DGA賞は「ANORA アノーラ」ショーン・ベイカー監督が受賞 アカデミー賞への期待高まる
2025年2月10日 22:30

米監督組合(DGA)は8日(現地時間)、米ロサンゼルスのビバリーヒルトンで第77回DGA賞授賞式を開催し、「ANORA アノーラ」のショーン・ベイカー監督が長編映画部門で最優秀監督賞を受賞した。ジャック・オーディアール(「エミリア・ペレス」)、エドワード・ベルガー(「教皇選挙」)、ブラディ・コーベット(「ブルータリスト」)、ジェームズ・マンゴールド(「名もなき者 A COMPLETE UNKNOWN」)ら実力派監督を抑えての受賞となった。
「タンジェリン」「フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法」など社会の周縁に生きる人々を独自の視点で描いてきたベイカー監督の最新作「ANORA アノーラ」は、現代アメリカのストリッパーの世界に迫った意欲作。カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞し、アカデミー賞では作品賞、監督賞を含む6部門でノミネートされるなど、高い評価を集めている。主演のマイキー・マディソンの繊細な演技も話題を呼んでいる。
受賞スピーチでベイカー監督は「映画製作を支えてくれた母に感謝したい。ただ、私が作りたい映画は彼女の望む作品とは少し違うかもしれない。『ANORA アノーラ』は見せづらいですね」と率直に語り、会場から温かい笑いが起こった。また「この作品は大スクリーンで観てほしい」と映画館での上映へのこだわりも示した。
DGA賞は1948年の創設以来、アカデミー賞監督賞の有力な指標とされており、過去10年で両賞の受賞者が異なったのはわずか1度だけだ。
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