ロウ・イエ監督最新作「未完成の映画」5月2日公開 コロナ禍の「集団的トラウマの記録」をリアルに描く
2025年2月10日 10:00
2019年コロナウィルスが発生したと言われる中国武漢に近い江西省南昌市のホテルで映画制作を行っていた人々を描くことにより、パンデミック時の「集団的トラウマの記録」をリアルに描く。フィクションの物語をドキュメンタリー的に描くフェイクドキュメンタリーという手法に加え、コロナ禍で実際に撮影されたスマホの映像を織りこんだ多層的なフィクションドキュメンタリー作品となっている。
2024年第77回カンヌ国際映画祭特別招待作品ドキュメンタリー部門で上映され、英ガーディアン紙に「コロナ禍についての、まったくユニークで非常に重要な映画。『天安門、恋人たち』以来の最高傑作。 ☆☆☆☆☆」と絶賛された。
11月の中華圏最大の映画祭、台北金馬映画祭では、金馬奨の劇映画部門の最優秀作品賞、監督賞と編集賞の三部門受賞。BBC中国語において高雄映画祭のディレクターを務めたチェン・ビンホン氏は「COVID-19により中国は大きく揺らぎました。ただ映画ではそのことを明確には語りません。中国の第6世代のロウ・イエは対立を求めるのではなく、ただ現実をリアルに映し出そうとしています」と評した。カンヌ国際映画祭での特別上映は“ドキュメンタリー部門”、金馬奨は“劇映画部門”での受賞だ。
映画の冒頭、10年前に撮影され未完成のクィア映画を完成しようとスタッフが集められる。そこで編集用のモニターに映し出される映像は、ロウ・イエ監督の過去作「スプリング・フィーバー(2019)」「二重生活(2012)」「シャドウプレイ(2018)」などの映像。それらの作品の主人公を演じたチン・ハオが俳優役としてスタジオに訪れる。監督と話し合いが行われ、完成しても中国の検閲では公開されないことが分かった上で撮影が再開される。映画は虚実が交錯する設定で始まる。映画制作は無事開始されるが、コロナウィルスに関する不確かな情報の中、ホテルがロックダウンされ、スタッフがホテルに閉じ込められる。劇中では、コロナ禍で実際に撮影されたスマホの縦型動画が次々とスクリーンに映し出される。
東京フィルメックスで観客賞を受賞した上映後のXには「すごい映画を観てしまった。コロナ禍の私達の記憶を繋げ包み込む傑作。どんな時にも人間とは心を解放し前に進もうとする生き物だと言われたようだ」「生々しくあのロックダウンの記憶が蘇る。映画は終盤に向け虚実が入り乱れる。これ以上の「コロナ記録映画」は存在し得ないのでは」「映画の自由を存分に浴びた。スマホの自撮りを通して、映画とは何か?を問い直す傑作」など多くの熱いコメントがポストされた。
5月2日からアップリンク吉祥寺、アップリンク京都で公開。
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