【世界の映画館めぐり】名古屋空港、滑走路の見える映画館で「ペリリュー」鑑賞&あいち航空ミュージアムで「風立ちぬ」の背景を学ぶ
2026年1月11日 11:00

映画.comスタッフが訪れた日本&世界各地の映画館や上映施設を紹介する「世界の映画館めぐり」。今回はミッドランドシネマ 名古屋空港を訪問しました。
筆者は昨年12月12日から17日まで開催された第1回あいち・なごやインターナショナル・アニメーション・フィルム・フェスティバル(ANIAFF)の取材で名古屋市に滞在しました。すでに日本で評判の新旧アニメーションをはじめ、新しい表現や深いテーマが光る海外の作品群が、映像と音にこだわった設備を有するミッドランドスクエアシネマと109シネマズ名古屋の2会場で連日上映され、今後も国際的なアニメーションの祭典としての大きなポテンシャルを感じさせる充実したプログラムでした。

取材を終え、東京への帰路立ち寄ったのがミッドランドシネマ 名古屋空港です。県営名古屋空港に隣接し、かつての国際線ターミナルビルを再利用した商業施設、エアポートウォーク名古屋にある、全12スクリーンのシネコンです。



館内にはポスター、サイネージ、フォトスポットなど数々の上映作品の宣伝素材がにぎやかに設置されているのが目を引き、スタッフの方々の映画愛を感じます。そして、こちらの劇場ロビーの窓からは空港の滑走路が見えるんです。9都市を結ぶ国内線、隣接する航空自衛隊小牧基地の飛行機の離着陸が見学できます。休憩用の椅子も設置され、映画を見る前からテーマパークに来たような雰囲気で気分が上がりました。劇場内の各スクリーンでは2024年のリニューアルで、幅広(60cm)で座り心地の良いシートが導入され、快適に鑑賞できます。



ANIAFF取材を通し、アニメーションの豊かさを改めて感じたので、この日は「ペリリュー 楽園のゲルニカ」を見ることに。戦中の激戦地のひとつとして知られる南太平洋のペリリュー島に送られた日本の若者たちの末路を描く作品です。漫画家志望で気弱な21歳の青年兵田丸くんの心情、リアルだったら直視できないような戦地の悲惨な表現もアニメーションで描かれることで、実際はどんなことが起きていたのだろう……と自ら想像し、同じ悲劇を繰り返してはならないと心に刻める良作でした。


その後、映画館から徒歩すぐのところにある、あいち航空ミュージアムを見学しました。こちらは県立の航空博物館で、レオナルド・ダ・ヴィンチが考えた飛行機の原型の模型からはじまり、戦後初の国産旅客機YS-11、自衛隊のT-4ブルーインパルス、ドクターヘリの実機、さまざまな模型や説明映像、体験型アトラクションなどが展示され、飛行機や乗り物好きの方は時間を忘れてしまうような施設です。



そしてこちらには、実写映画「永遠の0」(2013)の撮影で使われた零戦(零式艦上戦闘機)の実物大模型があり、パイロットの座席の内部までリアルに復元されています。山崎貴監督と模型を制作した馬場憲治さんのメッセージボードがあり、模型製作を手がけることになった馬場さんの逸話には心を動かされました。また、宮崎駿監督「風立ちぬ」の主人公のモデルのひとりで、零戦を設計した堀越二郎さんの仕事を年代順に追う、詳しい人物伝パネルも展示されています。



日本で今までで一番多く作られた飛行機が、零戦(約1万550機)だったということ、堀越さんをはじめとしたエリート技術者たちの活躍と日本の航空産業の発展の歴史は、戦争を抜きにしては語れないのだと学びました。直前に鑑賞した「ペリリュー 楽園のゲルニカ」でも、朽ちた零戦が描かれており、現在もペリリュー島では、当時の日本軍が作った飛行場が利用されているそうです。田丸くんと吉敷くんが平和な時代に生まれて、一緒に飛行機に乗ってどこかに旅をする世界線のスピンオフが見てみたいなあ……そんな気持ちになってミュージアムを後にしました。


広い空に飛び立つ飛行機を間近で見られる映画館とミュージアムは、休暇のお出かけにぴったりの施設です。食事や休憩はエアポートウォーク名古屋内のフードコートがおすすめ。元空港の建物を利用しているので、一般的な商業施設よりもだいぶ広く、お子様連れでも安心して楽しめる空間です。ファストフードをはじめとした人気の国内チェーン店から、名古屋飯、韓国料理、インドカレーなど各種グルメもならびます。最近のリアルな国際空港のレストランは、インバウンド向けの強気価格な店舗が多いですが、こちらはどの店舗もリーズナブル。旅行気分で、平和な日常のありがたみを感じられる休日が過ごせるはずです。


ミッドランドシネマ 名古屋空港
https://www.midland-cinema.jp/top
https://aichi-mof.com/
https://walk-uny.com/airport-walk/
執筆者紹介
松村果奈 (まつむらかな)
映画.com編集部員。2011年入社。
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