劇場公開日 2016年4月8日

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「こどもに救われたが。」ルーム xtc4241さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0こどもに救われたが。

2016年4月11日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

幸せ

「ルーム」は3つのストリーに分かれている。
①ルームからの脱出劇
②解放後の現実のきびしさ
③母親を救い出すジャックの行動
①は、鬱屈したルームの中に母親とこどもの日常が描かれる。
そして、大きな転換、脱出劇。
それが成功した時の開放感と深い愛情劇。涙がこぼれ落ちた。
②はマスコミに追い込まれる母親の精神状態と、その状況にも愛情を求めるジャックのすれ違いが哀しい。
女性キャスターはいう「生物学的には犯人のこどもですよね』
母親はいう「彼はわたしだけのこどもです」
そんな状態の母親が病んで病院に入ったときも、その現実がわかっていたのか、わかっていないのか、ひたすら待ち続けるジャックの姿が愛おしい。
③は母親を救うため、そして、自分自身を納得させるために「ルーム」に戻り、思い出の品々と別れをいう。
なんて出来たこどもなんだろうと思う。
これはあくまで映画である。感動的につくられた映画である。
それにしても、その子役であるジェイコブの演技はすごい。
ディカプリオの主演男優賞に文句はないが、ジェイコブにももうひとつの演技賞をプレゼントしても惜しくないと思った。
だから、主演女優賞の影が薄くなったと思ったのは僕だけではないだろう。

xtc4241