ハドソン川の奇跡のレビュー・感想・評価
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会社の朝礼のネタに使える!社会人必見の「オトナ」の映画。
実際の事件という意味では、確かに奇跡的な出来事だし、映画向き。しかも映画の作りとしては、実に大人の映画である。
「ハドソン川の奇跡」
本作はそのサレンバーガー機長を人間味ある「ヒーロー」としてある程度描いているのは、これまでのイーストウッド監督のかつての作品の流れとして一貫しているので、当然のことだが、前作「アメリカンスナイパー」に続いての本作、とみるともう少し奥が深くなる。
前作の主人公はイラク戦争にて、「従来の強い良きアメリカ人」の「そこでしか自分を発揮できない」、アメリカの闇、アメリカのヒーローの「悲劇」を描いたものだったのに対し、本作の主人公は、まさにそれを受けて、そんな「闇」を背負ってきた、それでもなお存在する「従来の強い良きアメリカ人」のヒーローとしてサリンバーガー機長を描いている。
映画の出来をオレは、けちょんけちょんにけなした「アメリカン・スナイパー」だが、本作と比較すると、「古き良きアメリカ人の悲劇」と「仕事と家庭を大事にする強い精神力のアメリカ人の勇気をたたえた物語」という、ある意味正反対だが、実は「おなじヒーロー」として両作品を見ることができる。
これは映画のシーンでもわかるが、ここに登場する人物はすべて「あの悲劇」を想起しつつも、「今それを起こすわけにはいかない」という確固たる信念と、日々の日常を強くたくましく生活しているアメリカ人の「強さ」「優しさ」が浮き上がってくる作りはとても誠実で優しい。
国家運輸安全委員会の厳しい追及の描写が、若干単純な「敵」として見えがちだが、そっちの描き方は、あえての演出。機長と副機長の「オトナな対応」をより強調するためのやや誇張した描き方にしてある。
めんどくさい委員会の口撃も、キレることなく、さらりといなす。それは弁が立つ、とかではなく、「自分の行ったことに対して、自信があるかどうか」である。
だがそんな機長もやはり揺れる。
そんな、仕事にプロフェッショナルで、家族も大事にする、そんな強い男が揺れる。
それがあの、9.11の悲劇がもたらしたものなのである。
イーストウッドは、それでも、いや、だからこそ、オトナに描く。
普通の日本人の、ボンクラなオレはやはり、そこまでの彼らの心情はリアルに実感できない。
だが、イーストウッドの、オトナな視点のおかげで、これは、「アメリカのヒーロー」の映画だが、と同時に「オレたち」の映画でもあるのだな、と思った。
その理由は、そんな機長と副機長の委員会に対する「オトナな対応」がかっこよかった他ならない。
事故発生時に、パニックにならず、冷静に考える。副機長は「ルールとしてやるべきこととして」マニュアルを広げる。
そもそもあの委員会のシミュレーション検証内容ははっきり言ってゆるゆるだし、かつ「悪意のある検証結果」である。
だが、機長、副機長が、「やることをやっていているからこそ」、機長の証言が生きてくるのである。
感動的な実話だし、映像も迫力ある。少し単純な「敵」としての委員会の描き方も意味がある。十分素晴らしい映画だ。
が、それよりも、サラリーマンのオレとしては、何と言ってもその「オトナ」な姿に感動した。
これこそ、今オトナとして学ぶべき映画。家族を思い、無事着地する、という「仕事」を全うし、155人全員無事に家に帰し、そして「9.11」後の社会を思う。
これこそ社会人として見習うべき姿だと思う。
追記
会社などで、ワントピックを話すような朝礼があるようなところだと、ぜひこの映画を話題にし、勧めるといい。
追記2
ラストの副機長の一言は、「155人全員無事だった」という結果によるものである。仕事をするうえで、こんなジョークを吐いてみたいと思いつつ、オレは日々頑張るのである。
素晴らしかった
奇跡的に生還したUSエアウェイズ1549便不時着水事故を取り上げた作品。原題のSullyは機長のニックネーム。
主に生還後の機長への責任追及が描かれていた。1人の犠牲者を出さなかった英雄であっても厳しい追及が行われ、それによってはマスコミの取り上げ方は世間全体を背負ったバッシングに変わりうる。取り上げられる側の葛藤と苦悩が描かれていた。
一度ではなく何度も回想シーンがあったが、現実はそれ以上に何度も思い出し葛藤し苦悩したんだろうと思いながら観た。
興味深いのは、この映画は「最後はやっぱり機械ではなく人の判断だ」みたいなよくある主張はしていない映画だと思えたこと。
