仙波氏について描けたのは「取材できたから」であり、その取材をもとに描かれた愛媛県警の描写は、所々ですが具体的であり、組織を守るという体裁で若い警察官も偽造領収書に加担する。劇中で、若手警察官がニセ領収書に協力しない仙波氏に対し「仙波さんなんで辞めないんですか」と聞いたら、仙波氏が「山本、やめるのは簡単なことやぞ」と、2つの意味で若手に苦言を呈する場面が印象的でした。
Winnyを潰したのはアメリカだという諸説もありますが、劇中では「出る杭は打たれる」という例えの中で、出る杭を支える者・打つ者・指示する者という、そこには複数が関わっているというセリフがあった。ここは警察組織の中で、または警察(支える=逃がさない)・報道(打つ=叩く)・裁判所(指示する=判断する)という意味合いにもとれる。
お亡くなりになっている死因も長い裁判で無罪を勝ち取るまでに相当なストレスを抱えられていたのだと、警察の取り調べの様子、報道によって印象づけられた世間の中で生活する気苦労を察するに、相当な気苦労があったかと思われます。
日本の悪いところがとてもよく出ていて学べます。これを「そんなことないんじゃない」という風に鑑賞する、思考をやめるのは簡単なことです。
天才開発者と弁護団の闘い。
私はマックユーザーでもあり、Winnyのことをまったく知りませんでした。
Winnyを入れたらパソコンがウイルスに感染する。Winny=悪。
そんな私の誤解を解いてくれた作品です。
法廷ものとしては、少し地味な展開のような気がしましたが、
事実をリアルに描いたということなんでしょうね。その後の
勝訴を描くのではなく一審の敗訴を描くことで、
伝えたいことを明確にしたのだと思います。
Winnyの開発者・金子勇の司法との闘いを全て実名で描く
金子勇は開発者としての自分の時間や夢も犠牲にして
表現の自由のために7年半戦った。
一番に東出昌大がハマり役だった。
パソコンのプログラミング以外の世事に疎く世間知らず。
ピュアで愛らしい金子勇にピッタリだった。
日本の社会は天才を殺してしまう社会なのか?
才能を生かしてこの国を大きく羽撃く人材を育てる社会ではなく、
足を引っ張り力を奪う。
だとしたら本当に情けない。
望洋として宇宙に憧れる飛行機に夢を馳せる・・・
そんな金子。
彼は自分を犠牲にしてもあとに続く後輩の開発者のために、
道を閉ざさなかった。
前に広がる道を示すために自分の未来の夢を7年半も我慢する。
多分、プログラミングをできない事がどれほど辛い事だったか?
手足をもがれるように苦しかったと思う。
それでも耐えた。頑張った。
所で愛媛県警の仙波巡査部長(吉岡秀隆)のエピソードはいったい
何だったのだろう?
仙波は警察の裏金作りに警察官の殆どが関与していることを
告発した警官だ。
これとWinny事件とどのような関連が?
告発した後で裏金作りの証拠となる名前入りの領収書がネットに
大量に開示される。
私はPCに全く詳しくない。
Winnyで警察のデータシステムに侵入してハッキングした・・・
あるいはWinnyのウイルスに感染した?
そういう事なのか?
それにしても中途半端な扱いだった。
もう少しWinny事件との関連付けが出来ても良かったと思う。
東出昌大は18キロ増量して金子に似せたと言う。
第一印象は彼だと分からなかったくらいだ。
新しいソフトの開発で金子さんに、もうひと花咲かせてあげたかった。
(裁判に奪われた7年半は、長すぎる)
本当に控えめな人だ。
悪い奴ほど長生きして、よく眠るのだな。
東出の金子さんは、似ているらしい
事実に基づいて作られている、のかな?
