山田宏一 : ウィキペディア(Wikipedia)

山田 宏一(やまだ こういち、1938年9月13日『文藝年鑑』2015年- )は、日本の映画評論家、翻訳家。

経歴

インドネシア・ジャカルタ生まれ。東京外国語大学フランス語学科卒業。1964〜1967年にパリ在住。その間「カイエ・デュ・シネマ」の同人となり、ジャン=リュック・ゴダールフランソワ・トリュフォーらと交友する。この時代の経験は後に、著書『友よ映画よ』で描いている。

帰国後、『キネマ旬報』『話の特集』などに連載を行い、映画評論活動に入る。フランスの前衛的な映画から、マキノ雅弘などの娯楽映画まで、同じスタンスで論じる評論スタイルで注目される。また、翻訳、インタビュー、聞き書きなども多数ある。なお、マキノ雅弘の自伝『映画渡世』も、マキノの著書となっているが、山根貞男と山田による聞き書きである。

青山学院大学や学習院大学で講師をした時期は、自身はほとんど語らず「映像を持って語らせる」手法で、映画論を講じた。

表彰

  • 1992年 「トリュフォー ある映画的人生」で、第1回Bunkamuraドゥマゴ文学賞を受賞(選考:蓮實重彦)。
  • 2007年 第5回文化庁映画賞の映画功労表彰部門を受賞。
  • 2016年、キネマ旬報の2015年度映画本大賞で、『映画的な、あまりに映画的な 日本映画について私が学んだ二、三の事柄』が第1位に選出される。
  • 2017年、第35回川喜多賞を受賞。

著作

単著

  • 『映画について私が知っている二、三の事柄』三一書房 1971/『シネ・ブラボー2』ケイブンシャ文庫 1985
  • 『映画 この心のときめき』白川書院 1976/早川書房 1989
  • 『友よ映画よ わがヌーヴェル・ヴァーグ誌』話の特集 1978、増訂版1985/ちくま文庫 1992/平凡社ライブラリー 2002
  • 『走れ! 映画』たざわ書房 1979
  • 『美女と犯罪 映画的なあまりに映画的な』早川書房 1984/ハヤカワ文庫 1989/ワイズ出版(増補版) 2001
  • 『シネ・ブラボー 小さな映画誌』勁文社 ケイブンシャ文庫 1984
  • 『シネ・ブラボー3 わがトリュフォー』ケイブンシャ文庫 1985
  • 『きょうのシネマは シネ・スポット三百六十五夜』平凡社 1988
  • 『わがフランス映画誌』平凡社 1990
  • 『トリュフォー ある映画的人生』平凡社 1991、増訂版1994/平凡社ライブラリー 2002
  • 『ビデオラマ 空想の映画館・記憶の映画館』講談社 1993
  • 『エジソン的回帰』青土社 1997
  • 『山田宏一の日本映画誌』ワイズ出版 1997
  • 『山田宏一のフランス映画誌』ワイズ出版 1999
  • 『恋の映画誌』新書館 2002
  • 『次郎長三国志 マキノ雅弘の世界』ワイズ出版 2002
  • 『日本侠客伝 マキノ雅弘の世界』ワイズ出版 2007
    • 『マキノ雅弘の世界 映画的な、あまりに映画的な』ワイズ出版〈映画文庫〉 2012 - 元版2冊を再編・改稿版
  • 『フランソワ・トリュフォー映画読本』平凡社 2003
  • 『フランソワ・トリュフォーの映画誌』平凡社 2004
  • 『何が映画を走らせるのか?』草思社 2005
  • ゴダール、わがアンナ・カリーナ時代』ワイズ出版 2010 - 絵・装丁和田誠
  • 『映画の夢、夢のスター』幻戯書房 2011
  • 『トリュフォーの手紙』平凡社 2012
  • 『ヌーヴェル・ヴァーグ 山田宏一写真集』平凡社 2013
  • 『映画 果てしなきベスト・テン』草思社 2013
  • 『映画的な、あまりに映画的な 日本映画について私が学んだ二、三の事柄』ワイズ出版〈映画文庫〉 2015
  • 『映画的な、あまりに映画的な 日本映画について私が学んだ二、三の事柄II』ワイズ出版〈映画文庫〉 2015 -「山田宏一の日本映画誌」を全面改稿
  • 『ヒッチコック 映画読本』平凡社 2016 - 集大成決定版
  • ハワード・ホークス 映画読本』国書刊行会 2016

