ルーム インタビュー: オスカー女優ブリー・ラーソン&天才子役ジェイコブ君、「ルーム」で築いた強固な絆

ホーム > 作品情報 > 映画「ルーム」 > インタビュー > オスカー女優ブリー・ラーソン&天才子役ジェイコブ君、「ルーム」で築いた強固な絆
メニュー

ルーム

劇場公開日 2016年4月8日
2016年4月5日更新
画像1

オスカー女優ブリー・ラーソン&天才子役ジェイコブ君、「ルーム」で築いた強固な絆

社会から隔離された部屋しか知らない幼い少年と、少年を守るためママになった若い女性。ふたりだけで生きてきた親子が世界へ飛び出す瞬間がやってきた――ママを演じ初のオスカーを手にしたブリー・ラーソン、子役のジェイコブ・トレンブレイ君は、映画「ルーム」で強い絆で結ばれた親子となった。(取材・文・写真/編集部)

ママとジャック、ふたりだけの部屋での生活。「人がいかに成長するか」「人生を生きるということを覚えていく」普遍的な出来事が、ある部屋をめぐる親子の物語として、愛とともに紡がれる。被り物のバンドマンを描いた「FRANK フランク」のレニー・アブラハムソン監督が、原作小説の作者エマ・ドナヒューによる脚本のもと、映像化に挑んだ。

ジャックを守る存在としてママ(母親)になった女性が、ジャックに世界を見せるため部屋からの脱出を決意し、ジョイという本来の自分を取り戻そうとする。しかし、部屋から現実に戻ったことで、ママとジョイという同一人物でありながら異なるキャラクターの間をさまようことになる。

ラーソンは、撮影前の準備に8カ月を費やし「こういう状況が肉体・精神にどのような影響を与えるのか」とママ/ジョイを形作っていった。「親であること」「性的虐待を受けたサバイバーであること」と真摯に向き合い、「キャラクターが持ついろいろな側面を表現しなければいけなかったんです。まず、『もともとどんな人間なのか』『学生時代はどうだったのか』『両親との関係はどうだったのか』『若い頃はどんなことがやりたかったのか』という誘拐される前の彼女という人間を探っていきました。そして、その後にトラウマ(心的外傷)を受けた時に、足し引き算をしながら私たちが映画の中で最初に出会うジョイを作っていきました」と真に迫る表現を追及した。

「専門家からトラウマが人にどういう影響を与えるのかということを学んだり、(ビジュアル面では)指導を受けながらかなり厳しい食制限をしたり、日光を浴びないようにもしました。本当にあらゆる面から準備をして模索していましたが、撮影する段階でもまだ彼女のことがはっきり見えなくて。ただ、彼女を形成する核として、性的虐待を受けたことと親であるということが大きくあると思いました。どちらも人の心理に大きな影響を与えるものでありながら、私自身が経験していないことだったので、実際にそういった方が見てくださった時に、リスペクトを持って誠実に描写していると感じてもらえる演技をしなければと考えました」

ラーソン扮するママとともに、生まれてからずっと部屋で生活してきた少年ジャック。撮影当時、弱冠8歳だったジェイコブ君は、戸惑いながらも世界へと飛び出していくジャックを演じ、卓越した演技力で注目を集めている。

「脱出シーンはとても長いプロセスだったし、どういう風に反応したらいいのかとか、アクションでどんな風にしなきゃいけないのかとか、すごく大変だったんだ。でもアクションをやってみて、ジェームズ・ボンドがどんな感じなのか分かったよ。あと、カメラの前で泣いたことがなかったから大変だったな。(泣くシーンが終わった後は)みんなで良かったねって話していたよ」

撮影は充実し楽しいものとなったようで、ラーソンは「アイスを食べるシーンは、撮影で何テイクもかかるからジェイコブには『ちゃんと自分でペースを決めて食べればいい』と言っていたのですが、どんどん食べてしまっていたんです」と笑う。ジェイコブ君は「僕がどのくらい食べられるか知らないよね(笑)! 5皿も食べられるんだよ!」と得意げに話し、和気あいあいとした現場の様子をうかがわせた。

