村上春樹短編原作「アフター・ザ・クエイク」 佐藤浩市演じる警備員&のんが声を務める“かえるくん”の衝撃の再会シーンを捉えた本編映像
2025年9月5日 14:00

岡田将生、鳴海唯、渡辺大知、佐藤浩市が主演し村上春樹氏の短編小説を基にした映画「アフター・ザ・クエイク」で、佐藤浩市演じる警備員と、のんが声を担当する“かえるくん”の衝撃の再会シーンを捉えた本編映像が披露された。
本作は、2000年に刊行された村上氏の短編集「神の子どもたちはみな踊る」(新潮文庫刊)に収録されている4つの短編をベースに、一部時代設定を変更、1995年から2025年の30年にわたる物語として新たに生まれ変わった。1995年の阪神・淡路大震災以降、それぞれ別の時代・場所で孤独を抱える4人の人生が交錯し現代へ繋がる、喪失と回復の物語だ。4月に放送されたNHKドラマ「地震のあとで」と物語を共有しながらも、4人を結ぶ新たなシーンが加わり、映画版ならではの編集で劇場公開となる。監督はドラマ「その街のこども」、連続テレビ小説「あまちゃん」などの話題作を手がけてきた井上剛。脚本は「ドライブ・マイ・カー」の大江崇允が担当している。

1995年、突然妻に別れを告げられた後、同僚の依頼を受け謎の“箱”を釧路へ運ぶ男・小村を岡田が演じ、2011年、浜辺で焚き火をする男との交流を通して自身を見つめていく家出少女・順子役を鳴海、2020年、熱心な信仰を持つ母親の元で「神の子ども」として育ったが、父親らしき男との出会いをきっかけにその存在に疑問を抱く青年・善也役に渡辺が扮している。また、佐藤は、2025年の世界を生きる地味な元銀行員で、現在は漫画喫茶で暮らしながら警備員をしている片桐役を担当。
そのほか、橋本愛、唐田えりか、吹越満、黒崎煌代、堤真一、黒川想矢、井川遥、渋川清彦、津田寛治、錦戸亮など幅広い世代の実力派俳優陣が集結。本作のキーとなるかえるくんの声をのんが演じ、唯一無二の村上春樹ワールドへ観客を誘っていく。

本編映像の舞台は、歌舞伎町の裏路地。早朝、ゴミを拾う片桐がうさぎのぬいぐるみを拾おうとした瞬間、網に覆われたゴミの山から「ははははは」と不気味な笑い声が響き、緑の細い手がゆらりと現れる。ゆっくりと立ち上がったのは、かつて片桐と共に東京を救ったと主張する“かえるくん”だった。驚きのけぞる片桐を前に、かえるくんは「またこうして再会できて嬉しいです」「もしかして僕のこと覚えていないんですか」と穏やかに語りかける。
片桐が動揺しながらも「どちらさまでしたっけ」と聞くと、かえるくんは「かえるくんですよ。昔あなたと一緒に東京を救った、あのかえるくんです」と答える。幻想と現実が交錯するシーンだが、のんが吹き込む声には心を引き寄せる温かみがあり、幻想と現実の境界を曖昧にしていく。そしてかえるくんは声のトーンを落とし「僕が片桐さんの前に現れるのは、極めて深刻な事態になった時だけです」と告げ、ひざまずき「再び僕を助けてください」と片桐に助けを乞う。片桐の戸惑いと、“かえるくん”の不思議な存在感が交錯し、物語が大きく動き出す気配を感じさせる映像に仕上がっている。
「アフター・ザ・クエイク」は、10月3日からテアトル新宿、シネスイッチ銀座ほかにて全国公開。
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