【第48回日本アカデミー賞】最優秀作品賞は「侍タイムスリッパー」 安田淳一監督&山口馬木也が涙
2025年3月14日 22:55
(C)日本アカデミー賞協会第48回日本アカデミー賞の授賞式が3月14日、東京・グランドプリンスホテル新高輪国際館パミールで行われ、「侍タイムスリッパー」が最優秀作品賞に輝いた。
本作は、江戸時代の武士が現代の撮影所にタイムスリップし、時代劇の“斬られ役”として生きていく姿を描いたコメディー。2024年8月の劇場公開時には東京の池袋シネマ・ロサのみの1館上映だったが、SNS等で反響を呼び、9月からは300館以上で順次拡大公開され異例の大ヒットを記録した。
作品名が読み上げられると、安田淳一監督と主演の山口馬木也は涙を流し、受賞を喜び合った。
もともと“斬られ役”として知られた福本清三さんが出演予定だったが、2021年に福本さんが亡くなり、さらに資金集めもままならず諦めかけた経緯がある。
安田監督は「最後まで物事を諦めずにやることを教えてくれた昨年死んだ父と、そして頑張っていれば誰かがどこかで見ていてくれるといつもおっしゃっていた福本清三さんに見せてあげたいです。本当にありがとうございました」と感極まりながらスピーチ。
助監督を務めたほか、山本優子を演じた沙倉ゆうのは「たくさんの方に助けてもらって、皆さんの思いが詰まったこの作品を皆さんと作り上げることができて、嬉しくて幸せです」と感激の面持ち。
高坂新左衛門役で主演を務めた山口は「心臓が飛び出るかと思いました」と驚いたことを明かし、「最初は小さな小さな光でした。それを多くの方が手を貸してくださり、お客様のおかげでこんなにキラキラした場所に立てております」と感謝。「この映画に何度も足を運んでくれたお客様がいます。その方に聞いたら、映画館にキャラクターたちに会いに行く気分で来ているって言ってくれました。こんなに嬉しいことはありません。この映画が与えてくれたすべてのことが折に触れ、今後自分の帰る場所になるんだと思います。そのきっかけを与えてくれた安田監督、応援してくださった皆様ありがとうございました」と言葉を紡いだ。
なお、優秀作品賞は「キングダム 大将軍の帰還」「正体」「夜明けのすべて」「ラストマイル」が受賞した。
第48回日本アカデミー賞受賞者一覧は、以下の通り。「キングダム 大将軍の帰還」の4冠が最多受賞となった。
最優秀アニメーション作品賞:「ルックバック」
最優秀主演男優賞:横浜流星「正体」
最優秀主演女優賞:河合優実「あんのこと」
最優秀助演男優賞:大沢たかお「キングダム 大将軍の帰還」
最優秀助演女優賞:吉岡里帆「正体」
最優秀監督賞:藤井道人「正体」
最優秀脚本賞:野木亜紀子「ラストマイル」
最優秀撮影賞:佐光朗「キングダム 大将軍の帰還」
最優秀照明賞:加瀬弘行「キングダム 大将軍の帰還」
最優秀美術賞:三浦真澄「はたらく細胞」
最優秀録音賞:横野一氏工「キングダム 大将軍の帰還」
最優秀編集賞:安田淳一「侍タイムスリッパー」
最優秀音楽賞:世武裕子「カラオケ行こ!」
最優秀外国作品賞:「オッペンハイマー」
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