永い言い訳のレビュー・感想・評価

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永い言い訳

劇場公開日 2016年10月14日
142件中、1~20件目を表示 映画レビューを書く

『そして父になる』へのアンサームービー?

妻を亡くしても悲しみを感じられない男が、自分がいかにマトモでないかを認識していく物語だ。アメリカ映画『雨の日は会えない、晴れた日は君を想う』と似通ったプロットだが、同時に是枝監督の『そして父になる』も思い出した。

『そして父になる』は、エリート意識にとらわれた男が父親としての愛情を見つけ出す話。その触媒になるのが貧しいが愛情豊かな別の家庭という点でも本作とよく似ている。

た、西川監督は「親は、夫は、家族はこうあるべき」という結論に向かおうとはしない。本作の主人公は物語の冒頭からして、性格のねじくれた、相当に面倒くさいダメ人間だ。それが倫理的な正しさに目覚めるのでなく、ろくでもない自分を認識した上で、ちょっとマシな人間になる。

しゃっきりしない話ではあるが、ある意味ストレートな成長物語だった『そして父になる』の反歌のようで、似た素材でここまで違うものを描く西川監督の手腕を楽しんだ。

バッハ。
バッハ。さん / 2017年1月31日 / PCから投稿
  • 評価: 4.0
  • 印象:  知的
  • 鑑賞方法:映画館
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心を抉るような鋭さと、深く抱きしめる優しさと

突如の別れはどのように受け入れられるものなのか。遺された者はそこで何を感じるのか。

主人公が即座に感情表現できる人であれば本作は成立しえない。その分“サチオ”はうってつけだ。2時間かけてゆっくりと寄せる喪失の波。いやむしろ「一向に泣けなかった自分」についての探求の旅というべきか。その意味で彼は、最後まで己にしか関心のない人間だったのかもしれない。

しかしそれでも心に差し込む光の角度だけは、徐々に、確実に変わりゆく。妻への思いは曖昧だが、この先の生き方として、「他人との間」にこそ自分の現在地を見出していくような気配が見て取れる。そのことが何よりの尊さを持って胸に響く。

「オンブラマイフ(優しい木陰)」の調べに乗せ靄を進む列車は人生の縮図のようだ。共にいた人が下車し、新たな旅人と旅を続ける。そうやって木陰を求め人は彷徨う。西川監督はまたも、慈愛と切れ味が同居する演出で人生の本質をすくい取って見せてくれた。

ぐうたら
ぐうたらさん / 2016年10月31日 / PCから投稿
  • 評価: 4.0
  • 印象:  悲しい
  • 鑑賞方法:映画館
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「おくりびと」に並ぶモックンの代表作

テレビに出演するような有名作家だけれど、本業の執筆に生きがいを感じているようには見えない。無名時代に支えてもらった妻との愛は冷め切っている。妻の留守中、自宅で浮気相手と一夜を過ごした朝、妻の事故死の報を受けるが、悲しむ感情すら起こらない……。

外づらはいいが中身はダメダメな中年男を、本木雅弘が説得力十分に演じている。別の遺族一家に出会って、子育てを手伝っていくうちに変わっていく過程の表現もうまい。

妻役の深津絵里は、諦念を漂わせるクールな美しさが光る。出番が少ないのがちょっと残念。

西川美和監督が映画に先駆けて描いた原作小説にも同じ空気が流れていて、ちゃんと地続きの世界観なんだなと思わせる。映画を楽しめた方、小説もぜひ。

AuVis
AuVisさん / 2016年10月17日 / PCから投稿
  • 評価: 4.5
  • 印象:  泣ける 知的
  • 鑑賞方法:試写会
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黒木

西川美和はなんか凄くヒドい。画もダサい。しかも長い。是枝に乗れないように、なんか倫理的に、ヒドい気がする。山田洋次を100倍に薄めて、そこに目配せを2,3滴入れた感じ。俳優への寄りかかり方とか、子供の扱いとか、特に。トラック運転手とか、吃りも。虫唾が走るいやらしい感じ、あざといとか技法の問題ではなくて、生理的に。黒木華だけは、なんだかぽくて良い感じだけど。

ssspkk
ssspkkさん / 2017年5月27日 / iPhoneアプリから投稿
  • 評価: 0.5
  • 印象:  -
  • 鑑賞方法:-
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不器用で繊細でエゴが強い、でも、みんな持っている要素 ネタバレ

