ロマン・コッポラ、“父”フランシス・フォード・コッポラ監督の新作は「真に個人的な魂のこもった映画」
2025年6月17日 18:00

フランシス・フォード・コッポラ監督の最新作「メガロポリス」が6月20日から日本公開。このほど、セカンドユニット監督を務めたロマン・コッポラのインタビューを入手した。
ロマン・コッポラは、1965年のフランス出身。フランシス・フォード・コッポラ監督の次男であり、企画、原案、製作総指揮、脚本、監督、撮影、視覚効果監督など映画全般と関わりを持ちながら、父の映画製作スタジオ「アメリカン・ゾエトロープ」の代表を務めている。
「ドラキュラ」(92)で英国アカデミー賞視覚効果賞にノミネートされ、ウェス・アンダーソン監督作「ムーンライズ・キングダム」(12)ではアカデミー賞オリジナル脚本賞にノミネート。「ダージリン急行」(07/製作・脚本)、「犬ヶ島」(18/原案)、「プリシラ」(23/製作総指揮)、「アステロイド・シティ」(23/製作総指揮・原案)で多才ぶりを発揮。また、ミュージックビデオやCMの製作会社を設立し、ポール・マッカートニー、マライヤ・キャリー、ビースティ・ボーイズなどビッグアーティストのミュージックビデオ監督を担当している。
インタビューは、以下の通り。

「ドラキュラ」での実写特殊効果の仕事を父フランシス・フォード・コッポラが非常に気に入り、それがきっかけで今回も声をかけてもらいました。ドラキュラではすべてプラクティカル(実写)エフェクトでやっていたので、それが大きかったのだと思います。今回の「メガロポリス」でも、たとえば彫刻が崩れ落ちるシーンなど、視覚的に重要なシーンは私が手がけています。また、カエサルが幻覚を見る場面でグラスを落とすような演出も担当しました。父は、作品に入る前にコラボレーターたちを集めて「家族」のようなチームを築いてから作り始めるのが好きで、私はその一員としてサポートに入りました。
私はセカンドユニットディレクターとしてクレジットされています。具体的には、主演キャストが出演しないシーン、たとえば背景や群衆、夢や幻覚など幻想的なシーン、パーティーシーンやドライブシーンなどの都市風景の撮影などを担当しました。ジョージアのホテルに皆で寝泊まりしながら、非常に密に現場に関わっていました。メインの撮影とは別に、3台目のカメラを持ち込んだり、ミニチュアカーの撮影、後半の祭りのようなシーン、ボードの破壊アクションなども私が撮影しています。父は私の感性を信頼して、撮影の多くを任せてくれました。

基本的には「任されていた」という感覚が強いです。もちろん絵コンテや準備はしっかりしましたが、父は「これを撮ってくれ」と細かく指示するよりも、「驚かせてほしい」「面白い何かを見せてほしい」というスタンスでした。たとえば夜のドライブシーンでは、私が準備したビジュアルに対して、父も非常に協力的で、コラボレーション的なやりとりができたと思います。彫刻が崩れるシーンなどに関しては完全に私に任せられていて、私の感覚と表現がそのまま反映されています。
特に「支えなければならない」という気持ちはありませんでした。映画製作というのは元々、思い通りに進まないことが多く、何年もかかるのが普通だと理解しています。高校卒業後のバイトで、父が撮影用に集めていた建物の写真をスキャニングする仕事を手伝っていましたし、長年にわたり脚本のドラフトを家族に送っては意見を聞くというスタイルで関わっていました。進まなくても、父は常に粘り強く前に進もうとしていました。

1983年、高校卒業後の夏に、父が集めた資料(建物の写真や都市の風景)をスキャンするバイトをしていました。その頃からすでにこの企画の下地ができており、特にクライスラービルの映像はよく覚えていて、今回の映画でも重要な象徴として登場しています。また、2001年にニューヨークで撮った映像が今回の作品で使われており、20年越しに合成しているシーンもあります。
確かに賛否があるのは理解していますが、現場での創造的な熱量やチャレンジ精神を知っているからこそ、「ここが本当に素晴らしい」と思える部分は多くあります。たとえば都市や空間の構築、ビジュアルの冒険性など、映画としての野心とスケールは圧倒的でした。
誰にでも響く映画ではないかもしれないが、父が自分のビジョンと信念に従って、人生の集大成として作り上げた作品です。都市、時間、若さ、希望、そして人間の可能性を語る詩のような映画です。だからこそ、「実験作」や「野心作」としてだけでなく、「真に個人的な魂のこもった映画」として記憶されてほしいと願っています。
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