ジェイコブ君を見守るラーソンと屈託のない笑顔で伸び伸びと話すジェイコブ君は、まるで本当の親子のようでほほえましい。撮影前からふたりで過ごす時間を作っていたそうで、「撮影前に3週間遊んだんだよ。シーンのリハーサルではなくて、ホテルでレゴで遊んだりしたんだ」(ジェイコブ君)。ラーソンは、「私と仲良くならなければいけないというプレッシャーをかけたくなかったので、自然と絆が生まれました。3週間基本的に一緒の時間を過ごし、遊んで、食事をして、お互いのことを良く知っていったんです。部屋のセットで実際に遊んだり、ちょっとリハーサルしたり。映画の冒頭で日課をやっているシーンがありますが、私たちも毎日3週間やっていて、撮影が始まってからも日常の延長という感じにしたんです」と社会から隔絶された空間で支え合う親子関係を築き上げた。

ヒューマンドラマ「ショート・ターム」で話題となり、本作でオスカー像を手にしたラーソン。今、どのような未来を描いているのだろうか。

「映画づくりに対する気持ちはまったく変わっていません。アカデミー賞を受賞した瞬間は、確かにみなさんのイメージは変わるかもしれないけれど、私が自分のことをどう思っているかは一切変わらないんです。役者として映画を作る理由も、愛や人の思いを伝えていきたいということも同じです。変化することといえば、より作りたい作品のコントロールが取れるようになること、聡明な選択をしてこういう作品を皆さんと分かち合えるようになるところだと思っています」

本作で天才子役と絶賛されたジェイコブ君は、「(将来)オスカーはほしいけれど、それが1番の夢じゃないよ」。ラーソンが「ジェダイになること?」と問いかけると、アカデミー賞授賞式でダース・ベイダー柄の靴下を履き、会場に現れた「スター・ウォーズ」のキャラクターに夢中になっていたジェイコブ君は、「マーベル映画か『スター・ウォーズ』に出たい! マーベル映画って全部ひとつになってきているから、スーパーヒーローたちがひとつになって格好いい」と目を輝かせていた。

関連コンテンツ

関連ニュース

関連ニュース

映画評論

ジャックの瑞々しさと観客の感覚が重なった瞬間、魂に触れる小さな奇跡を起こす
映画評論

映画「ルーム」が描く、ブリー・ラーソン演じる若い母親ジョイと5歳の息子ジャックの物語は、設定だけを聞けば随分とエキセントリックに思えるかも知れない。ある日突然誘拐され、7年間監禁され続けた悲劇の女性ジョイ。そして監禁部屋で生まれ、外の...映画評論

フォトギャラリー

DVD・ブルーレイ

映画レビュー

平均評価
3.9 3.9 (全274件)
  • 泣けた母息子愛 精神看護実習してるから尚更~って感じだった。精神的にかなり辛くて負担も大きいはずなのにやっぱり親子の愛が一番だった。母が息子を思う気持ちと何よりジェイコブ・トレンブレイ演じるジャックの強さ... ...続きを読む

    NOCHI NOCHIさん  2017年5月28日 04:44  評価:4.5
    このレビューに共感した/0人
  • 悲しい 結局どうして二人が捕らえられたのか、作中に描写はないけど、特に不満には思わなかった。解放された後、また捕まるのではないかと内心ドキドキしながらラストを迎えた。 ...続きを読む

    ツン子 ツン子さん  2017年5月27日 00:55  評価:4.0
    このレビューに共感した/0人
  • ジーナ・ローランズww 金メダル! なんも言えね~・・・。 劣悪な環境?親?正義?神?はー?でもこの子には、ちゃんとハローグッバイを言わせる。 と38スペシャルを撃ちまくるジーナ•ローランズを思い出した。 80年代の... ...続きを読む

    蛇足軒瞬平太 蛇足軒瞬平太さん  2017年4月25日 19:51  評価:3.5
    このレビューに共感した/0人
  • すべての映画レビュー
  • 映画レビューを書く
このページの先頭へ

最近チェックした履歴

映画の検索履歴

他の映画を探す

映画館の検索履歴

他の映画館を探す

最新のインタビュー

  • インタビュー 家族はつらいよ2 “次男夫婦”妻夫木聡&蒼井優「家族はつらいよ2」で感じた山田洋次流喜劇の妙
  • インタビュー 花戦さ 人の生きざまこそが花!野村萬斎が「花戦さ」で到達した“人生の美”
  • インタビュー 光(河瀬直美監督) 永瀬正敏が「光」で自身に課したもう一つのカセ 河瀬監督に断食を直訴した理由は?
インタビューの一覧を見る
Jobnavi