※本文にネタバレがあります。 [ ▼クリックして本文を読む ]

邦画だからこそできる、繊細な心の描写とストーリーで、「泣く」といった単純な感情表現よりも、もっと複雑で苦しい幸雄の描写が生きた作品。

妻が事故で死んだ時、彼は部屋で不倫の真っ最中だった。愛も冷めていて、ただ、突然20年連れ添った妻が居なくなり、戸惑う自分がいる。
全く泣かず、それほど凹まず。作家のスキルを活かして葬式のスピーチはもっともらしく振る舞い、その後はネットでエゴサーチ。
人間の汚いところ、弱いところを巧みに演出している。

傲慢で偉そうに編集者に当たったり、モノを投げつけたり。
いるよなあ、こういう人。
でも、そんな一見最低の男である幸雄が、本当に根っからの悪いやつじゃなくて、彼なりの繊細さや優しさも持っている。
人一倍繊細で、傷つきやすくて、自尊心も強い、感情表現が苦手な不器用な人間なだけなのだ。

妻とともに亡くなった友人の一家で主夫として家事を手伝い、子供達とも仲良くなる。彼らの生活の中で支えになりながら、「人と交わること」で得られる温もりのようなものを思い出す。
そんな行為を、マネジャーからは「子供達の面倒をみるのは最高の免罪符だ」とズバリ指摘を受ける。
幸雄なりに妻の死は辛かったが、不倫もしていて最低な自分であるのもわかっていて、そんな状態を受け入れる、昇華するための罪滅ぼしなのだ。

とはいえそんな自分が、実は妻に愛されていなかったことが分かるメールが見つかり、さらに家族にとっても「要らなくなるかもしれない」というシチュエーションが出てきた。急に不安になり、不器用になり、本音だが言ってはいけないことをぶつけてしまう幸雄。
これまで素晴らしい関係を作ってきたのに、最後までどれだけ不器用なんだ…。

自暴自棄に再びなった幸雄だが、家族の危機に再度呼び出され、そこで素直な本音を。
「自分を大事にしてくれる人を大切にしないとダメだ。そうしないと、僕みたいに誰も愛せなくなってしまうんだ。」
なんという、脆く、そして確信的な一言。彼の不器用さは、やはり、そういった免罪符の中で生まれてきていたのだ。

最後は妻とのストーリーを本に書き、みんなと幸せになり、エンディング。本の中では「人生は他者」という一言。これも深い。
不器用な幸雄が、人と関わり始めるような一歩目なのだろうか。でも、結局ヒトは人と関わり合わないと生きていけないのだ。どんなに不器用で繊細でも…。

憂だ感じや、感情表現がとつとつとしているところ、妙に男前なところ含めて、モッくんが最高にハマリ役だった。
竹原ピストルさんや子役の2人も上手い。
すごく、よい映画。

yamapple
yamappleさん / 2017年5月23日 / iPhoneアプリから投稿
  • 評価: 4.0
  • 印象:  -
  • 鑑賞方法:DVD/BD
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期待以上でした。

夫婦だからといって必ずしも愛し合っているとは限らない。そうではない夫婦が相手を失った時の戸惑いと自己嫌悪感がとてもリアルで、西川美和お得意の人間の黒い部分が今回も上手く描かれていてとても良かった。子どもたちが子どもなりに状況を受け入れるシーンも健気で物悲しくもあり、近親者の死を受け入れる様々な立場での様々な受け入れ方がどれも心に響いた。本当に西川美和は天才だと思った。

emi
emiさん / 2017年5月22日 / スマートフォンから投稿
  • 評価: 5.0
  • 印象:  泣ける 悲しい
  • 鑑賞方法:-
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よかった。 ネタバレ

※本文にネタバレがあります。 [ ▼クリックして本文を読む ]

救いようのない話かと思ったけど、ほっこりしたり、救われたり。子供たちがかわいい。たしかに免罪符だわ。
しかしながら、浮気って、ということを悶々と考えてしまう帰り道。ひとかけらも。て重たい。でもそれで吹っ切れたんじゃないかと思う。キツい言葉が逆に優しさだわ。
オンブラマイフ、手嶌葵ちゃんだったか。

ぽみこ
ぽみこさん / 2017年5月18日 / iPhoneアプリから投稿
  • 評価: 3.5
  • 印象:  -
  • 鑑賞方法:映画館
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ほっこりして、泣ける

