「ダーティ・ダンシング」伝説のリゾートホテルが舞台のドラマシリーズ、制作決定
2025年7月15日 14:00

1987年の名作映画「ダーティ・ダンシング」にインスピレーションを与えた伝説のリゾート、グロッシンガーズ・キャッツキル・リゾート・ホテルを舞台にしたドラマシリーズ「ザ・マウンテンズ(原題)」の制作が決定したと、米Deadlineが報じている。作品は1950年7月4日の週末から始まり、戦後アメリカの激動の時代を背景に、ひとつのリゾートを築き上げた家族の多世代にわたる物語を描く。
制作を手がけるのは、「サタデー・ナイト・ライブ」の元脚本家で「It's Garry Shandling's Show」の共同制作者アラン・ツバイベルと、「Dr.ルース・ショー」のプロデューサーでAtlantic Overseas Picturesを運営するハリス・F.B.サロモンだ。ツバイベルは子ども時代の夏をグロッシンガーズで過ごした経験を持ち、現在は「ラリーのミッドライフ★クライシス」の制作も手がけている。サロモンはグロッシンガーズの物語に関する独占権を保有している。
グロッシンガーズ・リゾートは、ニューヨーク市から北に約130キロ離れたキャッツキル山地にあった伝説的なリゾートホテル。1914年に開業し、86年の閉業まで72年間にわたって営業を続けた同リゾートは、主にユダヤ系アメリカ人の避暑地として親しまれ、"ボルシチ・ベルト"と呼ばれるリゾート地帯の代表格として知られていた。
最盛期のグロッシンガーズは1200エーカー(約485ヘクタール)の敷地に35の建物を擁し、年間15万人の宿泊客を迎えていた。27ホールのゴルフコース、室内外のプール、スキー場、ナイトクラブ、1500人収容可能な巨大ダイニングルーム、さらに専用空港や郵便局まで完備する一大リゾート都市として機能していた。同リゾートは52年、世界で初めて人工雪を使用したスキー場としても歴史に名を刻んでいる。
宿泊客には女優のエリザベス・テイラー、ルシル・ボール、野球選手のジャッキー・ロビンソン、エレノア・ルーズベルト元大統領夫人といった著名人が名を連ね、ボクサーのロッキー・マルシアーノはトレーニング地として利用していた。また、ジェリー・スティラー、ミルトン・バール、ジャッキー・メイソンといった後に名を馳せるコメディアンたちがキャリアをスタートさせた場所でもあった。歌手のエディ・フィッシャーは49年にこのリゾートで見出され、女優デビー・レイノルズとの結婚式も同所で行われた。
しかし60年代から70年代にかけて航空料金が安くなり、フロリダやカリブ海、ヨーロッパなどより遠方への旅行が可能になると、次第に客足が遠のいていった。さらに、ユダヤ系アメリカ人の地理的分散や反ユダヤ主義の減少により、「ユダヤ人向けリゾート」としての独自性も薄れていった。72年にジェニー・グロッシンガーが亡くなると衰退は加速し、86年に閉業した。
「ダーティ・ダンシング」は、脚本家エレノア・バーグスタインが子ども時代にグロッシンガーズで過ごした体験が作品のベースとなっている。映画では「ケラーマンのリゾート」という架空の名前で登場するが、63年夏のキャッツキルのリゾートでの出来事として描かれ、世界興行収入2億1400万ドル超の大ヒットを記録した。同作は日本でも89年に公開され、パトリック・スウェイジとジェニファー・グレイの名演で多くのファンを魅了した。
新ドラマ「ザ・マウンテンズ(原題)」では、このリゾートを築き上げたジェニーとエレイン・グロッシンガーというふたりの女性の物語に焦点を当てる。戦後アメリカの楽観主義の中で、彼女たちがキャッツキルの質素な下宿屋を余暇と優雅さ、そして抵抗の象徴的な帝国へと変貌させていく過程を描く。作品は単なるリゾートの物語を超えて、ユダヤ系アメリカ人の地位向上、女性のリーダーシップ、そして排斥と憎悪に対する不屈の抵抗を象徴する物語として展開される予定だという。
制作陣は近々、放送局やストリーミング各社に企画のプレゼンテーションを行う予定だという。
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