だから、感動とか驚くような展開とか、
そういうのがある訳じゃない。
起こったこと、言われたこと、
それを再現されているような感じ。
割と金子さんの天然のせいで窮地に追い込まれたり。
なのに、本人は他人事で楽天的。
勝つ気あるのか?笑
こんな天才が開発に全力を注いでいたら
絶対に世の中のパワーバランスは
今とは違うものになっていただろうね。
惜しい人を亡くしましたね。
どう考えても、開発者を捕まえるなんておかしい。
日本の警察おかしい……
吉岡秀隆が目当てで観たけど、
結構良かった。
天才プログラマーの罪と罰
評判良く拝見。とても良かったですね。
骨太の筋だけで面白く、刑事もの、法廷ものとして追いかけてゆく。
地味なりに良質な映画力が抜群で、緩急ある流れに身を任せて、ずっと観ていられますね。
画づくりも悪くなく、音楽も過不足なく(これがなかなかできない)
邪魔もせず、さり気なく場面や筋を補説する役割に留めています。本来、劇伴てのはそういうもののはず。
更に、俳優の演技が良かったですね。やはり小劇場出身で長らく商業にも身を置けるレベルの俳優の演技力は素晴らしい。
特筆すべきは、渡辺いっけいと吹越満ですね。
非常によく抑制された、それでいて芯たるエネルギーに満ちあふれている。
エッジの効いた演技が段違いですね。
比べて失礼ながら、評価の高い吉岡氏も
映像の世界の演技でしかないと気づかされるレベルですね。
(しかしまぁ、あの満男が老け役とは、、歳の経つのは(以下略))
しかし、あれだけ紡がれた物語も
俳優が血肉通わせた登場人物たちのドラマも
物語は最終盤で現実に収束してしまうため、ノンフィクションものの宿命で
楽しければ楽しいほど
盛り上がれば盛り上がるほど
この時間よ終わってくれるな、夢よ醒めてくれるなの
あの物語構造は、いろいろな作品でお目に掛かりますが
この作品においても、非常によく機能していて、
結末を知っていればいるほど、その落差に涙してしまいます。
ジェットコースターのようなものですね。よく出来ています。
さて、タイトル回収ですが
私はプログラマー御本人に直接お逢いしたことはないため、物語上の推測ですが
果たして、彼は本当に、純粋に山があったから登ったという種の
研究者タイプの人物としてカテゴライズしてしまって良いのでしょうかね?
本当に、無邪気で純粋な探求者でしかないのか?
零戦を作った堀越二郎のように
原爆を作ったオッペンハイマーのように
ロケットを作ったフォン・ブラウンのように
己の生み出した技術とその結果を恨み、後悔したことはなかったのでしょうか。
この映画のテーマそのものでもありますが
果たして、本当に技術者に罪はないのでしょうかね?
社会通念上の、刑事罰に処せられる類の罪はなかったとしても
私にはなにか、違う「罪」(とその罰)のようなものがあるような気がしてならないのですね。
あれだけ頭の良い人が、果たして、本当に著作権侵害に使われないと
使われかねないという可能性を、少しでも考えなかったものでしょうかね?
使い方はあくまで使う本人の問題だと。
愚かな大衆の手に余る力をもたらしてしまった、その功罪の罪の方は
本人が意図しなかったのならば、その手は決して汚れてはいないのでしょうか?
匿名で技術を開発できれば、本当に自由は、安全は守られると?
裁判で語られるとおり、彼自身に、「罪」は本当にないのか?