すごく、面白い。『ゆれる』より好き。
最低な男が、心の繋がりから変化していく様をうまく描いている。
もっくんはもちろん、子役の二人がとても上手い。
ところどころ、ちよっとしたところで笑えるし、泣ける。
竹原ピストルもはまり役(笑)いとおしくてダメなお父さん。
旦那や家族を大切にしたくなる、そんな映画。

asm0601
asm0601さん / 2017年5月16日 / スマートフォンから投稿
  • 評価: 4.0
  • 印象:  泣ける 笑える 幸せ
  • 鑑賞方法:DVD/BD
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涙の量と哀しみは必ずしも比例している訳ではないのだ。

涙の量と哀しみは必ずしも比例している訳ではないのだ。

sakahiro
sakahiroさん / 2017年5月8日 / iPhoneアプリから投稿
  • 評価: 3.5
  • 印象:  -
  • 鑑賞方法:DVD/BD
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永い言い訳、短い本心 ネタバレ

※本文にネタバレがあります。 [ ▼クリックして本文を読む ]

西川美和が自身の小説を映画化。
バス事故で妻を亡くしたのに悲しめない男を描く。
孤独、空虚、苦悩…心情に深く迫るさすがの演出、語り口。
今回も一つのテーマから人間を掘り下げ、見応えのある人間ドラマに仕上げている。

著名な作家としてTVにも出ている幸夫。
彼がかなりの最低人間。
性格は卑屈。上から目線で相手を見下す時あり。
妻が事故に遭った時、愛人を抱いていた。
心有らずの葬式の弔辞。TVを意識してか泣いたフリ。
喪中に豪遊したり、また愛人を抱く。
花見の席で大荒れ。
…などなどだが、何より涙を流せなかった。
でも何か画に書いたような最低の人間って感じじゃなく、悲しみや喪失といったものを何をどう表していいのか分からないという感じがした。

そんなある時出会ったのが、妻の親友の遺族。
トラック運転手の陽一と、幼い兄妹の真平と灯。
陽一は幸夫とは逆で、妻を失った悲しみを隠さない。遺族への説明会では怒りをぶちまけ、幸夫の前で何度も何度も涙する。

ひょんな事から幸夫は、トラック運転手として家を空ける事の多い陽一に変わって、幼い兄妹の面倒を見る事になるのだが…、
何故かここがちょっと面白い。
慣れない“主夫”に悪戦苦闘。
家事、送り迎え、子守り、頭のいい真平の勉強を見てあげたり…。
不思議なもんで、序盤で心空っぽに見えた幸夫が優しいおじちゃんに見える。
この時どんな意図でやってたのかそれは分からないが(次作の執筆の為、何らかの罪滅ぼし、本当に手助け)、でも子供たちと接してた時の顔はまんざら嘘でもないだろう。
(何だか素のもっくんを見てるようだったけど)

妻を失った悲しみの温度差に違いはあれど、同じ境遇の残された者同士が、また穏やかな日常と心の拠り所を見つける。
…それも束の間、
ある日幸夫は、妻の遺品のスマホに残されてたある文を見て衝撃を受ける。
陽一にはちょっとした出会いが。
幸夫が陽一たちと親交を深めたのは、彼らを通して悲しむという事を知る為もあったかもしれない。
が、陽一はドン引くくらいのイジイジ、イジイジ。
長男の真平は幸夫と同じく葬式で泣けず、複雑な内面の持ち主。
そこに、突然の疎外感。
皆と囲んだ夕食の席で酔っ払った勢いで本心とも言える事をぶちまけ、幸夫の孤独や苦悩はさらに深まっていく…。

突破口となったのは、真平。
真平が父親に抵抗を感じていたのはすぐ分かったが、ある時父にキツい本心をぶちまける。
その直後、陽一は事故に遭う。
幸夫と真平は陽一を迎えに行く中で…
真平は、自分なのだ。自分と同じなのだ。
母親を失って、悲しいのは悲しい。しかし、その悲しいという感情をどう表していいか思い悩んでいる。
かと言って、父みたいになりたくない。それを恥じている。
毅然としているが、実は今にも壊れそうで、脆く、弱く、繊細。
つい周囲にぶちまけてしまう…。
真平と対した時、幸夫は最もらしい事を言う。
それは自分にも通じる事、自分に言っていたのではないか。
この幼い自分が、自分のようにならないように…。

