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小田香監督最新作、日本の地下世界にカメラを向けた「Underground アンダーグラウンド」2月公開

2024年9月20日 11:00

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「Underground アンダーグラウンド」場面写真
「Underground アンダーグラウンド」場面写真
(C)2024 trixta

セノーテ」「鉱 ARAGANE」の小田香監督5年ぶりとなる最新長編「Underground アンダーグラウンド」の公開が2月に決定し、場面写真3点と小田監督のコメントが披露された。

長編デビュー作「鉱 ARAGANE」ではボスニア・ヘルツェゴビナの炭鉱を、第1回大島渚賞を受賞した「セノーテ」ではメキシコ、ユカタン半島のセノーテと呼ばれる洞窟内の泉と、人類の視線が及ばない異形の地下世界を題材に制作を続けてきた小田監督が、最新作「Underground アンダーグラウンド」日本の地下世界にカメラを向け、漆黒の暗闇に横たわる歴史を凝視する。

小田監督は、3年かけて日本各地をリサーチし、その土地に宿る歴史と記憶を辿り、土地の人々の声に耳を傾け、これまでとは全く異なる撮影体制で、地下の暗闇を16mmフィルムに焼き付けた。鼓膜がうち震えるほどの爆音の音響設計と、時折、漆黒の暗闇に揺れる色とりどりの眩い光。ドキュメンタリーという枠を超えた異形の空間が映し出される。

地下の暗闇から、蠢く怪物のように「シャドウ(影)」が姿を現す。シャドウ(影)はある女の姿を借りて、時代も場所も超えて旅を始める。滲み出す地下水に濡れる、地下鉄が走る音を聞き、戦争により多くの人々が命を失ったほら穴の中で死者達の声に耳を澄ませる。山奥の寺では、洞窟に続く、壁面に掘られた仏たちのために読経する僧侶の傍らに身を寄せる。そんな道行きの中、シャドウ(影)は、かつてそこで起きたことをトレースしていくようになり、ふと入った映画館で出くわした映像に導かれ、湖の底に沈んだ街に向かうのだった――。

米津玄師「Lemon」MVのダンスで鮮烈な印象を残し、映画「Shari」などの監督作でも知られる、映画作家・ダンサーの吉開菜央が、ある女の姿を借りた「シャドウ(影)」という存在を演じ、まるで歴史そのものであるかのような姿で随伴する。に超え、我々の既成概念をぶち破る力強さで疾走していく。2025年2月、ユーロスペースほか全国順次公開。

小田香監督コメント
わたしたちが滅びた後、わたしたちがここに本当にいたということを遺せる術はなんだろう。
わたしたちが人と呼ばれる前にもわたしたちはいただろうが、人と呼ばれなくなった後も、生痕を宿した記憶を繋いでいけるだろうか。
死、失われた者、遺されたもの、それらの気配が漂う地下空間で、束の間、映画という装置で時間を動かす。
隠したり、隠れたり、隠されたりする空間が照らされ、生者の視線と交わる。「わたしたち」という奇妙な事象が更新される。
地下と地上、失われたものとまだあるもの、生者と死者、双方を撮影し、「わたしたち」の像を立ち上がらせたかった。
―――小田香

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