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第4回新潟国際アニメーション映画祭で手塚治虫特集 コンペティション部門審査員&大川博賞・蕗谷虹児賞を発表

2025年12月21日 10:00

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第4回より新潟市との共催が決定し、新たなディレクションと体制での開催となる
第4回より新潟市との共催が決定し、新たなディレクションと体制での開催となる

2026年2月20日~25日の6日間、新潟市で開催される第4回新潟国際アニメーション映画祭の記者会見が12月19日新潟県庁で行われ、今回からの新体制、コンペティション部門審査員、技術職スタッフ・スタジオの功績を讃える大川博賞・蕗谷虹児賞が発表された。

同映画祭は、アジア圏有数の長編アニメーション映画祭として2023年にスタート。今年6月に逝去した、映画祭創設者で実行委員長の堀越謙三氏の功績を称えるとともに、第4回より新潟市との共催が決定し、新たなディレクションと体制での開催となる。

映画祭実行委員長には、開志専門職大学マンガ・アニメ学科学部長を務める成田兵衛が就任。プログラム・ディレクターは、日本にミニシアター文化を根付かせ、海外作品の紹介も行うユーロスペースの代表取締役の北條誠人、新潟を拠点に活動する映画監督でサニーレイン代表の梨本諦鳴、アニメスタジオ「新潟アニメーション」代表の内田昌幸の3人が共同で務め、地域性と国際性を架け橋する映画祭を目指す。また、ジェネラル・アドバイザーとして土居伸彰(ニューディアー代表/ひろしまアニメーションシーズンプロデューサー/開志専門職大学客員教授)が就任する。

第4回は「民・産・官・学」が四身一体となったより強固な体制で、「better than yesterday」というスローガンを掲げ、新潟から世界へ新しい風を吹かせること目指す。映画祭の役割を再定義し、「これからの才能の発掘と育成」を最大のミッションに掲げる。

「未来のアニメーション産業を担う新たな才能発掘と紹介の場」となるコンペティション部門を刷新し、長編部門に加え、ストーリー性のある中編作品を対象としたIndie Box 部門を新設。世界59カ国から計274作品(長編部門49、Indie Box部門225)の作品が集まった。さらに、両部門を通じた新人賞として「ゼングレヒトシュターター(Senkrechtstarter)賞」を新設し、新たな才能の発掘を強化する。

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審査長はインディーズアニメーションスタジオ「Rocketsheep」創設者のアヴィッド・リオンゴレン氏に決定。欧州文化機関連合(EUNIC Japan)会長のホセ・ハビエル・フェルナンデス・ディアス氏、監督長編デビュー作「PLAN 75」がカンヌ国際映画祭「ある視点」部門に正式出品された早川千絵氏が審査員を務める。コンペティション部門のノミネート作品は、1月上旬に発表予定。

「ひゃくえむ。」
「ひゃくえむ。」
©魚豊・講談社/『ひゃくえむ。』製作委員会

第1回より創設され、日本のアニメーションの現場での技術職スタッフ・スタジオの功績を讃える「大川博賞・蕗谷虹児賞」も決定。スタジオを対象とした大川博賞には、熱狂的なファンを生み出した2025年の大ヒット作「ひゃくえむ。」の制作スタジオ「ロックンロール・マウンテン」。スタッフを対象とした蕗谷虹児賞は、「ChaO」「ホウセンカ」など2025年の話題作で印象的かつダイナミックな作画を手掛けた名アニメーター伊藤秀次氏に贈られる。

「ChaO」
「ChaO」
©2025「ChaO」製作委員会

今回の上映テーマも発表され、アニメーションのトレンドを、国内外の傑作を通して紹介する世界と潮流部門では「実写とアニメーション」を特集。実写とアニメの交差/実写監督によるアニメ作品に焦点をあて、領域横断的な魅力に迫る。

アニメーション史における重要な作家の業績を改めて振り返るレトロスペクティブ部門では、手塚治虫作品を特集する。マンガの神様としても名高く、日本アニメの祖のひとりが残した業績を、「アニメ」「マンガ」「映画」の三角関係に注目して、その達成を回顧。今回と第5回にわたって特集を行う予定だ。

若手人材の招聘・育成プログラム「新潟アニメーションキャンプ」も引き続き行われ、第4回は、映画祭の参加とゲスト・参加者の交流を主とした「NIAFF ネットワーキングコース」に加え、アニメーション制作者を対象として短期での作品制作と指導を行う「アニメーション制作ワークショップコース」の2つのコースが開催される。応募は12月22日(月)まで。情報は公式HP(https://niaff.net)、公式 Xで告知される。

▼コメント
■成田兵衛
創設者の堀越さんは同じ大学の学部長を務められていたため常日頃から話す機会があり、映画祭の話をずっと聞いておりました。今回私が実行委員長になるにあたり、その気持ちを預かる立場として、教育や育成をより強く押し出していきたいと思っています。教育者として新潟全体の教職員の方々、学生方、色々な思いも全部背負って、新潟の皆さんの一体となって第 4 回を盛り上げていきたいと思っております。
北條誠人
本映画祭は、商業規模や既存の枠組みに囚われず、独自のアニメーション表現を追求する作家たちを世界中から紹介していきます。私はミニシアターで、主にヨーロッパ、日本のインディペンデント、ドキュメンタリー作品の上映プログラムを組んでおりますが、アニメーションについては詳しいわけではなく、堀越さんが亡くなられて代表を引き継ぐ立場として本映画祭に関わる形になりました。映画祭の仕事を始めて何回か経ちますが、ミニシアターの番組の作り方と、映画祭の上映作品の選び方に一切差はないと思います。そこで表現されているものの力強さ、あるいは新しさを突き詰めていく。そのようにして、新しく参加させていただきたいと思っております。
■内田昌幸
前職は日本アニメ・マンガ専門学校というアニメーター、漫画家、イラストレーター、ゲームクリエーターを育成する学校責任者をしており、育てて送る側から、今は受け取る側で仕事をしています。本映画祭の第1回から国内外で注目・評価いただいてる「新潟アニメーションキャンプ」。この育成プログラムをさらに強固なものにして、新潟から新しい才能を発掘・発見しそれを育て世界へ送り出していく。その方々が育ってまた新潟に戻るという循環を目指し、運営してまいります。
▼開催概要
日程:2026年2月20日(金)~25日(水)
会場:新潟市民プラザ、新潟日報メディアシップ日報ホール、新潟・市民映画館 シネ・ウインド
プログラム:コンペティション、特集上映、新潟アニメーションキャンプ(若手人材の招待・育成プログラム)、トークイベント、フォーラムディスカッション 他

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