孤独な10代が謎めいた深夜番組にのめりこむ…切なく幻想的な青春メランコリック・スリラー「テレビの中に入りたい」新場面写真
2025年7月31日 12:00

A24製作「テレビの中に入りたい」の新場面写真、ジェーン・シェーンブルン監督が本作の“創作の源”を明かすコメントが公開された。
第74回ベルリン国際映画祭パノラマ部門正式出品をはじめ数々の映画祭で上映されると「唯一無二の傑作」「変幻自在の不穏さ」「型破りな映画」「この作品を表すのに“リンチ的”という言葉を使いたい」と絶賛され、全米公開では熱狂する若者たちが続出。公開から1周年記念で新たなグッズが発売されるなど、続々と“中毒者”を生み出し続けている。
90年代のアメリカ郊外を舞台に自分のアイデンティティにもがく若者たちの“自分探し”メランコリック・スリラー。郊外での日々をただやり過ごしているティーンエージャーのオーウェンにとって、謎めいた深夜のテレビ番組「ピンク・オペーク」は生きづらい現実世界を忘れさせてくれる唯一の居場所だった。同じくこの番組に夢中になっていたマディとともに、二人は次第に番組の登場人物と自分たちを重ねるようになっていく―。閉塞した日常をやり過ごしながら、自分のアイデンティティにもがく若者たちの、切なく幻想的な青春メランコリック・スリラーが魅惑の映像世界と共に展開する。
© 2023 PINK OPAQUE RIGHTS LLC. ALL RIGHTS RESERVED.公開された場面写真は、謎めいた深夜のテレビ番組「ピンク・オペーク」のガールズヒーロー、イザベルとタラの首に怪しげなマークが光る神秘的な番組劇中カット、現実世界がピンクのイラスト文字で埋め尽くされるビジュアル映えなシーンカットなどが確認できる。
本作は、子どもの頃、夜眠れなくなるが見ずにはいられなかったテレビ番組についての物語であり、綿密に作られたジャンル映画だ。鮮やかで彩度の高い35ミリとぼやけたVHSの映像が90年代を完璧に再現し、ノスタルジーに浸る文化や、作品に自分を重ねることの危うさを極めて刺激的に掘り下げている。全編を通して多層的な物語はエキサイティングで楽しいが、アイデンティティや記憶の不確かさ、自分自身であることの意味を受け入れることについて、豊かで深い独特の瞑想を提供する。
また、トランス女性でノンバイナリーであることを公表しているシェーンブルン監督は、クィア映画の果敢な推進者でもある。それと同時に社会的に見せている自分と“本当の自分”のズレという本作にこめられた主題は、誰もが少なからず持つ普遍的なジレンマの形だ。
本作誕生の経緯、アイデアの源についてシェーンブルン監督は、「若かった頃に見ていたテレビ番組にどれほど捕らわれているかというアイデアは、何年も前から頭の中にありました。今になって考えると、私は画面の中に逃げて、土曜の夜のニコロデオンや火曜の夜の『バフィー~恋する十字架~』をひたすら待っていたんだと思います。ファンの世界が私にとって防衛機制だったんです。フィクションを通して自分を守ろうとするのをやめて、私の映画に出てくるキャラクターたちのように画面の向こう側へ行く。それには最も深く核心的な部分で現実を再評価することが必要です。この映画はそんな気づきから生まれました」と語る。
© 2023 PINK OPAQUE RIGHTS LLC. ALL RIGHTS RESERVED.さらに「隠していた本当の自分を心の中に戻し、見なかったフリをして半分死んだような人生を続けるか、未知と対峙するか。それは完全な社会的死を意味するのも同然で、本質的に自分が知る現実の終わりでもあります。本作のジャンルの要素と中心的メタファーは、語りたいという私の願望から生まれました。そして他の多くのトランスジェンダーたちが、本当の自分を否定される世界の中で自分らしくいる方法を模索する経験をしてきたと思います」と明かしている。
「テレビの中に入りたい」は、9月26日から東京・ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国で順次公開。
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