この映画で描かれていたのは、その当時の技術の段階と現場の状況ではあれが最善の策で、機長や周囲はベストな行動をしたということで責任は追及できないということ。だから機械化がいいとか人の判断がいいとか自体は主張していないように感じられた。今はもう、そういった事故自体起こさないようにしなきゃいけないのだから、人的エラーによる事故を助長するような主張はして欲しくなかったので、そこが内容に振り回されておらず素晴らしかったと思う。
奇跡
さすがトムハンクスとクリントイーストウッド。
文句なしで良作でした。
最近の話ですので内容は何となくは知ってましたが、ドラマとしてよくまとまってましたね。時間もちょうど良いし。
アメリカらしいといえばらしい(特に最後とか)映画だったなw
イーストウッド師匠の落語
「やるなら7月に」。かーっ!なんと豊かな余韻の残る作品か!たまらん!これはイーストウッド師匠の落語ですな。やっぱり誰も敵わんなあ
想起する作品はいくつかあるけど例えば『ザ・ウォーク』。「衝撃的事実の一部始終を映像化したこと」と「ニューヨーク讃歌であること」とが共通する。他には明らかにUSエアウェイズ1549便不時着水事故を下敷きにしている『フライト』。どっちもロバート・ゼメキス監督作品。2人とも老練
バードストライク後の描写は『ユナイテッド93』を想起した(エンドロールの本人映像然り)。しかし911テロのような事態は回避された。それは劇中サリー機長が語るように独りではなく「チームプレー」によって成された。本作は「働くおじさん(とおばさん)映画」でもある
上映時間96分はイーストウッド監督作品で最短らしいけどこの肩の力を抜いた感じでも傑作にしてしまうなんてとんでもないわ。大枠でいうと「人間ドラマ」ということになるんだろうけど航空パニック劇と法廷劇の要素も入れてあの落語的「サゲ」。なんども言うがたまらん!
実話映画の醍醐味
さすがクリントイーストウッド、すごい演技力のトムハンクス、久しぶりに実話映画、抜群に感動したね。
最後の「次あるとしたら、7月が良いね。」いやらしくない娯楽性もあった。
即時性判断力の重要性、勉強させてもらった。
シンゴジラの1万倍良かった。
奇跡は,起こるべき人に,起こるべくして起こる
航空機の不時着水は,機長の冷静な判断と確かな技術が引き寄せた,まさに奇跡。不時着水後も最後まで機内で乗客を探し,救助されたあとも乗員全員の安否が確認できるまで決して気を緩めず,英雄ともてはやされても決しておごらない機長。それどころか,最善の対応をしたにも関わらず糾弾され,自分の判断は正しかったのかと自問自答し苦悩する。この奇跡は,そんな機長と,機長の判断に従って適切に行動したクルーが全力で勝ち取った結果です。奇跡は,起こるべき人に,起こるべくして起こるのだと感じました。
とにかくトム・ハンクスの演技が秀逸です!それに加えて構成がみごとで,回想シーンが緊迫感を与えるとともに,機長の苦悩を描き出します。また,無理に感動を与えようとする余計なシーンがなく,それがかえって事故当時の乗務員の判断と行動のすばらしさを引き出していると思います。
余談ですが,先日,新幹線運転士が運転中に足を投げ出し,レバーから手も離していたというニュースを見ました。本作を見て,人の命を預かる仕事の重みを感じてほしいものです。
熟練の職人芸
イーストウッドの語り口のなんと鮮やかなことか。
離陸から数分の出来事なのに、様々な角度から繰り返し描くことでドラマティックに浮き上がってくる。
一つ一つのシーンのシンプルさがなんとも小気味いい。熟練の職人芸。
トム・ハンクスも安定度抜群。
突っ込みどころなしの一本。
よかった
全員生還の功労者が一転、容疑者に! 機長サリーの不安な心理を表す映像が幾度となく流れ、あの事故はいいお話としか認識がなかったので、驚きでした。すっかりサリーの側に感情移入して見ているから、事故調査委員会の人のつら憎いこと! 最後のほうはドキドキ、涙
イーストウッドの凄さが分かる一本
あれからもう7年以上も経ったのかと、時の早さを感じながら鑑賞。
サリーのプロフェッショナル魂に惚れる。
多くを語らぬ主人公の迷いや苦悩を見事に演じたトムハンクス凄い。
ハドソン川に着水するって言った時のアーロンエッカートの「えっ、マジ?」って顔芸はオスカー級。
そして何より、この話をこんなに凄い映画にしちゃうクリントイーストウッドってホント凄いわ。
さすがクリントイーストウッド、アメリカをかっこいい、素晴らしい国に...
