境遇の異なる女性3人の友情描くカンヌグランプリ受賞作「私たちが光と想うすべて」7月25日公開 「花嫁はどこへ?」チャヤ・カダムも出演
2025年4月25日 09:00

第77回カンヌ国際映画祭で、インド映画史上初のコンペティション部門グランプリを受賞したほか、100を超える世界の映画祭・映画賞にノミネート、25以上の賞を獲得したパヤル・カパーリヤー監督の初長編映画「All We Imagine as Light」が、「私たちが光と想うすべて」の邦題で7月25日公開される。
インドのムンバイで看護師をしているプラバと、年下の同僚のアヌ。二人はルームメイトとして一緒に暮らしているが、職場と自宅を往復するだけの真面目なプラバと、何事も楽しみたい陽気なアヌの間には少し心の距離があった。プラバは親が決めた相手と結婚したが、ドイツで仕事を見つけた夫から、もうずっと音沙汰がない。アヌには密かに付き合うイスラム教徒の恋人がいるが、親に知られたら大反対されることはわかっていた。そんな中、病院の食堂に勤めるパルヴァディが、高層ビル建築のために立ち退きを迫られ、故郷の海辺の村へ帰ることになる。揺れる想いを抱えたプラバとアヌは、一人で生きていくというパルヴァディを村まで見送る旅に出る。そして二人はそれぞれの人生を変えようと決意させる、ある出来事に遭遇する──。
「夜のムンバイを背景にした孤独なロマンスを、これほど美しくとらえた映画は初めてだ」(Variety)、「心を奪われない人はいないはず」(BBC)、「完璧な1作」(Les Inrockuptibles)と絶賛評が続出し、初長編劇映画にして70カ国以上での公開が決定している。
ムンバイ生まれの新鋭カパディアが、最初にその稀有なる感性を世界に見つけられたのは、初の長編ドキュメンタリー映画「何も知らない夜」。2021年のカンヌ国際映画祭監督週間でベスト・ドキュメンタリー賞に当たるゴールデンアイ賞、2023年の山形国際ドキュメンタリー映画祭インターナショナル・コンペティション部門でロバート&フランシス・フラハティ賞(大賞)を受賞。鋭く政治的でありながら美しく詩的なハイブリッド作品と高評価を受け、ドキュメンタリーというジャンルの可能性を広げた。

初の長編劇映画となった本作では、光に満ちたやさしく淡い映像美、洗練されたサウンド、そして夢のように詩的で幻想的な世界観を紡ぎ出し、これまでのインド映画のイメージを一新、「ウォン・カーウァイを彷彿とさせる」と評判を呼び、シャーロット・ウェルズ監督(「aftersun/アフターサン」)、)セリーヌ・ソン監督(「パスト ライブス/再会」)など、30代の若手女性監督たちの作品が世界の映画祭で脚光を浴びる中、現在39歳のパヤル監督もまた、世界中から新たな才能として注目を集めている。
プラバを演じるのは、「Biriyaani(原題)」でケーララ州映画賞・主演女優賞を受賞、2024年度東京フィルメックスでも上映され話題を呼んだ「女の子は女の子」にも出演したカニ・クスルティ。アヌには「Ariyippu(原題)」でロカルノ国際映画祭国際コンペティション部門主演女優賞にノミネートされたディビヤ・プラバ。パルヴァディには、日本でもスマッシュヒットを記録したインド映画「花嫁はどこへ?」のベテラン俳優のチャヤ・カダム。
世代や境遇、性格も異なる三人の女性の共通点は、ままならない人生に葛藤しながらも、自由に生きたいと願っていること。はじめは分かり合えなかった三人が、互いを思いやり支え合っていく。そこにあるのは声高な共闘ではなく、ただ相手の存在を“認める”という温かな視線。そして、メディアや批評家から讃えられたのは、美しさを極めた映像と音楽。ムンバイの街並みとラトナギリの自然を対比させ、カパーリヤー監督の類稀なる感受性を通すことで、アートへと昇華した。また、街を彷徨いながら小さなカメラで撮影した映像と録音した環境音をドラマに組み合わせるという、ドキュメンタリー経験者ならではのテクニックにも注目だ。
7月25日から、Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開。
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