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南沙良“毒親”に振り回される 武田綾乃原作「愛されなくても別に」映画化に主演、監督は井樫彩

2025年3月7日 07:00

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南沙良
南沙良
(C)武田綾乃/講談社 (C)2025 映画「愛されなくても別に」製作委員会

南沙良が、「響け!ユーフォニアム」でも知られる武田綾乃氏による小説を映画化する「愛されなくても別に」に主演することがわかった。カンヌ国際映画祭への出品経験のある井樫彩が監督を務める。公開は7月4日。

2013年、日本ラブストーリー大賞最終候補作に選ばれた「今日、きみと息をする。」で作家デビューし、続く「響け!ユーフォニアム」はテレビアニメ化され大ヒットしている武田氏。吉川英治文学新人賞を受賞した「愛されなくても別に」は、著作の中で初の実写化となる。

宮田陽彩は、“クソ”のような大学生活を送っていた。大学に通い、それ以外の時間のほとんどを浪費家の母に変わっての家事とコンビニでのアルバイトに費やし、その中から学費と母と2人暮らしの家計8万を収める日々。遊ぶ時間も、金もない。何かに期待して生きてきたことがない。親にも、友人にも…。いつものように早朝にバイトを終えた宮田は、母のために朝ご飯を作り、家事をした後に登校していた。そこで大学の同級生であり、バイト先の同僚でもある江永雅のひょんな噂を耳にする。威圧的な金髪、メイク、ピアス──バイト先ではイヤホンをつけながら接客する、地味な宮田とは正反対の彼女の噂。「江永さんのお父さんって殺人犯なんだって」。他の誰かと普通の関係を築けないと思っていたふたり。ふたりの出会いが人生を変えていく。

三島有紀子監督作「幼な子われらに生まれ」で鮮烈なデビューを果たし、「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」で報知映画賞、ブルーリボン賞ほか、数々の映画賞を受賞した南。本作では、浪費家の母親に依存され、人生に一度も期待を抱いたことのない主人公・宮田陽彩を演じることになった。

井樫監督は、2016年公開の短編映画「溶ける」で日本人最年少での第70回カンヌ国際映画祭シネフォンダシオン部門の正式出品を果たし、その後も映画「真っ赤な星」「NO CALL NO LIFE」「あの娘は知らない」ほか、ミュージックビデオ、ドラマ「隣の男はよく食べる」(23)など数々の作品でメガホンをとり、注目を集めている。今回は、イ・ナウォン(「夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく」「熱のあとに」「誰よりもつよく抱きしめて」)とともに共同脚本も担当。オリジナル作品をフィルムライクな映像表現で描きながら若者たちの言葉で表現しづらい心情を見事に映像化する手腕を、本作でも顕著に見ることができるだろう。

愛されなくても別に」は、7月4日から新宿ピカデリーほか全国公開。コメントは、以下の通り。

画像2(C)武田綾乃/講談社 (C)2025 映画「愛されなくても別に」製作委員会
南沙良(主演)】
お芝居している中で、自分が不幸であることを他人との物差しとして用いてしまう陽彩を抱きしめてあげたくなりました。
誰かと出会うこと、何かを失うこと、なにかを信じること。
ただ生きることがこんなにも難しいこの世界で、未来を見ることが出来なくても、今を生き抜く力を持てたら、と強く思えた作品でした。
井樫彩(監督)】
あらすじから暗くて重い話なのかと思われがちなのですが、決してそれだけの物語ではありません。
苦しんだり傷ついたりしながら、だれかの手を振り払ったり…ときに手を取ったりして力強く歩んでいこうとする陽彩と雅という、ふたりの人間の物語です。
ふたりに会いに、ぜひ劇場にお越しいただけたら嬉しいです。
佐藤慎太朗(プロデューサー)】
社会問題をテーマにした題材はどうしても重たくなりがちですが、武田先生の描くこの物語にはそれだけではなく、作品全体を包み込む不思議なポップさがありました。
原作が持つその独特な世界観を大切にし、なおかつ鑑賞後に清々しさを与えられるような映画にしたいと、井樫監督にこの企画を持ち込みました。
同年代で同じ時代を生きてきた井樫さんとだからこそ、この映画が作れたと思います。
生きていくうえで不安や悩みはつきものですが、登場人物たちの勇気が、誰かに寄り添い、救うことを願います。

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