さすがクリントイーストウッド、アメリカをかっこいい、素晴らしい国に描いております。
事故そのものではなく、その後の機長の状況の変化と調査委員会の追求がストーリーの中心。
とにかく機長が完璧すぎるほどの人間でかっこいい。
本当にこんなに完璧な人いるのか?!と思ってしまいますが、映画ですからね。
改めてどんなに機械化やIT化が進んでも、最後は人間の技術だなと思った。
いい話を聞いたなぁとほっこりできる映画です。
トムハンクスは年をとって魅力的になりましたね。
「感動のアンビリバボー」のような内容!!
日航123便について調べていたので、飛行機事故を扱った内容として期待しましたが「感動のアンビリバボー」の再現VTRのような内容でした。また「ミリオンダラーベイビー」「チェンジリング」等の、苦しいほうのイーストウッド作品を期待すると肩透かしでした。尺も短くてフライトを2回流して他にやることがない印象でした。映画としてはもう一展開欲しいし、事件について知りたいのであればWikipediaで十分だと思いました。123便を撮ってほしかったです。何故こんなに評価されているのかわかりません。
おすすめにきまってんだろ!
こういう「飛行機パニックからの法廷モノ」はどうしても俺の大好きな「フライト」と比べてしまうが、今作も負けじと面白かったです!
「フライト」と違う点は、
まず構成がヒネって作られてましたね。
時系列が前後する。
あと、「フライト」の機長は英雄だけど非があって、要は問題児なんだけど、今回の機長は超プロフェッショナルで全く非がない!
声を荒げないし動揺も全くしないので主人公向きではないんだけど、すげーかっこいい!!特に終盤、安全委員会を論破するところ最高!そして「失礼」といって外に出て、副操縦士に「what do you think? I'll tell you what I think. I'm so damn proud of us」っていう所が超爽快!!たまらん!!
96分と短いし、銃撃戦もお色気シーンも全くないけど、すげー面白かった!
泣き所も三ヶ所ぐらいあった!
さすがイーストウッドです!!
トムハンクスってすごいな
この人はそういろんな役ができるんだなと改めて思います。日本の役者でいう堤真一みたいだなと個人的に思いました。
起こることは飛行機の着水ということだけなのだが、登場する人の心の動きかたが手に取るように伝わってきて
涙します。
感情の描写が非常にうまく、心動かされます。
ここまでじっくり描いている映画ってなかなかないですよね。
本当に素晴らしかったです。
今年は豊作だな~。
潔い
最高のモチーフに対しこれ以上ない味付けだった。ノンフィクションなのだから、意外性なんていらないんです。良い映画をありがとう。
欲張って変にエピソードを入れず90分弱に抑えた点も潔くGood!!シンプルイズベストですよ。
強いて注文をつけるなら、日本版タイトルが最悪。マイナーな日本での受けを狙ったのだと思うけど、この改題はセンス悪すぎ。どう考えてもこの映画は“サリー”でなくてはいけないし、副題にするにしても“奇跡”はあり得ない。いったいこの映画のどこを見たらこんな煽った安いタイトルになってしまうのか。“ハドソン川の顚末”、“ハドソン川不時着”くらいの抑えた副題にしなくてはいけなかった。責任者出せぃ!という気分だ。
さすがのクリントイーストウッド印
淡々と進んでいくがさすがのクリントイーストウッド。
音楽よし。脇役よし。映像よし。
何と言っても飽きさせない物語のうまさ。
空からの景色を楽しむのならIMAXかな。
エンドロールが終わるまで帰らずに!
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