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「君の声を聴かせて」あらすじ・概要・評論まとめ ~思いを伝える上で大切なもの、失われつつあるものを浮かび上がらせていく~【おすすめの注目映画】

2025年10月2日 08:30

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「君の声を聴かせて」
「君の声を聴かせて」
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近日公開または上映中の最新作の中から映画.com編集部が選りすぐった作品を、毎週3作品ご紹介!

本記事では、「君の声を聴かせて」(2025年9月26日公開)の概要とあらすじ、評論をお届けします。


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【「君の声を聴かせて」あらすじ・概要】

2009年の台湾映画「聴説(Hear Me)」(監督・脚本:チェン・フェンフェン)を韓国でリメイクし、手話を通して愛を育んでいく男女の恋の行方を、爽やかな夏の日々とともに描いた青春ラブストーリー。

ヨンジュンは大学を卒業したもののやりたいことが見つからず、就職する気になれずにいた。両親が営む弁当屋をしぶしぶ手伝うことになった彼は、配達のため訪れたプールで、手話で会話する女性ヨルムに出会い一目ぼれする。大学時代に習った手話を使ってどうにか彼女に近づこうとするヨンジュンだったが、ヨルムは聴覚障がい者の水泳グループに所属しオリンピックを目指す妹ガウルの夢をかなえるため、多忙な日々を送っていた。

コメント部隊」のホン・ギョンがヨンジュン、ドラマ「イルタ・スキャンダル 恋は特訓コースで」のノ・ユンソがヨルム、アイドルグループ「IZ*ONE」の元メンバーで現在は俳優として活動するキム・ミンジュがヨルムの妹ガウルを演じ、劇中の会話の大部分を手話で展開する。監督は「エンドレス 繰り返される悪夢」のチョ・ソンホ


【「君の声を聴かせて」評論】
●思いを伝える上で大切なもの、失われつつあるものを浮かび上がらせていく(執筆:和田隆
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SNS時代において、世界とのつながりは容易になり、他者とのコミュニケーションも便利になった一方で、顔の見えないSNS上での対話が誤解を生んだり、無自覚な投稿によって誹謗中傷を受けるなど、交流が逆に複雑化し、文字だけでは真意が伝わらない弊害も生んでいる。そんな中で、自分の気持ち(本当の声)を伝えるには、目を合わせることの大切さを、映画「君の声を聴かせて」が改めて気づかせてくれる。

作品は、手話を通して愛を育んでいく男女の恋の行方を、爽やかな夏の日々とともに描いた青春ラブストーリー。2009年の台湾映画「聴説(Hear Me)」(監督・脚本:チェン・フェンフェン)を15年の時を経て韓国でリメイクした。物語の基本ラインは、恋のときめきと人生の迷いを、美しい夏の日々とともに清々しく繊細に描いており、王道のラブストーリーと言える。

だが本作は、主人公たちが手話によって心を通わせていくことで、他者に思いを伝える上で大切なもの、SNS時代に失われつつあるものを浮かび上がらせていく。もちろん、これまでにも聴覚障がい者(ろう者)を描いた映画は数多く製作されてきた。第35回アカデミー賞で女優賞と助演女優賞を受賞した「奇跡の人(1962)」をはじめ、「愛は静けさの中に」(第59回アカデミー賞主演女優賞受賞)、韓国映画「トガニ 幼き瞳の告発」、北野武監督「あの夏、いちばん静かな海。」、アニメでは「映画 聲の形」など、近年では第94回アカデミー賞で作品賞ほか3部門を受賞した「コーダ あいのうた」が記憶に新しい。

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大学を卒業したが、やりたいことが見つからずに両親が営む弁当屋を手伝うことになった就活生ヨンジュン。そんな矢先、聴覚障がい者ながら水泳のオリンピック代表を目指す妹ガウル(キム・ミンジュ)を懸命に支えるヨルムと出会い一目惚れすると、大学で習った手話を通じて心を通わせてゆく―。

手話ができない観客は、スクリーンの字幕によって彼らの会話の内容を理解することができるが、音のない世界で生きるとはどういうことなのかを、真の意味で理解しているとは言えない。ただ、映画では一つの手法として、シーンを無音にすることでその世界を表現し、本作でも要所で挿入される。そんな本作を見ていると、1927年にトーキー映画が誕生するまで映画はサイレント(無声)であったことを、ふと思い返し、映画が持つ本来の力を示す作品であるとの思いに至る。

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就活生ヨンジュンを演じたホン・ギョンがプロダクションノートで「手話は相手が今、自分にどんな気持ちを伝えたいのかが見える言語。だから手話は一時も相手から目が離せません」と述べ、姉ヨルムを演じたノ・ユンソも「手話は非言語的な表現ですが、表情がとても大事だと思いました」と振り返っており、誤解を恐れずに言えば、例え字幕がなくても彼らの目と表情からその思いが伝わってくる。

聞こえない、聞こえ難いという他者といかに会話するかという偏見を越えて、真心を通わせるには、相手の目を見て、表情をくみ取ること。コロナ禍で加速したソーシャルディスタンスによって、さらに直接のコミュニケーションを避けるようになってしまった社会に生きる人々にとって、本作の「君の声を聴かせて」という邦題が鑑賞後に深い余韻を残す。

執筆者紹介

和田隆 (わだ・たかし)

1974年生まれ。映画業界紙の記者、編集長などを経て取締役に就任。キネマ旬報などに寄稿。2014年より映画.comで国内映画ランキング、新規事業などを担当。映画もプロデュース。


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