妻夫木聡、「僕は映画の力を信じたい」 主演映画『宝島』完成に万感の思い!
2025年9月9日 21:59

俳優の妻夫木聡が9月9日、TOHOシネマズ六本木ヒルズで開催された映画「宝島」東京プレミアイベントに、広瀬すず、窪田正孝、永山瑛太、塚本晋也、中村蒼、瀧内公美、栄莉弥、尚玄、木幡竜、奥野瑛太、村田秀亮(とろサーモン)、デリック・ドーバー、大友啓史監督と共に登壇した。
本作は、戦後の沖縄を舞台に時代に抗う若者たちの姿を描き、第160回直木賞を受賞した真藤順丈の同名小説を、「るろうに剣心」シリーズの大友啓史監督が映画化。1952年、米軍統治下の沖縄を舞台に、米軍基地を襲撃して物資を奪い、困窮する住民らに分け与える「戦果アギヤー」と呼ばれる若者たちの怒りや葛藤を描く。



レッドカーペットイベントに登場したキャストたちは、映画がお披露目できることに晴れやかな表情をのぞかせる。主人公・グスクを演じた妻夫木は「ようやく映画が完成しました。この映画は命を繋いでいく物語です。思いというのはどんどん繋がっていきます。この世の中の一人一人、より多くの方に届けられれば」と意気込んでいた。
レッドカーペット後に行われた舞台挨拶では、映画を観た観客の前に登壇。妻夫木は「ようやくこの日が来ました。宣伝アンバサダーとしていろいろな地に赴きましたが、東京の方に観ていただけて本当に嬉しいです」とほほ笑む。


熱い思いはメガホンをとった大友監督も同じ。「6年かかりました。しかもただの6年ではありません。コロナ禍で2回も撮影がとん挫するアクシデントがありました。普通映画は1度飛んでしまうと、なかなか立ち直れない。特にこの規模の作品は……」と振り返る。「この映画は2度の危機を乗り越えて、今日この日を迎えることが出来たんです。これはキャストの皆さん、ここにいないスタッフのおかげです」と感謝を述べ、客席に「今日いないスタッフにも拍手をお願いします」と呼び掛けると、場内からは大きな拍手が巻き起こっていた。
さまざまな困難のなか、作品作りを諦めなかった原動力を問われた妻夫木は「僕は映画の力を信じたいんです」と力強く語ると「1%でも誰かの力を変えられる、未来を変えられる力があるのならば、僕はそれを信じたい」と思いを述べる。


そんな妻夫木の姿に、広瀬も「愛と熱量を持って作品に取り組む立ち振る舞いを見ていると、私自身もいままで自分が役や作品に向き合う概念を改めて考えさせられるような時間になりました」と大きな影響を受けたことを明かす。撮影中は「とにかく涙が枯れました」と思いを馳せ、「エネルギッシュで魂が宿っている現場が続いていて、自分自身も食らうし、吸い取られる。後半になると一人のシーンも増えて、海を見るだけで泣いてしまうんです。本編を見ても『泣いているな』と思うほどでした」と撮影を振り返っていた。
大友監督は「沖縄で1カ月半ぐらい撮影をしたのですが、やっぱり土地の持つ力はすごい」としみじみ語ると「本当に目に見えない力がたくさんある」と沖縄という島全体が、俳優たちにプラスアルファのパワーをもたらしたという。


日本映画史上まれに見るスケールで撮影された本作。妻夫木は「映画は観てもらって初めて完成するものだと思っています」と客席に呼びかけると「映画というのは、もしかしたらいま生きている社会ではちっぽけなものかもしれませんが、ほんの1%でも誰かの人生に変化が起こるきっかけになってくれたらいいなと思っています。僕は映画の奇跡を信じたいです」と熱い思いを伝えていた。
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