綾野剛が「でっちあげ」に込めた思いとは? 柴咲コウ、亀梨和也ら共演者6人が役者“綾野剛”の魅力を語る
2025年6月4日 18:00

綾野剛が主演し、三池崇史監督とタッグを組んだ「でっちあげ 殺人教師と呼ばれた男」のインタビュー映像(https://youtu.be/aCfD6rOkV_Y)が公開された。綾野が作品に込めた思いを明かすとともに、柴咲コウ、亀梨和也ら共演者6人が役者“綾野剛”の魅力を語っている。あわせて、新たな場面写真5点も公開された。
原作は、第6回新潮ドキュメント賞を受賞した福田ますみ氏によるルポルタージュ「でっちあげ 福岡『殺人教師』事件の真相」(新潮文庫刊)。日本で初めて教師による児童への虐めが認定された体罰事件をもとに、人間の静かな恐ろしさを描く。主人公の教師を綾野が演じ、「クローズZEROII」(09)以来16年ぶりに三池監督とタッグを組んだ。共演には、柴咲、亀梨、三浦綺羅、木村文乃、光石研、北村一輝、小林薫らが勢揃いした。主題歌は、キタニタツヤの書き下ろし曲「なくしもの」に決定している。
2003年、小学校教諭・薮下誠一(綾野)は、保護者・氷室律子(柴咲)に児童・氷室拓翔(三浦)への体罰で告発される。体罰とはものの言いようで、その内容は聞くに耐えない虐めだった。報道をきっかけに、担当教輸は「史上最悪の殺人教師」と呼ばれ、停職処分になる。児童側を擁護する550人の大弁護団が結成され、民事裁判へと発展。しかし、法廷は担当教諭の完全否認から幕を開けるのだった。
映像には、本編やメイキング映像とともに、キャスト陣のインタビューが収められている。綾野は、“薮下誠一”という人物像について「答えがすごく多い人」と表現。「小学校の先生のイメージは時代ごとに更新されている」と前置きした上で、「2003年という時代を目で見えるもので代表的に表現してしまうと、人物像はなかなか見えてこない。だから、その人の生活にどれだけ馴染んでいるか(=印象に残らなくていい)ということを意識しました」と、役に記号的なわかりやすさを与えること以上に、日常に生きる人物として在ることを意識して繊細に演じたと話す。

薮下を告発する律子を演じた柴咲は、綾野について「お芝居に誠実な人で、一つ一つのディティールをきちんと捉えて、どう表現するべきかを常に考えている役者さんだなと思いました」とその魅力を語る。そして、週刊誌記者・鳴海三千彦役の亀梨は「“生きている現場”を、綾野さんから感じさせてもらいました」と感謝した。

薮下を支える妻・希美役の木村は、「セリフのやり取りから、想像をはるかに超えた誠一さんで来るから、そこにチューニングを合わせに行く作業が大変でもあったし、お芝居ってこういうことだなと思いました。台本に書いていない部分のふくらませ方が、すごくて」と尊敬の眼差しを向ける。
自宅シーンでは、精神的に追い詰められていく薮下がありのままに映し出され、我を失いどんどん壊れていく薮下と、そばで見守り、支え、声をかける妻とのやり取りは、観る者の想像をはるかに超えてくる。
体罰の訴えや報道への対応に追われる校長・段田重春を演じた光石は、「ちょっとした目線の動きとか台詞の間尺、相手を食う感じを、音から拾っているのかなと感じました。」と、綾野の細やかな演技について明かす。

律子側の弁護士・大和紀夫を演じた北村は、「根っこの部分でお芝居をしているように思いました。薮下をどう作るかじゃなくて、“薮下になる”という感じなんです。他の作品とも別人だし普段の姿とも違う。現場では、綾野剛ではなく薮下としていました」と振り返り、作品に真摯に向き合う部分を「僕と一緒ですね。そこカットしないでくださいね(笑)」とユーモアを交えて語った。

薮下の依頼を引き受ける唯一の弁護士・湯上谷年雄役を務めた小林は、綾野と数々の作品で共演。今作では「青年だったという当時のイメージ」から「声高に演技していくというよりも、何かを抱えた揺れる人をやりたいのかなと感じました。(薮下の)逡巡する想いに身を置いて演技しているように思いました」とその円熟ぶりを評した。
最後に綾野は、「映画館で誰の時間を生きるかによって、この作品の見方が大きく変わると思います。誰の時間と共に過ごすかによって、感じ方も匂いも変わる。だから、いろんな人たちの時間を多様に生きてほしいです。それができるのが、映画だと思います。だからエンタメなんだと思います。観終わった後、自分の1秒をこれからどう生きていこうか、そういったことを感じてもらえたら、これ以上の幸せはないかなと思っていますね」と静かに熱く語った。
映画「でっちあげ 殺人教師と呼ばれた男」は6月27日全国公開。
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