永い言い訳のレビュー・感想・評価
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静かに見たい、深い作品
しっとりとした佳作。人が死んでも日常は淡々と進んでいく。確かに主人公衣笠は最低なんだろうけど、断罪できない自分がいることに気づかされる。個人的には竹原ピストルが息子から突きつけられた言葉に反論できなかったところ、私も言葉に窮するだろうなと思った。これに対して衣笠が電車で語りかけた言葉にグッときた。
「そりゃ生きてりゃ色々思うよ。だけど、自分を大事に想う人を見くびったり貶(おとし)めちゃいけない。」
過去の自分に言ってるんだろうなぁ。
評価がいいから期待していたけど、あまり面白くなかった。 主人公の設...
評価がいいから期待していたけど、あまり面白くなかった。
主人公の設定が気に食わなかったからかな?
なんかいいなぁって映画ってある
なんかいいなぁって映画ってある。観終わった後に何?この感情?って思わせる。モっくんがとにかくいい、カッコイイ。人の一生には様々な岐路や選択がある。何が正しいかは棺桶に入るまで分からない。タラ?レバ?の連続。ほとんどがきっと後悔かもしれない。朝令暮改、いんじゃない?そこに明日の希望があるならば。
人は何かを失ってから知るという悲しい生き物だなと。 ただ、そこから...
人は何かを失ってから知るという悲しい生き物だなと。
ただ、そこからしっかり何かを経て前に進むことが本当に大切だなと改めて教えてれる作品。音楽や、テンポ、テンション等個人的には西川さん好きです。
最高でした。
めちゃくちゃ良かった。
冒頭の髪を切ってる途中に浮気相手からメールが来て、
短いと沈黙が流れるも、別の話をし、
妻が部屋を出て行ってからメールを確認する主人公。
ところが、言い忘れた事があり戻って来る妻、
急いで携帯を元の場所に置くのだけど、
携帯のストラップが揺れる。
それに気付く主人公と、
携帯見た事が分かる妻。
もうこの演出に持って行かれた。
配役も素晴らしかった。
もっくんのクズ男ぶるは言わずもがな、
深津絵里さんの呆れて愛を失った妻、
立ってるだけで怖い竹原ピストル、
子役たちも自然で引っかからない。
テレビディレクターのウザさもムカつき笑った。
もっくんにたてつく編集者も印象に残った。
ストーリーも滞りなくスーッと流れて、
主人公の心の揺れと成長が良く分かる。
どこを取っても完璧だし、
僕には人間ドラマであり、
ファンタジーであり、
コメディであり、
ミステリーであり、
映画の面白さが詰まっておりました。
父さんのようになりたくないと言うシーン。
子どもたちといる時だけ憑物が取れたかのような主人公。
竹原ピストルの事故後に一人たたずむ主人公。
妻からの衝撃のメール。
名シーンがたくさんある。
妻は自分が苦しんでさぞかし嬉しいだろう!
と言ってたけど、竹原ピストル家族と妻との写真は、
妻は主人公を見放してはなかったのかな?
と思う。
とても素晴らしい映画でした。
ベスト映画
登場人物がみんな愛しいです。
完璧な人間がいなく、みんなどこか人間臭い。最後に主人公が男の子に言った言葉はとても胸に響きました。
今いる人をちゃんと大事にしようって心から思える作品。
だれがどんな気持ちなのかを、言葉じゃなく動きやカメラアングルで表現していた。だから感情表現に押し付け感が全くなく、ただ本当に生きてる人たちを傍観してる感覚になる。
製作陣が完璧。あっぱれ!!
【西川美和の世界に酔わされる。二つの家族の姿を通して、”家族とは何か”という普遍的テーマを描き出した作品】
ある視点から、家族という題材をテーマに描いた秀作である。
演者としての竹原ピストルの魅力を知った作品でもある。
現代の邦画でこれだけ見事な脚本を書きおろす能力のある稀有な監督の一人である、西川美和ワールドを堪能した。
脚本だけでなく、映画の作りも申し分ない。
冷え切った夫婦:衣笠幸夫(本木雅弘)と夏子(深津絵里)の交わす会話
豊かではないが、家族四人で暮らす大宮家(陽一(竹原ピストル)とゆき(堀内敬子)と二人の幼い兄妹。
スキーバス事故で、夏子とゆきは亡くなり、事故被害者説明会で初めて出会った幸夫と陽一は徐々に距離を縮め・・。
本木雅弘が人気作家だが、中身のない男幸夫が、徐々に妻を失った悲しみと家族の大切さに気付いていく過程を絶妙に演じている。
<家族とは何であろうかという普遍的テーマをある視点から捉えた秀作>
<2016年10月31日 劇場にて鑑賞>
シリアスで現代的。そして見応えのある映画。
見応えのある映画。西川監督の作品はいつも考えられる。単純な爽快感や、感情の起伏によるカタルシスを求めないほうがよい。
最初は女性視点から見た典型的なダメな男性像として、この幸夫なのかと訝しかったが、竹原ピストルによって払拭させられた。
男女や家族、喪失などのテーマにより、人間の卑屈さや矮小な部分が垣間見えるが、ちゃんとそこにも人の愛情が感じられる救いがある。
原作も含め、ストーリーやプロットがしっかりしているのだろう。そのうえで、演出が先行せずに、生きた人間がちゃんとそこにいる。という感じが出ている。
キャストもよかったが、この空気感を映像に出せるのは、制作現場の職人たちの技量がそこに窺える。
よい映画だと思う。
ダメ男でもいいんですよ。
ダメ男でもいい。
ダメ男だからいい。