本木雅弘がさすがの名演技!
嫌悪感、滑稽さ、憐れみ、それでいての人間味…それらを的確に体現。
やっぱり巧いね~。
本作を見るまで、竹原ピストルをほとんど知らなかったが、パワフルな存在感。
時々危なっかしさを醸し出しつつ、愛嬌もたっぷり。
本業はミュージシャンらしく、どうでもいい事だけどTVドラマ「バイプレイヤーズ」のエンディングソングが絶品!
何つっても、二人の子役が巧い!
本木雅弘も竹原ピストルも巧いが、真平役の藤田健心くんの巧さは随一!
灯役の白鳥玉季ちゃんは素というか、ドキュメンタリーを見てるようなナチュラルさ。
短い出演ながら妻の存在をずっと感じさせる深津絵里、池松壮亮のいつもながらの好助演。ところで…、黒木華ってああいうラブシーンNGとか言ってなかったっけ…??

人の悲しみはそれぞれ。
幸夫の苦悩。
陽一の素直さ。
真平の葛藤。
それぞれがそれぞれの悲しみの中で、喪失からの再生を見出だす。
西川作品の中でも、ポジティブなメッセージを感じた。

泣いたから悲しんでいる、泣いてないから悲しんでないなんて、言いがかりだ。
自分は母が死んだ時、泣かなかった。
元々泣くような性格ではないのだけれども、ああいう時涙というものを見せたくないのだ。
勿論、微塵も悲しんでない訳なんかではない。
今もふとした時母の事を思い出すし、自分なりにずっと母の死を悼んでいる。

“永い言い訳”の後の“短い本心”こそ、グッと心に響いた。

近大
近大さん / 2017年5月7日 / スマートフォンから投稿
  • 評価: 4.0
  • 印象:  泣ける 笑える 知的
  • 鑑賞方法:DVD/BD
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退屈でテーマも不明

無理に知的で難しくつくってる感じがした
何を伝えたかったんだろう
わかりません

へちま
へちまさん / 2017年5月6日 / iPhoneアプリから投稿
  • 評価: 1.5
  • 印象:  -
  • 鑑賞方法:-
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凄い子役

日本映画界において、恐らく奇跡的に出現した天才女流監督であろう西川美和の、「男性主人公」による新作という位置づけであり、また竹原ピストルの演技への賞賛も高い作品であろうと思う。
しかし、あえて言いたいのだが、この映画のハイライトは何と言っても子役、それも中学受験生を演じた藤田健心君の破壊力だと思う。
この子が画面にいる時の緊張感、身につまされ感、涙を誘う健気さ、そして何と言っても映画の真骨頂である「リアル感」が素晴らしい。
西川美和のほぼパーペキな脚本や、感情の揺れを細部に映し出す手練手管も相変わらずだが、子役からこの演技を引き出した「腕」に舌を巻いた映画だった。

シンドラーの手帳
シンドラーの手帳さん / 2017年5月5日 / Androidアプリから投稿
  • 評価: 4.5
  • 印象:  -
  • 鑑賞方法:DVD/BD
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やっぱ

邦画も捨てがたいなと思える作品。
二人の子役がとてもすごい演技をしている。
序盤の駄作感からの中盤にかけての盛り上がり、そしてラストへの終着点は見事でした。
おくりびとに続きいい作品に出会えて良かった。

映画.jp
映画.jpさん / 2017年5月4日 / iPhoneアプリから投稿
  • 評価: 5.0
  • 印象:  -
  • 鑑賞方法:-
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深い。

深い。

Blue corner
Blue cornerさん / 2017年5月3日 / Androidアプリから投稿
  • 評価: 4.0
  • 印象:  -
  • 鑑賞方法:-
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んー

淡々としすぎてたかなー。もっとぐっとくる瞬間を期待してたんだけどなー。てか、クズっぷり観られるかと思ったら、普通にいい人じゃん。。

Snufkin74
Snufkin74さん / 2017年4月22日 / iPhoneアプリから投稿
  • 評価: 3.0
  • 印象:  -
  • 鑑賞方法:DVD/BD
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キャストがぴったり過ぎ