共著

  • 『たかが映画じゃないか』和田誠共著 文藝春秋 1978/文春文庫 1985
  • 『トリュフォーそして映画 フランソワ・トリュフォー述』蓮實重彦と聞き手 話の特集 1980
  • 『映画の夢・夢の女』絵:山口はるみ 話の特集 1980
  • 『映画となると話はどこからでも始まる』淀川長治・蓮實重彦と鼎談 勁文社 1985
  • 『映画とは何か 山田宏一映画インタビュー集』草思社 1988
  • 『映画千夜一夜』淀川長治、蓮實重彦と鼎談 中央公論社 1988/中公文庫 上下 2000
  • 『映画、輪舞のように』秦早穂子対談 朝日新聞社 1996。装丁和田誠
  • 『キン・フー 武侠電影作法-A touch of King Hu』宇田川幸洋と聞き手、草思社 1997、新装版2017
  • 『映画は語る』淀川長治対談、中央公論新社 1999
  • 『天井棧敷の人々』ワイズ出版 2000。解説・シナリオ、マルセル・カルネインタビュー
  • 『傷だらけの映画史 ウーファからハリウッドまで』蓮實重彦対談、中公文庫 2001
  • 『銀幕の天才 森繁久彌』ワイズ出版 2003。インタビューほか
  • 『香港への道 中川信夫からブルース・リーへ』 西本正山根貞男と聞き手、筑摩書房 リュミエール叢書 2004
  • 『ヒッチコックに進路を取れ』 和田誠対談 草思社 2009/草思社文庫 2016。イラスト・装丁も
  • 『トリュフォー最後のインタビュー』 蓮實重彦と聞き手・対談 平凡社 2014
  • 『シネマ・アンシャンテ』 濱田高志共著 立東舎 2017
    ジャック・ドゥミミシェル・ルグランを論じたヴィジュアル・ブック
  • 『映画はこうしてつくられる 山田宏一映画インタビュー集』草思社 2019

編集本

  • ブリジット・バルドー 現代を魅惑するエロスの女神」責任編集、芳賀書店, 1971
  • カトリーヌ・ドヌーヴ 息吹く魅惑のエレガンス」責任編集、芳賀書店, 1971。澁澤龍彦が寄稿
  • ジェーン・フォンダ 美と闘争の神話」責任編集、芳賀書店, 1972、改訂版1981.3
  • 「スティーヴ・マックィーン 燃える男、明日に向かってつっ走れ」梶原和男と責任編集、芳賀書店, 1972
  • グレタ・ガルボマレーネ・ディートリヒ 世紀の伝説きらめく不滅の妖星」責任編集、芳賀書店, 1973
  • ダスティン・ホフマンロバート・レッドフォード ニュー・シネマのアンチ・ヒーロー 小さな巨人」 宇田川幸洋と責任編集、芳賀書店, 1973
  • フェイ・ダナウェイ 華麗なる旋律 洗練された野生」 柳生すみまろと責任編集、芳賀書店, 1974
  • 「映画渡世 マキノ雅弘自伝 天の巻・地の巻」 山根貞男と共に聞き書き
    平凡社, 1977、新装版2002。角川文庫 上下, 1984/ちくま文庫 上下, 1995
  • ドミニク・サンダ写真集 女そして女優」 話の特集, 1984
  • 「別冊太陽 長谷川一夫をめぐる女優たち」 平凡社, 1986。山根貞男と構成
  • 「別冊太陽 世界の女優 アメリカン・ロマンス 銀幕の恋人たち」 平凡社, 1987。山根貞男と構成
  • 「スター 映画の肖像」 サム・レヴァン 平凡社, 1992.4。自選の映画写真集
  • 「別冊太陽 世界の女優 フランス女優 世界の女優 恋、巴里、そして名画」平凡社, 1995。山根貞男と構成
  • 「別冊太陽 日本のこころ 女優」平凡社, 1999。山根貞男と構成
  • ジャン・ルノワール ユリイカ臨時増刊」青土社、2008年3月号。責任編集

訳書

  • 『汚れた顔の天使 ジェームズ・キャグニー自伝』宇田川幸洋共訳 出帆社 1976
  • ジェームズ・ボールドウィン『悪魔が映画をつくった』時事通信社 1977
  • フランソワ・トリュフォー『映画の夢夢の批評』蓮実重彦共訳 たざわ書房 1979
  • フランソワ・トリュフォー『わが人生わが映画』いずみ出版 1979
  • フランソワ・トリュフォー『子供たちの時間』講談社 1979
  • ジャック・プレヴェール『天井桟敷の人々』新書館 1981
  • 『映画術 ヒッチコック/トリュフォー』蓮実重彦共訳 晶文社 1981、改訂版1990
  • ローレン・バコール『私一人』文藝春秋 1984
  • フランソワ・トリュフォー『ある映画の物語』草思社 1986 - 「華氏451」撮影日記 ほか
  • フランソワ・トリュフォー『アメリカの夜 ある映画の物語 2』草思社 1988/草思社文庫、2020(1・2部の合本)
  • フランソワ・トリュフォー/ドミニク・ラブールダン編『トリュフォーによるトリュフォー』リブロポート 1994
  • 『明かりが消えて映画がはじまる ポーリン・ケイル映画評論集』監修、畑中佳樹・柴田元幸・斎藤英治・武藤康史訳、草思社 2003
  • スーザン・ストラスバーグマリリン・モンローとともに - 姉妹として、ライバルとして、友人として』草思社 2011 - 「アクターズ・スタジオ」時代の回想記
  • フランソワ・トリュフォー『大人は判ってくれない』土曜社 2020

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