花嫁として売られた大学生の悲劇、中国で上映禁止「盲山」全国拡大公開 人身売買の実態映す本編映像
2025年8月7日 19:00

中国政府による検閲で約20か所のシーンをカットしながらも、最終的に国内上映を全面的に禁じられた衝撃作「盲山」の全国拡大公開が決定、全国版ポスターと人身売買の実態を映し出す本編冒頭映像が公開された。
仕事を探していた22歳の大学生、白雪梅(パイ・シューメイ)。割のいい仕事を紹介してくれるという親切な若い女性と出会い、その仕事を受ける為、遠く離れた山奥へ向かう。長く過酷な旅の末、眠りに落ちた白雪梅が目を覚ますと、見知らぬ農家で横たわっていた。自分がどこにいるのかも分からず、財布や身分証明書、手荷物もすべて失っている。仕事の紹介者の女性の姿もどこにも見当たらない。白雪梅は村人から、村に住む40歳の独身男性、黄徳貴(ホアン・デグイ)の花嫁として売られたと聞かされ、自分が人身売買業者に騙されていたことに気がつく――。

プロデューサー、脚本、監督を務めたリー・ヤンによる本作は、第60回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門に出品され、その圧倒的なクオリティーと力強いラストシーンが高く評価された。スリラーと冷徹な社会風刺が融合し、生々しく残虐性を帯びた描写とともに、大きな社会的反響を呼び、波紋を広げた。日本ではシネマート新宿での限定公開が始まるや否や、口コミで評判が広まり、連日満席を記録する異例のスマッシュヒットに。1週間限定上映を予定していた中、熱い支持を受けて3週間上映へ異例の延長を果たした。
村人たちの利己主義、そして警察の無関心によって、孤立した村で奴隷のような生活を送る身となった白雪梅。月日が経過すると黄家は次第に彼女への監視を緩め、ようやく自分の家族との連絡を取ることに成功する。そして、ようやく待望の助けが現れた時、それは新たな悲劇の始まりに過ぎなかった。
この程公開された本編冒頭映像は、鬱屈とした空気が漂う山奥の村から始まる。薬を売る仕事のためにやってきた主人公・白雪梅(パイ・シューメイ)に村人たちが好奇のまなざしを向けている。不穏な空気が漂う中、いつのまにか寝てしまった白雪梅が目を覚ますと、自分が見知らぬ男の“嫁”として売られたことを聞かされる「女はいつかみんな結婚する」と説得する女性の言葉が、この地に蔓延する“狂気”と、白雪梅がこれから辿る過酷な未来を予感させる。
9月5日から、アップリンク吉祥寺、Stranger、シネマスコーレ、第七藝術劇場、京都シネマで近日公開。
東京:アップリンク吉祥寺、Stranger 9/5(金)~
名古屋:シネマスコーレ 近日公開
大阪:第七藝術劇場 9/13(土)~
京都:京都シネマ 9/12(金)~
※上映スケジュールなど詳細は劇場毎に異なりますので、各劇場HPにてご確認ください。
(C)2007 Tang Splendour Films Limited - Kun Peng Xing Yun Cultural Development Limited
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