私には、彼が心許した弁護士にだけ、飛行機飛ぶあの夕陽に
ほんの少しだけ滲ませた、自分の罪に対する意識の欠片を見た気がします。
私の気の所為かもしれませんが。
気の所為であって欲しいのですが。
こんな裁判をぐちぐちやっている間に
いつもの映画館で
大型連休真っ只中で結構客が入っていた
事前予約で席を確保していてよかった
東出がコツコツ頑張っていてうれしい
三浦貴大のリアル近眼演技もいい
素通しメガネは興覚めなのだ
吹越は儲け役だった
愛媛県警の不祥事告発の話と交錯していて
吉岡秀隆が目ヂカラ演技で頑張っていたが
何だか必然性を掴み損ねた
証拠が上がるのにWinnyが一役買ったということか
匿名性を発揮したとかそういうことか
なんだかウイルスのせいで漏れたのと
一緒くたになっていた感があって
そこははっきり説明した方がいいかと
こんな裁判をぐちぐちやっている間に
すでにYOUTUBEという新しい技術が出てきたという
ブラックユーモア
なんかその後の日本の技術力の凋落とリンクしているような
ま そういうメッセージなんだろうな
このタイミングでの放映はまさにベストタイミング。
感動の名作だった。もっと多くの映画館で放映して欲しい。
ソーシャルネットワークみたいな、インテリ系の映画と思ってたけど、どちらかというと法廷ドラマでした。まさか感動するとは。
金子勇のような天才が日本で羽ばたければもしかしたら、GAFAのようなIT企業が産まれていたかもしれない。
タイミングや日本の土壌も悪かったし、世間の理解も追いついていなかった。
そして今、ChatGPTが流行り政府も活用すると明言している。これに対し欧州各国やアメリカの大手ITは警戒感を示している。そのタイミングでこの映画放映はすごいタイミングだと思った。
金子勇が訴えたことを真に理解できるひとが増えれば、今後の日本も捨てたもんじゃないです。
日本の国益に明らかに反するような警察と検察の、天才プログラマーに対する無知と横暴に対する静かな怒りが伝わってきた
松本優作 監督による2023年製作(127分)の日本映画。
配給:KDDI、ナカチカ。
新しい画期的なものを創る才能を潰しにかかるという日本の大きな問題を真正面から描いた、とても硬派な骨のある映画と感じた。この日本の言わば悲劇を描いた映画を産み出した中心人物、松本優作(1992年生まれ、脚本と監督) 及び岸建太朗(1973年生まれで撮影と脚本を担当)両氏に、拍手を送りたいと思った。
Windy を産み出した天才プログラマー金子勇の、超理系的で純粋にプログラミングを楽しんでいる人物像が実にリアルで、素晴らしかった。その人物像を創った脚本と、その人物をとても魅力的に見せた東出昌大の渾身の演技に魅せられてしまった。このヒトやっぱり、凄い俳優だ。
裁判で金子を弁護した壇俊光弁護士を演じた三浦貴大も、弁護士としての粘り強さに金子への尊敬と愛情が滲み出る演技で、とても良かった。大スターを両親に持ちながら、朴訥さに溢れて良い俳優だなとも感じた。
法廷描写はとても難しいと思うのだが、見事な闘いのドラマとなっていた。特に、吹越満演ずるスター弁護士が警察官に嘘を話す様に仕掛けるところの組み立ては鮮やかで、その飲み屋での観客向け?の解説も含めて、お見事!と感心させられた。
愛媛警察における裏金問題を告発した仙波敏郎・元巡査部長(吉岡秀隆)の実名エピソードにもビックリ。県警は否定したが、Winnyで証拠ファイルが出てきてしまうという展開が、事実らしいが皮肉な展開。金子さんの検挙は、こういった内部告発に対する恐怖からの組織的な対応ということなのか?いずれにせよ、事件をでっち上げての裏金作りに組織をあげて取り組んでいたという事実、告白者を抹殺しようと動く正義遂行するはずの組織に恐怖を覚えた。
最後、本人の映像も含めて、この裁判の後に控訴し、最高裁で勝利を勝ち取ったが、2年後心筋梗塞で亡くなった映像もみせられる。日本が産んだ貴重な天才、その彼から奪い取った貴重な時間(起訴2004年で、最高裁判決が2011年)、長期的な国益に明らかに反するような自己目的化した警察と検察の無知と横暴、それらに対する静かな怒りがこちらにも十分に伝わってきて、涙が流れた。凄いパワーを秘めた画期的な映画であった。
監督松本優作、原案渡辺淳基、脚本松本優作、 岸建太朗。
