渡辺謙が坂口健太郎に「10年後が楽しみ」原作者・柚月裕子は「監督、ひどい!」と完成作に涙
2025年10月31日 21:00
「孤狼の血」で知られる作家・柚月裕子の同名小説を実写映画化した本作。山中で希少な将棋駒とともに謎の白骨死体が発見され、刑事たちが捜査を進める中、さまざまな人々の人間模様が浮かび上がるヒューマンミステリーだ。

登壇陣は、上映後の客席から大きな拍手を浴びながらステージに上がった。謎めいた過去を持つ天才棋士・上条桂介を演じた坂口は、公開初日は「緊張感もある」と告白。「封切りをした瞬間に、手元から離れていくような感覚。少し寂しい気持ちがする時もあるけれど、皆さんにこうやって受け入れてもらって、ちょっとずつ(作品が)大きくなっていく様を見続けられるのはうれしいこと。思いが伝わったなという声を聞くと、救われたような感覚になります」と観客の反応を目にして、感無量の面持ちを見せた。
この日は髪をさっぱりとカットし、口髭をたくわえた姿で現れた坂口だが、そのビジュアルは現在撮影中の作品の役作りの一環だそうで、「なかなか大変な役をやっていて。大変な役が意外と多い」と照れ笑い。構想から8年、「撮影するまでにはたくさんの苦労があった」と明かした熊澤監督は、坂口や渡辺との撮影に充実感をあふれさせ、「お二人に負けないくらい熱量を持って、映画に闘魂を込めた」とコメント。「お二人の心震えるお芝居、ご覧になりましたよね。震えましたか?」と呼びかけると、彼らの熱演を称えるように拍手が沸き起こっていた。

渡辺が、桂介に大きな影響を与えた賭け将棋の真剣師・東明役を演じた。ワルな雰囲気を漂わせる東明について、坂口は「東明が出てくるシーンは、何かが起きるなという不穏な空気を纏っているので、どこか緊張感がある」とキャラクターの印象を語りつつ、「カットがかかって、脚本の話をしている時の謙さんは、とても軽やかな方」だという。

劇中では東明から桂介へ“継承”の物語が描かれるが、坂口は「謙さんの、東明に対しての愛情。それがきっと、作品に対する愛情にもなる。ちゃんと役を生き切る愛情を学ばせていただいた」と、渡辺から受け取った財産に感謝。渡辺が「僕らがやっていることは、形がないから。数値でも測れないし、ロジックなものではないので。僕も10年くらい経って、あの時に言っていたこと、あの時にやっていたことってこういうことなのかなと感じて、自分のなかで熟成していくものがある。そうやって、継承されていくんだと思います」と役者の世界における“継承”について持論を述べ、「10年後くらいを楽しみにしています」と坂口にエールを送ると、坂口は「頑張ります」と力強く宣言していた。

この日は、原作者の柚月が駆けつけ、3人に花束をプレゼントする一幕もあった。「一言、必ずお伝えしたい。監督、ひどい!」と切り出して熊澤監督を驚かせた柚月は、「この映画を観て3回、涙を流しました。1度目は、幼少期の桂介。小野(桜介)くんの演技がすばらしく、健気な感じに涙が流れて。大人になった桂介がこれでもかと追い詰められて、不憫だなと切ない涙が流れた。そして、ラストシーンに感動の涙を流した。本当にこの映画には、大変泣かされました」とこれ以上にない賛辞を述べた。
渡辺は「でも(原作を)先生が書いたんですよね」と笑い、坂口も「それだけエネルギーのある作品を生み出してくださったのは、先生」と同調。最後に坂口は、改めて「昨年の夏、命懸けで撮った作品です。しんどい瞬間や目を背けたくなる瞬間もあるけれど、キャラクターたちが生き切ったその様を見届けていただきたい」と願い、大きな拍手を浴びていた。
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