「ズートピア2」あらすじ・概要・評論まとめ ~さらなる躍動と高揚がいっぱい。名コンビの絆の移り変わりにも注目!~【おすすめの注目映画】
2025年12月11日 11:00

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本記事では、「ズートピア2」(2025年12月5日公開)の概要とあらすじ、評論をお届けします。
(C)2025 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.動物たちが高度な文明社会を築き、人間のように暮らす世界「ズートピア」を舞台に描き、第89回アカデミー賞で長編アニメーション賞を受賞した人気ディズニー・アニメーション「ズートピア」の続編。前向きで夢をあきらめないウサギのジュディと、皮肉屋だが頼れるキツネのニックが再びバディを組み、ズートピアの謎に迫っていく姿を描く。
あらゆるタイプの動物たちが平和に暮らし、「誰でも夢をかなえられる」という理想の楽園ズートピア。ウサギで初めて警察官になるという夢をかなえたジュディは、以前にも増して熱心に任務にあたり、元詐欺師のニックも警察学校を無事卒業して警察官となった。再びバディを組むこととなった2人は、ズートピアに突如現れた指名手配犯のヘビ、ゲイリーを捜索するため、潜入捜査を行うことになる。ゲイリーは一体何者なのか。やがてジュディとニックは、ゲイリーと爬虫類たちが隠すズートピアの暗い過去にまつわる巨大な謎に迫っていき、その中で2人の絆が試されることとなる。
前作で共同監督・脚本を担当し、ディズニー・アニメーション・スタジオのチーフ・クリエイティブ・オフィサーも務めるジャレド・ブッシュと、同じく前作から続投のバイロン・ハワードが監督を務めた。日本語版声優もジュディ役の上戸彩、ニック役の森川智之らが続投し、ゲイリー役は人気声優の下野紘が担当。ズートピア創設者一族の御曹司パウバート役で山田涼介も参加。
(C)2025 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.前作から9年が経つのにあの頃と微塵も変わらぬワクワクが満載。多少記憶が曖昧でも、映画が始まるとすぐにお馴染みのキャラと世界観が大手を広げて迎えてくれる。そこは肉食と草食の動物が共存し誰もがあるべき自分を追及できる理想郷。でも平和の裏側には知られざる秘密が横たわり、前作で脚光を浴びたジュディ&ニックは、“一匹の蛇”の出現によって思わぬ難事件の渦中へと放り出されることに――。
新たなストーリーに触れながらこみ上げるのは「なるほど!」という思いだ。確かに我々はズートピアの本質についてほぼ無知に等しい。ここではあらゆる動物が仲良く暮らしているかに見えて、実は爬虫類は全く姿を現さない。中でも住民の間では「蛇はここに生息しないもの」という共通認識があるらしく、誰もが異を唱えぬまま暮らしている。二人の主人公が体当たりで切り込むのはまさにそこだ。
(C)2025 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.とりわけジュディは解き明かすべき謎を見つけたらもう一直線。答えが見つかるまで絶対に諦めない。前作同様、偏見や嘘や固定観念をどう克服すべきかをテーマに据えつつ、それらが歴史上いかに刻まれたのかという負のメカニズムすらも描かれる。動物たちがメインとはいえ、この物語はやっぱり私たち人間社会の写し鏡なのだろう。
思えば、前作は暗黒街をさまよう50年代のディテクティブ・ストーリーを大胆にアレンジした世界観を作り上げていたが、本作ではキツネのニックが晴れて警官となったことで二人の“バディ・ムービー”として見所がアップ。さらにはカーチェイス、アクション、絡み合う謎、名作映画のパロディ、シャキーラの主題歌がもたらす祝祭的な雰囲気に至るまで、泉のような趣向が尽きることはない。
(C)2025 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.一方、今回のジュディ&ニックは衝突することも多いし、別々の場所で奮闘する時間も長い。これまで築き上げた信頼や絆をいかに前進させられるか。その関係性の行方こそ、我々が見守るべきシリーズの心臓部であることに気付かされる。時におかしく、時にしっとり。二人のケミストリーは今回も味わい深くて最高だ。
ちなみに筆者は郊外のシネコンで本作を観た。同じ回には前作公開時にまだ幼かったであろう小中高生もたくさんいて、この物語が新たな世代に受け継がれているのを実感した。普遍的でありながら革新的。何よりも楽しさと躍動がいっぱい。語るべき余地は限りなく残っていると見た。
執筆者紹介
牛津厚信 (うしづ・あつのぶ)
映画ライター。77年長崎生まれ。明治大学を卒業後、某映画専門放送局の勤務を経てフリーに転身。クリエイティブ・マガジン「EYESCREAM」や「パーフェクトムービーガイド」などでレビュー執筆やインタビュー記事を手掛ける。またイギリス文化をこよなく愛し、その背後にある歴史や精神性を読み解くことをライフワークとしている。
Twitter:@tweeting_cows/Website:http://cows.air-nifty.com/
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