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【第78回カンヌ国際映画祭】イランのジャファル・パナヒ監督にパルムドール、3大映画祭すべての最高賞を制覇 自由を求めるスピーチに喝采

2025年5月25日 08:30

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3大映画祭を制覇したジャファル・パナヒ監督
3大映画祭を制覇したジャファル・パナヒ監督
写真:REX/アフロ

第78回カンヌ国際映画祭が現地時間の5月24日に閉幕し、下馬評の高かったイランのジャファル・パナヒ監督の「Un Simple accident」にパルムドールが授与された。これでパナヒ監督はベルリン、ベネチアを含む3大映画祭すべての最高賞を制覇するに至った。

会場で自身の名前が呼ばれると、しばらく呆然とした様子で椅子に座ったままでいたパナヒ監督。後からどんな気持ちだったのか、と尋ねられると、「さまざまなことが脳裏に浮かんだ。とくに自分が刑務所にいた時代、一緒に過ごした同僚たちの顔が浮かんだ」と語り、感無量の様子だった。監督はスピーチで、「さまざまな問題はあるものの、いまイランにとってもっとも大事なのは、この国に自由を取り戻すことです」と語り喝采を浴びた。

ジャファル・パナヒ監督会見
ジャファル・パナヒ監督会見
(C)佐藤久理子

グランプリにはこちらもプレスの評価が良かったヨアキム・トリアーの、家族のドラマを描いた心理劇、「Sentimental Value」が輝いた。トリアー監督は俳優であった祖父に賞を捧げたいと語り、「この映画は女優たちによって牽引されている。彼女たちなくしては成りたたなかった」と、主演のレナーテ・レインスベおよび共演のエル・ファニングに感謝を述べた。

コンペティションで唯一日本から参加した早川千絵監督の「ルノワール」は、惜しくも受賞を逃した。

女優賞は、街でスカウトされ映画初出演を果たした「La Petite dernière」のナディア・メリティにわたった。パリ郊外に住む敬虔なイスラム教徒であるアルジェリア人のファティマが、成長するにつれさまざまな出会いを経て、自身のアイデンティティと因習とのあいだで葛藤する。本作もまた俳優が牽引するタイプの作品で、LGBTQ+映画に与えられるクイア・パルム賞も受賞した。

女優賞のナディア・メリティ
女優賞のナディア・メリティ
(C)佐藤久理子

男優賞と監督賞をダブル受賞したのは、クレベール・メンドンサ・フィリオの「The Secret Agent」。1970年、ブラジルの軍事政権下を舞台に、久々に故郷に戻り事件に巻き込まれる男を、「シビル・ウォー アメリカ最後の日」のワグネル・モウラが演じ、ジャンルを越境するユニークな語り口と相まって高い評価を得た。

クレベール・メンドンサ・フィリオの「The Secret Agent」
クレベール・メンドンサ・フィリオの「The Secret Agent」

脚本賞は、もはや手ぶらでは帰らないのが習慣となったダルデンヌ兄弟。自身の俳優の受賞も含むと、なんとこれがカンヌで9つ目の受賞となる。早くして子供を持った若い母親たちの面倒をみる施設を舞台に、彼女たちの横顔に迫るフィクションだ。今回は珍しく複数の主役を立てた群像劇だが、その着地の仕方はみごとで名人芸としか呼びようがない。

審査員賞は、こちらも人気の高かった砂漠を舞台にした作品「Sirât」と、4つの異なる時代の少女たちを主人公に、独創的な語り口を見せたマシャ・シリンスキ監督の「Sound of Falling」が分け合った。

さらに今回審査員長ジュリエット・ビノシュの意向で、映画史にオマージュを捧げたビー・ガンの大作「Ressurection」に特別賞が授与された。

今年のコンペティションは22本と作品も多く、個性的なスタイルのものが並んだが、全体的に納得のいく、バランスの取れた賞の振り分けだったと言える。ビノシュは12日間にわたる濃密な審査員体験を、それぞれが自身の芸術的感性を持ち合い、お互いの意見を聞きながら共に成長するような素晴らしい日々だったと締め括った。(佐藤久理子)

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