原作面白くて一気読みしたあと鑑賞。
原作者が監督やからキャストはもちろん
マンションとか、家の中とかも想像通りで
あれ?ってとこがなく見入ってしまった。

もっくん、すごい。
まるきしサチオやった。

竹原ピストルも引けを取らず。

しんぺいくん泣かせてくる。

深いシーンにも軽快なジャズが流れて

人生ってこういうこと

こうやって続けていくしかないのよ

って教えてくれる映画。

生涯大事にしたい映画。

8716
8716さん / 2017年4月17日 / iPhoneアプリから投稿
  • 評価: 5.0
  • 印象:  -
  • 鑑賞方法:-
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一寸先は分からない ネタバレ

※本文にネタバレがあります。 [ ▼クリックして本文を読む ]

再生の話でも、懺悔の話でもなかった。
ましてや、愛の再確認とかの話でもない。
生きていくって話だった。
自分の時間は進むのだ、と。
後悔も幸福も、全てひっくるめて流れて、過ぎていくものだと。

奥さんの親友の遺族に触れ合うようになって、楽しい時間を満喫する主人公。
そこには妻への執着のカケラもない。
自分の母性とか性同一性障害でもあったのかと思う程活き活きしてた。
物語は、妻に対する何かではなくて、ほぼ、この家族との新しい時間が描かれていく。
その中で、時折差し込まれる台詞が刺さりはするが…主人公は楽しそうだ。

なぜ、監督はこういうテイストにしたのだろうかと考えてしまう。
永い言い訳とは、どういった意味なのだろうか?
永いって単語だけで、物理的な長さではなく時間的な長さを想像してしまう。
これから死んでいった妻に言い訳をするのだろうか?人生を通して。
誰に対してのものなのだろう?

ラストは妻の遺品を片付けるカットで終わる。
携帯の衝撃的な一文が真実かどうかの答えもなく、彼が何に寄り添うのかの兆しもない。
このラストから思うのは、やはり愛などという感情は妻に対しては芽生えておらず、親友家族への未練を感じてしまう。
なんていうか、それだって日常なのだ。
人の死なんてイベントは珍しい事ではない。
必ず訪れる。
最後、妻が愛用していたハサミを手に取る。
ようやく、ここにきて、亡くなった奥さんへの興味が沸いたようにも見れる。
今、この時から、彼はナレーションと時に語った「妻の死と共に生きていく」って調べだけだった言葉を実践していくのかもしれない。
というか…きっとここからが永い言い訳の本編なんだろう。
彼が、これから他者と関わる人生を選んでいき、その都度、妻の面影を感じる「ほら、だから言ったじゃない」そんな事への言い訳をずっとしながら今は亡き妻とともに歩んでいくのであろう。もしくはもっと重たい十字架なのか。
だから、「永い」って言葉であったり「言い訳」っていう他者を必要とする言葉だったりするんだな。
うん、勝手に納得。

物語には長い時間が設けてあり、親友家族と過ごしていた時、主人公はふくよかで、母親と見紛うばかりであった。
小説を出版する頃には痩せていて、浮足立つ事もなくなったようにもみえた。
本木さんの演技は、やっぱ好きだなあ。
黒木華や池松壮介も出てたけど、なんつうかステージが違うというか…同じ次元ではなかったようにさえ思う。

U-3153
U-3153さん / 2017年4月16日 / iPhoneアプリから投稿
  • 評価: 3.5
  • 印象:  -
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美しい

明日はいつまで続くかわからないからこそ今の自分に素直になり、やりたい事やらないといけない事と向き合う必要があると教えられた。
無駄がない深津絵里と本木雅弘の演技もすばらしいのですが竹原ピストル。やられました、、、

y
yさん / 2017年4月10日 / iPhoneアプリから投稿
  • 評価: 4.0
  • 印象:  -
  • 鑑賞方法:-
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キャッチコピーはウソかもしれないが

妻をバスの交通事故で亡くした落ち目の人気作家、衣川幸夫。その妻の友人の旦那で共に事故で妻を亡くした境遇のトラックドライバーの大宮陽一とその2人の子供、真平と灯。
2つの家族が寄り添い、傷を癒していく様子と妻の喪失という現実をどう受け止めて生きていくのかを描いた作品。

