河瀨直美監督「たしかにあった幻」ロカルノ映画祭でワールドプレミア上映
2025年8月18日 16:00

河瀨直美監督の最新作「たしかにあった幻」が8月15日(現地時間)、スイス・ロカルノで開催された第78回ロカルノ国際映画祭インターナショナル・コンペティション部門のクロージング作品としてワールドプレミア上映され、河瀨監督と主演のビッキー・クリープスが記者会見と上映後のQ&Aセッションを行った。
今作は、小児臓器移植実施施設を舞台に、命のともしびを照らす「愛」の物語。フランスからやってきたレシピエント移植コーディネーターのコリー(クリープス)が、脳死ドナーの家族や臓器提供を待つ少年少女とその家族と関わりながら、命の尊さと向き合う。同時に、突然失踪した恋人の行方を追うコリーの姿を通じて、愛と喪失、希望を描く。
河瀨監督はこれまで、「あん」(2015)ではハンセン病を抱える女性、「光」(2017)では視力を失っていく男性、「朝が来る」(2020)では特別養子縁組の夫婦を取り上げ、社会的偏見や喪失の中で他者との関係性を通して救われる「愛のかたち」を描いてきた。本作でも、深い人間ドラマを通じて命と愛の意味を問いかける。
今回の会見で河瀨監督は、日本での行方不明人数が年間10万人と欧米諸国に比べると多いこと、臓器移植のドナーが先進国の中で最下位であることに触れ、「日本の課題を海外からやってきたコリーという女性の目を通して伝えていきたい」と語る。今作は「ひとりの女性が異なる文化において、自分自身を取り戻す映画」であるといい、「自分自身が確実にここだと思う場所に一歩を踏み出すことができれば、私はネガティブな過去もポジティブに変えられると思っていますし、その後の未来は光のある方向に進んでいけると願っています」と話した。
クリープスは、河瀨監督との初対面を振り返り、「私たちはおそらく繋がっているんだと感じました。世界を人間の目を通してだけ見ているのではなく、もしかしたら木々や、もうこの世にいない人、あるいはまだこの世にいない人を通して見ているのかもしれない、と」と不思議な繋がりを感じたと明かす。日本で仕事をするにあたり、言語や文化の壁にぶつかり「海に迷い込むような感じ」だったというが、「監督と心は通じ合っていると感じられたので、それを受け入れて役作りに活かしていきました」と経験を作品に反映させたと語った。
上映後に行われたQ&Aセッションでは、河瀨監督が改めて日本の臓器移植ドナーの少なさに言及し、「日本独自の常識や価値観が多くあって、主人公のコリーが日本の常識の壁にぶつかりながら苦悩していることを通して、日本の人たちにも現状を変化させる可能性を知ってほしかった」「イエスかノーを問うているわけではなく、もう一つの価値観を知ること、選択肢の可能性を持つことがとても重要だと思います」と訴えかけた。
「たしかにあった幻」は、2026年2月6日に東京・テアトル新宿ほか全国公開。
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