“こんな映画はない。永遠に新しい。”とヴェンダースが賛辞 ロベール・ブレッソン「白夜」予告&新場面写真
2025年1月24日 08:00
ドストエフスキーの同名小説を原作とした、フランスの巨匠ロベール・ブレッソンの傑作「白夜(1971)」4Kレストア版予告編、場面写真が公開された。
1971年カンヌ映画祭で初公開後、近年ではフランスでさえ上映不可能だった幻の傑作として知られる本作は、2012年に日本でのみ35ミリニュープリントで上映され、そして2025年、4Kレストアで劇場公開される。19世紀のペテルブルクを舞台にしたこの物語は、1957年にルキノ・ビスコンティによっても映画化されているが、ブレッソンは撮影当時のパリに舞台を移し、セーヌ河畔とポンヌフを背景に若き二人の男女を見つめていく。
ジャックとマルトを演じるのは、それまでまったく演技経験のなかったギョーム・デ・フォレとイザベル・ベンガルテン。70年代の美しいパリの街、今なお新鮮なマルトの装い、セーヌの恋人たちをうっとりさせる歌や音楽、漆黒の川面を行きかう観光船のまばゆいばかりの美しさなど、詩情あふれる映像と物語が繰り広げられる。
予告編は、ポンヌフの宵闇で宝石のような光の粒が儚くきらめき、ジャックとマルトの恋と愛にうつろう四夜を予感させる夜のカットから始まる。「戻ってきて結婚できる身分なら…」と交わした一年後の約束の日、現れない恋人に絶望するマルトと出会ったジャック。「明日は来るさ」と励まし続けるジャックに、「あなたのことを知りたい」「彼があなたのような人なら良かった」と徐々に心を開くマルト。マルトに寄り添いながら、ジャックはマルトへの熱い思いをいっそう募らせる。ボサノバ調の音楽を背景に、夜のセーヌ川をゆったりと進む観光船の明かりが水面を照らす美しいシーンに続き、“こんな映画はない。永遠に新しい。”と、ヴィム・ヴェンダースの賛辞で締めくくられる。
「白夜(1971)」4Kレストア版は2025年3月7日からユーロスペース、角川シネマ有楽町ほか全国順次公開。
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