【厨房が地獄と化す】「ラ・コシーナ 厨房」「一流シェフのファミリーレストラン」など、レストランの舞台裏を描く作品5選
2025年6月20日 11:00

スタッフの多くが移民で構成されたニューヨークの観光客向け大型レストラン「ザ・グリル」の人間関係を描いた「ラ・コシーナ 厨房」が公開中。あまりの忙しさに飛び交う怒号、止まらない注文、相次ぐトラブル、こじれにこじれた人間関係……そんな地獄と化した厨房の状況とは裏腹に、最高においしそうな料理たち。この記事では、カオス渦巻くレストランの舞台裏を描いた作品5選をご紹介します。(※配信情報は、2025年6月19日時点のものです)

イギリスの劇作家、アーノルド・ウェスカーによる1959年初演の戯曲「調理場」を原作に、メキシコ出身のアロンソ・ルイスパラシオス(「コップ・ムービー」)が監督・脚本を手がけ、眩しく先進的なニューヨークの街と、アメリカンドリームを求めて滞在する移民たちの姿を対比させながら、ほぼ全編モノクロ映像でスタイリッシュに描き出した。日本でも2005年に舞台演出家・蜷川幸雄の演出により「キッチン KITCHEN」として上演されるなど、幾度となく舞台化されてきた。
ニューヨークにある大型レストラン「ザ・グリル」の厨房で、いつも通りの忙しい朝が始まった。そんななか、前日の売上金の一部が消えたことが判明し、従業員全員に盗難の疑いがかけられる。さらに新たなトラブルが次々と発生し、料理人やウェイトレスたちのストレスはピークを迎え、厨房はカオスと化す。料理人のひとりで、メキシコ移民のペドロ(ラウル・ブリオネス)は、アメリカ人のウェイトレス・ジュリア(ルーニー・マーラ)とのある問題を解決しようとしていた。

ニューヨークの一流レストランで働く新進気鋭のシェフだった主人公・カーミー(ジェレミー・アレン・ホワイト)を中心に、彼の家族と、兄・マイケル(ジョン・バーンサル)の遺した店の一筋縄ではいかないスタッフたちを描く、食、家族、仕事、人生をテーマにしたドラマシリーズ。ゴールデングローブ賞やエミー賞で、数々の受賞に輝いている。
シーズン1では、カーミーが借金まみれのサンドイッチ店「The Beef」を立て直そうと奮闘。シーズン2では店名を「The Bear」に改名し、サンドイッチ店からレストランへのリニューアルオープンに向け準備を進め、シーズン3ではついにレストランをオープンさせた。しかし、私生活を犠牲にしてでも、その目標を達成しようと一心不乱に突き進むカーミーと、彼の行き過ぎた姿勢についていけないスタッフたちは対立し、オープンしたてのキッチンでも言い争いが絶えない。
シーズン4では、開店も束の間、資金繰りが悪化の一途をたどり、さらには評論家から「料理の質に大きなムラがある。安定性に欠けた店」と酷評レビューが寄せられるなど、新たな試練が次々と立ちはだかる。

ロンドンの人気高級レストランを舞台に、オーナーシェフのスリリングなある一夜を、全編90分ワンショットでとらえた人間ドラマ。1年で最も賑わうクリスマス前の金曜日、オーナーシェフのアンディ(スティーブン・グレアム)は、妻子との別居や衛生管理検査で下げられた評価など、さまざまなトラブルに見舞われて疲れ切っていた。
そんななか、アンディは気を取り直して店をオープンさせるが、あまりの予約の多さにスタッフたちは一触即発状態。さらに、アンディのライバルシェフが有名なグルメ評論家を連れて突然来店し、脅迫まがいの取引を持ちかけてくる。

ジョン・ウェルズ監督(「8月の家族たち」)がメガホンをとり、ブラッドリー・クーパーが問題を抱えた天才シェフを演じた。一流の腕をもちながら、トラブルを起こし、全てを失った料理人、アダム・ジョーンズ(クーパー)。パリの二ツ星レストランから姿を消して3年後、アダムは料理人としての再起を図るため、ロンドンの友人・トニー(ダニエル・ブリュール)のレストランに「この店を世界一のレストランにしてやる」と、自分を雇い入れる約束を取りつける。かつての同僚ら最高のスタッフを集め、新しい店をオープンさせるアダムだったが、未解決のままの過去のトラブルの代償が大きくたちはだかる。

ニューヨークの人気レストランを舞台に繰り広げられる一夜の出来事を描いた、スリリングな群像ドラマ。ボブ・ジラルディ監督が、自身がオーナーも務める、ニューヨークに実在するレストラン「ジジーノ」でロケを行い、キッチンの雰囲気を臨場感たっぷりに再現した。
イタリアンレストラン「ジジーノ」のオーナー、ルイス(ダニー・アイエロ)は、長年のビジネスパートナー、エンリコがギャングに殺害されて滅入っていた。もうひとつ、彼の頭を悩ませていたのは、息子・ウード(エドアルド・バレリーニ)の存在。イタリア帰りのウードはルイスの反対を押し切り、伝統的な家庭料理で街の人々に愛されてきた店を、おしゃれな人々が集うトレンディレストランへと変えてしまったのだ。やがて日が沈み、今日もまた忙しい“ディナーラッシュ”の時間がやってきた――。
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