まず残念ながら今作品のキャッチコピーはウソだ。妻の夏子が死んでから愛し始めたといった内容だが幸夫が妻を愛していたことを再認識したような描写は最後の最後まで見受けられなかった。
夏子の遺品を整理する中で見つけた彼女のスマホ。そこに残されていたメールデータから彼女は自分のことを愛していなかったことを悟る。
例えばこの上記のシーンまではもしかしたら幸夫は夏子のことを愛していたかもしれない
大宮家と触れ合う仲でもしこの場所に夏子が居てくれたらと思うような切ない幻想シーンも確かにあったが幸夫が夏子を思うシーンはせいぜいそれぐらいだったように感じた。

だから本筋に子どもとの触れ合いの日々を持ってくる演出がズルかった。
観る前はキャッチコピーの通り普段冷たくあしらっていた妻は自分のために実はこんなものを用意してたり、実は他人にはこんな風に夫のことを話してたりといった妻の心遣い的なものが彼女の死後次々と発覚し、悲しみにくれて懺悔して生きていく男を描く的な内容かと思っていた。
実際は普段は偉そうに踏ん反り返っては酒に溺れ、家事もロクにしたことがないわ、自宅に不倫相手を連れ込むだのとクズっぷりを晒していた幸夫が大宮家の子どもたち2人と一緒に料理を作ったり食べたり、勉強したりととても人間的な面を覗かせ、終いにはすっかり懐かれた真平と灯から幸夫くんと呼ばれる仲にまでなり、母親代わりのような存在として大宮家と関わっていく幸夫の再生劇が本筋である。
この手の作品はズルい。だいたい良い笑。
歳とるごとに子どもの話に弱くなる。だからきっとこの作品もそれなりに歳をとった方が好きだと思う(失礼)

物語の中で誰よりも共感できなかった幸夫が1番共感できる人物に徐々にかわっていく描写は見事。
本木雅弘の、突然現れた化学の鏑木先生と大宮家の距離が縮まっていき、疎外感による嫉妬と酒に任せた勢いで大宮家との間に溝が出来てしまう情けないながらも死ぬほど気持ちが分かる演技が素晴らしかった。
ラストシーンの切なさも良かった。

オレ
オレさん / 2017年3月30日 / iPhoneアプリから投稿
  • 評価: 4.0
  • 印象:  泣ける 悲しい 幸せ
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どんどん味が出る映画 ネタバレ

※本文にネタバレがあります。 [ ▼クリックして本文を読む ]

主人公の幸夫の感情、最初よくわからなかった。

が、物語の進行につれてどんどんはっきりしてゆくっていう感じはすごかったー

初めて身近の人を失い、初めて自分はダメ人間fsと自覚するとき、死んだ人はずるい、残された人だけ苦しいと知ってるはず。
初めから感情のない妻が、一番最悪な時期で「私」を離れて死んでいった。

それで、妻へ感情を持たない幸夫は、逃避を選ぶことで自分の無用さからも逃げようとしている。

同じく逃避を選んだのは大宮真平もそうだ。母の死を意識しながら、それに立ち向かうより、前に向かって進もうとしている彼。

その対照になるのは、真平のお父さん。彼は妻の死の悲しみから抜けられない。

小さな娘のあかりも含め、四人は家族の離れに全く違う姿勢を取っている。
一体どっちの方が強いのだろう。答えるのは難しいかもしれない。

ただ一つは、自分を受け入れて前に進むこと。
映画の最後にはそういうことを伝えたいのだろう。
人はみんな他者だー。
だからこそ自分のそばにいてくれる人には、感謝しかない。
この点がわかった幸夫は、改めて妻を愛するようになる。
「人はみんな色々考えている」というようなセリフがあった。幸夫の心境の変化もそうだった。
だから観客もこの映画を見て色々感じることができるんじゃないかなーと。

死ぬことだけではなく、ものを失くすことも、この世にたくさん。
ただそんなこんなことにどう向き合うのは自分次第。

かなー

あと個人的な意見なんだが、唯一残念に思うのは、本木雅弘の演技、全体的にはいいが、若干硬く感じる。たまには訳わかんない表情もあったりしてーあるいは自分の読み取り方が違うかも!

そして大好きなのは、海辺のシーンの色彩が好き。目に焼き付けるような雰囲気になった。
また大宮家にいるとき、幸夫はあかりちゃんといるシーンが、カメラの揺れで生み出したリアルな感じが良くて感動的だった。

長い文、ゆっくりと考えさせられた。

ハル
ハルさん / 2017年3月25日 / iPhoneアプリから投稿
  • 評価: 4.0
  • 印象:  -
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