「ベスト・キッド レジェンズ」あらすじ・概要・評論まとめ ~空手とカンフーの“ベスト・キッド”の世界がNYで一つになる奇蹟~【おすすめの注目映画】
2025年8月28日 08:30

近日公開または上映中の最新作の中から映画.com編集部が選りすぐった作品を、毎週3作品ご紹介!
本記事では、「ベスト・キッド レジェンズ」(2025年8月29日公開)の概要とあらすじ、評論をお届けします。

1984年に1作目が公開されて大ヒットを記録し、続編やリメイク、スピンオフドラマ「コブラ会」も人気を博す「ベスト・キッド」のシリーズ通算6作目。1984年のオリジナル版で主人公ダニエルを演じたラルフ・マッチオと、2010年のリメイク版でカンフーの師匠を演じたジャッキー・チェンが共演を果たした。
北京でミスター・ハンからカンフーの指導を受けていた高校生のリーは、家族の不幸により母親と共にニューヨークに移住する。リーは周囲やクラスメイトとなじめず、不当ないじめや争いごとなど、さまざまなトラブルに巻き込まれてしまう。そんな中、数少ない友人から助けを求められたリーは友人のために戦うことを決意するが、リーは自身のカンフーのスキルがまだ充分でないことを悟っていた。リーのカンフーの師匠であるハンは空手の達人ダニエルを訪ね、リーへの助けを求める。ダニエルから空手を学んだリーは、空手とカンフー2つの異なる格闘スタイルを武器に究極の格闘大会に挑む。
リー役は「ミーン・ガール」などに出演してきたベン・ウォン。監督は「このサイテーな世界の終わり」「Vanity Fair(ヴァニティフェア)」などのテレビシリーズで知られるジョナサン・エントウィッスル。

今から約40年前、1985年の劇場公開後に地上波テレビ放映かレンタルビデオで見た「ベスト・キッド(1984)」。いじめられっこの高校生ダニエル(ラルフ・マッチオ)が、日系2世の空手の達人ミヤギ(ノリユキ・パット・モリタ)と出会い、“右、左と両腕で拭き掃除”をさせられるなどの独特な修行方法で心と体を成長させ、空手大会で因縁の相手に勝利する物語とラストの感動に鳥肌が立った。カリフォルニアの夕陽を背に浜辺で修行するダニエルの印象的な姿が、まだ少年だった筆者の心に今もずっと焼きついている。
それから24年後に、ジャッキー・チェンとジェイデン・スミス(ウィル・スミスの息子)主演でリメイク(「ベスト・キッド」)される。母と2人でアメリカから北京に引っ越してきて言葉にも文化にも馴染めず、いじめられていた少年ドレ(ジェイデン)を助け師匠となるカンフーの達人ミスター・ハンとしてジャッキーは登場。遂にジャッキーも師匠役を演じる年齢(当時56歳)になったのかと、さらにその作品が「ベスト・キッド(1984)」のリメイクであり、ミヤギの役割を演じたということで、長年のファンの一人として感慨に耽ったのを覚えている。

そしてさらに15年後、シリーズ通算6作目となる最新作「ベスト・キッド レジェンズ」で、オリジナル版で高校生ダニエルを演じたラルフと、リメイク版で師匠ハンを演じたジャッキーが初競演し、空手とカンフー、2つの“ベスト・キッド”の世界がニューヨークで一つになるという奇蹟が実現。ラルフとジャッキーが同じスクリーンのフレームの中におさまる日が来るなんて、40年前には夢にも思わなかった。
最新作の主人公は、北京でハンからカンフーを教わっていた高校生のリー。最愛の兄を失ったことでカンフーを封印し、母と2人でニューヨークに移住すると新たな試練にぶち当たる。そこで大切な人を守るために戦うことを決意したリーは、師匠ハンと空手の達人となっていたダニエルという2人のレジェンドの極意を受け継ぐことになるという物語。沖縄に空手を伝えたミヤギ家の祖先は、かつてハン家の祖先からカンフーを教わっていたという設定で、ミヤギ空手を継承したダニエルがハンと力を合わせてリーを鍛え、導いていく。

ラルフとジャッキーの競演だけでも見応え充分なのだが、それと同じくらいの興奮をもたらしてくれたのが、リーを演じたベン・ウォンの驚異的な身体能力である。世界中から応募が殺到したオーディションを勝ち抜いたベンは、空手、カンフー、拳法、テコンドーなどの武術を取得し、本シリーズの新しいニューヒーローがみせる、ジャッキーのお墨付きのアクションは最大の見せ場といっても過言ではない。
故に、過去のシリーズ作品を見ていなくても充分楽しめる作品となっているが、鑑賞後にオリジナル版、リメイク版を見ていくとさらに最新作の面白さが高まることだろう。人生の中で勇気を出して立ち上がらなければならない時、人は何のために戦うのか、それは戦う価値があるのか。新たな極みに挑戦し、今の自分を超えようとする姿は、国や人種、時代を越えて、勇気と感動を与えてくれる。物語と同様に、本シリーズの魂を受け継ぐ作品だ。
執筆者紹介
和田隆 (わだ・たかし)
1974年生まれ。映画業界紙の記者、編集長などを経て取締役に就任。キネマ旬報などに寄稿。2014年より映画.comで国内映画ランキング、新規事業などを担当。映画もプロデュース。
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