いしいしんじ氏の小説「トリツカレ男」が今秋に劇場アニメ化 監督は「映画クレしん 逆襲のロボと一ちゃん」の髙橋渉
2025年5月22日 14:00

いしいしんじ氏の短編小説「トリツカレ男」(新潮社刊)が劇場アニメ化され、今年秋に公開されることが決定した。特報映像とティザービジュアルが公開されている。
原作は2001年に発表、06年に文庫化されたラブストーリー。なにかに夢中になると、ほかのことが一切見えなくなるほど没頭してしまうことから「トリツカレ男」と呼ばれる青年・ジュゼッペが、風船売りの少女・ペチカに恋をし、彼女が心の内に抱える心配ごとを解決するため、相棒のネズミ・シエロとともに、これまでにトリツカレてきたさまざまな知識や技術を駆使して奮闘する姿を描く。07年から21年にかけて、複数の劇団により4度にわたって舞台化されている。
劇場アニメ版は、作中で多数の楽曲が披露されるミュージカルアニメーションとなる。監督には「映画クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん」の髙橋渉を迎え、脚本を実写ドラマ「腐女子うっかりゲイに告る」の三浦直之、キャラクターデザインを「風人物語」の荒川眞嗣が、アニメーション制作を「クレヨンしんちゃん」「ドラえもん」のシンエイ動画が担当する。
特報映像は、カラフルな街並みのなかでジュゼッペが高らかに歌うシーンからスタート。ジュゼッペが潮干狩りやサングラス収集など、さまざまなことに夢中になる場面が映し出され、やがてペチカへの恋心にトリツカレる姿が描かれる。ジュゼッペ役のキャストは現時点では未発表。
ティザービジュアルには「トゥララ・きみに夢中」というジュゼッペの気持ちを表現したミュージカル調のキャッチコピーとともに、虫取り網を手にして走るジュゼッペと、自転車を押しながら風船を売り歩くペチカが街角で出会う場面が切り取られている。
いしいしんじ氏、髙橋監督からのコメント全文は以下の通り。
浅草のせまい一室で、誰にも知られず書き連ねたことばのかたまりが、色を、かたちを、音を、動きを与えられ、こうして世に出てゆく。
絵コンテ、アフレコなどの制作過程を途中で覗かせてもらい、スタッフの方々のトリツカレぶりに深く感銘をうけた。動かないはずのものに、みな一心に、あらたな命を吹きこんでいた。
アニメ愛をつづった手塚治虫の漫画「フィルムは生きている」のタイトルを借りるなら、まさしく「ものがたりは生きている」と思った。
エンターテイメントをやりましょう! とプロデューサーから原作小説を渡されてはや4年が過ぎました。
その間、世の中は悲しく、つらい出来事がたくさん起こり、今も続いています。
この映画は奇妙な男ジュゼッペと風船売りのペチカの愛の物語です。
誰かが誰かを想い、助けることは素晴らしいことだと大きくうたう映画です。
個性あふれるスタッフ、キャストの力で作り上げることができました。
こんなにもまっすぐなお話をみなさまにお届けできることをうれしくおもいます。
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