全米映画ランキング : 2010年9月17日～2010年9月19日

ベン・アフレック監督・主演「ザ・タウン」がV。シャマラン製作のホラーは3位

4本の新作がランクインし、1位から3位までを新作が独占した先週末の全米ボックスオフィス。約2380万ドルのオープニング興収で首位に立ったのはベン・アフレック監督・主演の「ザ・タウン」だった。

同作は、07年「ゴーン・ベイビー・ゴーン」で長編監督デビューを果たしたベン・アフレックが主演も兼任した監督第2作。内容はアフレックの故郷であるボストンを舞台にした犯罪サスペンス。銀行の行員に恋をしてしまった強盗（アフレック）と、彼を追いかけるFBI捜査官の攻防が描かれる。銀行行員クレアにレベッカ・ホール、FBI捜査官アダムにTVシリーズ「MAD MEN マッドメン」のジョン・ハムの他、ジェレミー・レナー、ピート・ポスルスウェイト、クリス・クーパーが出演。

秋公開のワーナー映画でボストンが舞台のサスペンスというと、近年ではクリント・イーストウッド監督の「ミスティック・リバー」（03）、マーティン・スコセッシ監督の「ディパーテッド」（06）があり、ともにオスカーに絡んでいる。この「ザ・タウン」も多数の批評家から高い評価で迎えられており、今秋から来春にかけての賞レースで何かと注目を集めることになりそうだ。

約1770万ドルで初登場2位となったのは「スーパーバッド 童貞ウォーズ」「ゾンビランド」などで注目されていた若手女優エマ・ストーンの初主演作「Easy A」。ナサニエル・ホーソーンによる米文学の名作「緋文字」をヒントにした学園ラブコメディで、こちらも「ザ・タウン」同様、高評価を受けている。監督は「俺たちチアリーダー！」のウィル・グラック。

初登場3位は、M・ナイト・シャマラン製作・原案による超自然スリラー「Devil」。同作はユニバーサル映画が新進の製作会社Media Rights Capitalと組んで世に送り出す「The Night Chronicles project」3部作の第1作。エレベーターに閉じ込められた5人のなかに、悪魔がひとり紛れ込んでいた……という恐怖が描かれる。監督はスペイン製ホラー「REC／レック」のハリウッド・リメイク版「REC：レック／ザ・クアランティン」を手掛けたジョン・エリック・ドゥードル。ちなみにプロジェクトの第2作「Reincarnate」は来年撮影開始で2012年公開予定。

4位は前週首位だった「バイオハザードIV アフターライフ」。10日間の累計興収は約4390万ドル。最終的には6000万ドルあたりに落ち着きそう。その他、5位には3Dアニメ「Alpha and Omega」が初登場でランクインしたが、振るわなかった。

圏外では、カズオ・イシグロ原作の「私を離さないで」をキャリー・マリガン、新スパイダーマンのアンドリュー・ガーフィールド、キーラ・ナイトレイ出演で映画化した「Never Let Me Go」がニューヨーク、ロサンゼルスの4館限定で公開され、話題を呼んでいる。

今週末は、オリバー・ストーン監督＆マイケル・ダグラス主演による大ヒット作の23年ぶりの続編「ウォール・ストリート」が公開に。

2010年9月21日更新　藤井竜太朗