集団自決が起きた壕から生き残り、慰霊碑前で花を売る女性の祈りのドキュメント「摩文仁 mabuni」6月公開
2025年4月24日 14:00

沖縄県糸満市の摩文仁の丘で、参拝用の花を売る女性を主人公とした新田義貴監督作品「摩文仁 mabuni」が6月7日から沖縄の桜坂劇場で先行公開、6月21日からシアター・イメージフォーラムで公開される。このほどポスター・ビジュアルと予告編が披露された。
膨大な数の慰霊碑が林立する摩文仁の丘。戦争で遺された者は死者の魂をどう受け止めその霊を慰めるのか。沖縄住民、日本軍戦友、自衛隊、アメリカ軍関係者、韓国人遺族。丘にはそれぞれの思いがすれ違う。この丘では“英霊の顕彰”と“犠牲者への慰霊”が常にせめぎ合い、本土と沖縄の分断を象徴してきた。それでも、その傍では花売りのおばぁが死者の魂を慰めようと祈り続けるのだった。

地元で生まれ育った大屋初子(89歳)は、沖縄戦で集団自決が起きた壕から命からがら生き残り、戦後はずっと「魂魄之塔」という慰霊碑の前で遺族に参拝用の花を売ってきた。本作では初子おばぁを主人公に、膨大な数が存在する沖縄戦の慰霊碑を訪ね、そこにこめられた人々の様々な思いを描く。このひとつの丘からは沖縄のみならず、多くの紛争に揺れる世界の今も見えてくるはずだ。

新田監督は、沖縄や中東などで戦争をテーマに映像制作を行ない、現在もウクライナで取材を続ける。沖縄の市場の再生を描いた劇場映画デビュー作「歌えマチグヮー」(2012年)に続き、戦後80年となる今年、いまなお沖縄が抱える多くの矛盾や、そこで生きる人々の姿を見つめる。ナレーションは沖縄出身でモデル・タレントとして活躍する知花くらら、そして主題歌はシンガーソングライターの寺尾紗穂が手掛け、鎮魂の祈りをともに捧げる。

予告編では、知花の柔らかいナレーションではじまり、戦争で失われた魂の鎮魂のために建てられたはずの慰霊塔の前で、沖縄住民、自衛隊などそれぞれの思いがすれ違う様が描かれる。それは本土と沖縄の分断を象徴しているようだ。だがその傍で、花売りのおばぁが死者の魂を慰めようと祈り続ける様子が、寺尾紗穂が本作のために書き下ろした主題歌「あれから」とともに描き出される。
なお、「摩文仁 mabuni」応援クラウドファンディング(https://motion-gallery.net/projects/mabuni)も開催中だ。
(C)ユーラシアビジョン
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