SixTONES松村北斗、“妻”松たか子に感謝「会った初日から今日まで変わらない」　坂元裕二は俳優力を絶賛

本作は、「愛する人と歩む人生とは？」という答えのない深くてシンプルな疑問の意味を問いかけるオリジナルラブストーリー。事故で夫を亡くし、夫と出会う直前の日にタイムトラベルをする主人公・硯カンナ（すずり・かんな）を松が演じ、カンナの夫の硯駈（すずり・かける）役を松村が務める。この日は客席の間を通ってキャスト陣が登場。初めて本作を鑑賞した観客と一緒に、映画の完成を祝った。

松は「駈とカンナのお話ではあるんですが、観ていくと2人を取り巻く人たちにも目が行ったり、想像が膨らんで。そんなことをしていると自分自身に返ってくるようなお話」とすべての人に向けた物語だと吐露。松村は「2時間の映画を観終わった後、その長さをまったく感じない。それでいてたくさんの物語と展開と人生を見たし、たくさんのメッセージや考えるものをもらった。そういった重さが手の中にある」と感想を語りながら、「ものすごく密度のある映画」だと胸を張った。

松と松村は、初共演にして夫婦役を演じた。松は「人気者」と松村について表現して会場を笑わせつつ、「輪郭がはっきりしている。思ったより、シルエットがちゃんと見える方」という印象を持ったという。松村は「わかる方、いらっしゃいますか？　肩幅が広いとかは関係ないらしい」と苦笑いを見せ、「松さんは会った初日から今日まで、本当に距離感や話し方が変わらない。初対面からずっと知っていたかのように振る舞ってくれる方。そのおかげで夫婦役がやれた」と感謝を述べた。

駈に恋心を抱く里津役を演じる吉岡は、ドラマ「カルテット」以来の松との共演に「緊張する人であり、緊張を解いてくれる人でもある。お芝居の現場に行く前はバクバクバクと緊張するんですが、いざ入ってみると『大丈夫だよ』と言ってくれる。『松さんと今日も会えた』と思っていました」と感激しきり。続けて「松村さんには、リリー（・フランキー）さんがすごく母性本能をくすぐられていた。ペタペタ触ったりした。松村さんも悪くない顔をされていた」と暴露して、周囲を笑わせた。

リリーとのコミュニケーションが「ものすごくうれしかった」という松村は、「連絡先も交換して、僕から『よかったら』と連絡をしてその後に2回、ご飯に行っています。リリーさんと話しているとすごく楽しい」と笑顔。吉岡は「リリーさんが（松村に）どハマりされていた。デートに行かれたんですね」と目尻を下げた。美術スタッフの世木杏里役に扮した森は、松とは「ラストレター」以来の再会。「その時もすごくやさしくしていただいた。久しぶりにお会いすると『あの時、こんな女性になりたい』と決意したんだと思い出した。人生のためになるような時間を過ごさせていただいた」と松への憧れを口にしていた。

脚本の坂元は「松さんといつか映画を作りたいというのが念願だった」と喜びを語りながら、「松村さんは29歳と45歳という演じ分けをほぼご自身で、多少CGはあるかもしれませんが、お二人ともほぼCGに頼らずに、お芝居で演じ分けていらっしゃった。びっくりしました。もちろんすばらしいCGは世の中にあるんでしょうが、そういうものを超えていく俳優の力を見せていただいた」と惚れ惚れ。松村は、年代によって声にも変化が表れている。試写を観た時に、松村は「塚原さんが、加工で声を下げてくれたのかと思った」という。「塚原さんは『（加工はせず）そのままですよ』とおっしゃっていた。松さんもサポートをしてくださって、塚原さんのアドバイスもあり、自分でも気づかない間に40代にたどり着いていたのかなと。そこまで行けてよかったなと、安心しています」と坂元からの賛辞に安堵の表情を見せていた。

またステージでは2009年にタイムトラベルする本作にちなんで、2009年の自分に声をかけたいことを発表する場面もあった。松は「仕事をする環境が変わった年。『頑張っていれば、いい出会いがあるよ』と言いたい。だから『頑張れ』と言っておきます」とにっこり。「すごく大事な年。芸能界の活動を始めたのが、2009年の2月」と切り出した松村は、「アドバイスは正直ないです。思うままに来たら、とりあえずここにはいられる奇跡が待っている。一個でも間違えれば、あっという間に消し飛んでしまうので、当時の自分には何も言えないです。たくさん間違えるけど、それがあってのこれだと思います」と話した。吉岡は「パスポートを部屋から出すなと言いたい」とキッパリ。「高校生の時の修学旅行が海外だったんですが、パスポートを紛失して行けなかった。『思い出をまるっと失うよ』と言いたい」と告白して会場を驚かせた。森は「9歳くらいまで大阪に住んでいたので、2009年は関西人でした。役としても関西弁を使う機会は多いので、関西弁を忘れないようにと言いたいです」と過去の自分にメッセージを送っていた。

「ファーストキス　1ST KISS」は、2月7日より全国公開。