企画古橋智史、プロデューサー伊藤主税 、藤井宏二、 金山、撮影岸建太朗、照明玉川直人、録音伊藤裕規、衣装川本誠子、梶原夏帆、ヘアメイク板垣実和、装飾有村謙志、編集田巻源太、音楽プロデューサー、田井モトヨシ、音楽Teje 田井千里、音響効果岡瀬晶彦、助監督杉岡知哉、キャスティング伊藤尚哉、ラインプロデューサー中島裕作、制作担当今井尚道 、原田博志。
出演
東出昌大金子勇、三浦貴大壇俊光、皆川猿時、和田正人、木竜麻生、池田大、金子大地、
阿部進之介、渋川清彦、田村泰二郎、渡辺いっけい北村文哉、吉田羊、吹越満秋田真志、吉岡秀隆仙波敏郎。
おもろい
警察が悪というようなことをこれでもかというくらい盛り込まれていて、この点に違和感を覚えてしまい、この映画は茶番だな。警察そこまで悪じゃないよ。テレビの見過ぎだよ。
と思いつつ見ていたがここまで一方的に悪く描くと逆に潔く見え、むしろ爽快でした。
真相はどうなんでしょうか。
映画は主に、日常かつ公判の準備パート、公判パート、愛媛パートが次々に展開して進んでいくのですが、パート毎に新たな進展があるので、物語にのめり込んでしまいます。
終わり方が若干盛り上がりに欠ける感じがしました。
あえて、無罪を勝ち取ったところで終わらせなかったのだと思いますが、映画的にはシュンッと終わってしまった感じです。
エンドロールの金子さんのシーンは人柄が出ていてほっこりしてしまいました。
想定を超えてくる面白さだったので見てよかった。
力になれなくてスマン
オープニングでPC-8001が映るんだよね「おお」っていう。
あと金子さんの小学生の頃の回想シーンで、本屋に《マイコン》《I/O》なんかが並んでるんだけど、古書をがんばって集めたから新品感がないの。
「Winny事件は無罪だったよな」と思って観てたら、地裁は罰金刑で有罪だったんだね。
これはダメだと思う。
Winnyに問題点はあったんだと思うけど、それを司法の場で追求するやり方はどうなのか。
作中でも吹越満が『開発者を逮捕したのは何故なのか。裏の意図を見抜かないと』って言ってるけど、そこが重要だね。
この映画では『匿名性を担保した状態で情報発信が可能になると、権力にとって不利な情報が出てくる。それは防がないと』という意図があって公権力が動いた。そう描かれてると思ったの。強く主張しないから読み外してるかも知れないけど。
その理由で公権力が一個人を逮捕・勾留するのを許していると、とんでもないことが起きるね。金子さんを応援して、公権力の暴走を防がなきゃいけなかったなあと観て思ったよ。
この作品はテーマを声高に叫ばないのがいいね。「金子さんは無罪を勝ち取れるのか、どうなのか?」っていう法廷劇の面白さで引っ張っていく。ときおり面白エピソードを混ぜて飽きさせないし。
役者では、木竜麻生が最初に出てきたときの衣装が可愛かったのね。「Winny事件の頃のファッションはいいなあ」と思って観てたんだけど、その後はそうでもなかったから、最初の衣装が良かったんだな。
木竜麻生の位置づけは、半ばお茶くみ要員っぽいところもあって、今だとこの描き方は許されないから、十数年で社会も変わりつつあるなあと思ったよ。
東出は、《聖の青春》の羽生善治役もそうだったけど、寄ってる感情表現をする役が似合うね。
他の役者はみんなすごかった。主演の三浦貴大はほんとにうまい。吹越満もめちゃくちゃ良い味。
レベルの高い脚本と役者で、テーマ性のある作品をエンタメ要素を落とさずに完成させたのは、ほんとうにレベルが高いと思ったよ。
ひとことReview!
デジタル技術の進歩に日本の法整備が追いついていない。日本特有の時代遅れの思考回路を思い知らされる作品。こんなんでグズグズしているから、いつまでたっても時代遅れの憲法九条が改正されないんだよね。恥を知れ!
無垢なプログラマーと信念の弁護士の構図
著作権法違反ほう助の罪に問われたファイル共有ソフト「Winny」の開発者・金子勇さん、そして彼の弁護を引き受けた弁護士・壇俊光さんのお話。
これ、脚本もキャスティングもメチャいいじゃないですか。ざっくりと知っていた事件だけど、グイグイ引き込まれた。
思えば、当時自分の周りでもWinnyの利用者がいた。彼等に著作権に対する意識はなかった。罪の意識はなかった。
★以下、客観的な事実(ネタバレ注意)
2002年ソフト公開、2004年逮捕、
京都地裁で2006年12月に有罪判決、
大阪高裁に控訴して無罪判決、
検察側の上告を最高裁が棄却し11年12月無罪確定、
13年7月急性心筋梗塞により42歳で亡くなった。
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