映画ですから、こういう人いるけど、こうなりたくない。際どいラインで、際どい話をもってくる。マジでそういう展開なの?ってのも気持ちいい。最高です。最高の邦画来た。
大切な人を失うということ
奥さんのことを雑に扱い、ろくに話もしないで、しかも留守中に愛人を連れ込み堂々と浮気。
その最中に奥さんを亡くす。
最初は喪失感や悲しみなど感じられなかった主人公。
しかしながら愛人に拒まれ、そのタイミングで奥さんと共に亡くなった友達の旦那とその子供たちと関わることから少しずつ変わってく。
自分にとって“かけがえのないもの”を見つけた感じ。
これもある種の“愛のかたち”。
自分の居場所であり、心の拠り所であり、自分の存在意義も感じていた。
でもそこに現れたのが、“新しいお母さん”となり得る女性。
自分が月日を重ねて積み上げてきた“絆”を一気に横取りされたような気持ちになったのではないだろうか。
同時に奥さんを愛さなかったことの後悔。
浮気をしつつも奥さんは自分のことを愛してくれているんだろうという奢りの気持ちがあったけれど、実際は奥さんは分かりきっていて「もう愛していない」と携帯の未送信メールに残していたことに気づき、自分は大切なかけがえのないものを全て失ってしまった…そもそもそんなの最初から築けていなかったのでは…と自暴自棄に。
そんな主人公を元の軌道に戻させたのは、子供たちのお父さんの事故。
事故の前にお父さんに暴言を吐いてしまったという息子に、主人公は言い聞かせる。自分自身に言い聞かせながら。
“大切に想ってくれている人を貶めるようなことを言ったりしてはだめだ”と。“側にいてくれるのが当たり前だと胡座をかいてると気づいたら失ってしまうものだ”と。(正確な台詞ではなくこんなニュアンスだったはず)
主人公は奥さんを愛していた…でも…
その『永い言い訳』を自身の小説として出版。
もうこれ以上大切なものを失ってはいけない、主人公が心に刻んだようにみえた。
本木さんはこういう不倫系の悪い役が多くて、その印象があまりに強くて好きになれなかった(ごめんなさい。本木さんのせいではなく役柄のせい)
この作品のオープニングからして、やっぱりな!っていう感じで悪い顔をしていた。
でも最後のシーンでは本当に清々しく、むしろ格好良く見えた。不思議と。役者さんってすごいな。
そして、西川監督は人の腹黒い部分を綺麗に描写するのが相変わらず上手いなぁー
言い訳は少なめ
非常に痛痒い内容でした。
自分の妻の友人の旦那さんとか、あまり会ったことがない。
それを妻が亡くなってから初めて会い、妻のことを聞かされたとき、自分も幸夫くんと同じような反応、知ってるフリをすると思う。
幸夫くんのマネージャーの池松壮亮のセリフも重かった。
「子育てって、自分がどんなにダメでクズな人間でも帳消しに出来ちゃう、免罪符ですよね。」
携帯が復活するタイミングが良過ぎだが、あの未送信メールはちょっとホラーだ。
好きにはなれない幸夫くんと自分が重なり、ヤダ見な作品でした。
でも、お涙頂戴とかでなく、寧ろ淡々と流れていく時間の中でちょっとずつ変わっていく幸夫くんは良いです。
竹原さんとその子供たちはとても良いです。
化学の先生がサイタマノラッパー、いやグンマノラッパーでしたね。彼女吃音かと思うくらいドモリ多すぎ。
愛人が黒木華ってサイコーですね。(←ゲスですね。)
エンドロールには是枝監督いました。
疑似家族
最近ヒット作がなく、国民栄誉賞受賞者と同じ本名(読み名)の作家・幸夫。
妻が友達とスキー旅行に行っている間に、不倫相手を家に招き入れている最中に妻が事故死。そんなイヤーな雰囲気で幕を開ける作品。
一緒に亡くなった妻の友達の夫や子供は嘆き悲しんでいるのに、幸夫は涙すら出ない。編集者に「妻の死について書くしかないんじゃないですか?」「もっと泣いていいんですよ」と言われる始末。
幸夫は作家ゆえにか、感情を表に出すことができないのかもしれない。
それを幸夫は「俺は妻を愛してなかったんだ」と思うところ。わかる気がするような。夫婦って所詮は他人じゃないのだろうか。
妻の友人の夫・子供が、妻・母が急にいなくなって困っているところに、偶然幸夫が子供の面倒を観るのは。疑似家族ってところかも。
幸夫は自分が一番大切で、子供を自分の意志で持たなかったのに。「自分より弱きものを守る」ことの重要さを、妻が亡くなってから気づくって、皮肉。自分自身にちょっと重なる。
冒頭で幸夫が妻に髪を切ってもらうシーン。20年ずっと切ってもらってたから、作品中ずっと髪が伸びたままなのが印象的。終盤妻が勤めていた美容室に足が向いたのが、幸夫の心が少し前を向いたのかな。
個人的には不器用なトラックドライバーの竹原ピストルさんがナイス。亡き妻の伝言メッセージが消せなくてさめざめしているところが、「もうちゃんとしなさいよ!]とおっかちゃん風に檄を飛ばしたくなりました。
終わり方が素敵でした。大切な人を失っても、明日は来る。前に進んでいくことが今自分にできることですね。
いい映画。
モッくんがいい。頭が良くて冷めてて嫌な奴が似合うとは思わなかった。竹原ピストルの存在感凄い。ピエール瀧みたいになってくのかな。ストーリー的には、ピストルさん万歳一色になりそうな予感があったけど、うまいバランスだった。いい映画だったね。
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