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【ネタバレあり】エロ本が消滅した世界は果たして良くなったのか?「グッドバイ、バッドマガジンズ」二村ヒトシ&映画.com編集部がトーク

2024年8月15日 22:00

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「グッドバイ、バッドマガジンズ」
「グッドバイ、バッドマガジンズ」
(C)ふくよか舎/ピークサイド

TOKYO FMほか全国38のFM局のオーディオコンテンツプラットフォームで、スマートフォンアプリとウェブサイトで楽しめるサービス「AuDee(オーディー)」 と映画.comのコラボ新番組「映画と愛とオトナノハナシ at 半蔵門」。作家でAV監督の二村ヒトシと映画.com編集部エビタニが映画トークを繰り広げる。

今回は、男性向け成人雑誌を作る人々の奮闘を横山翔一監督が描いたドラマ「グッドバイ、バッドマガジンズ」を取り上げる。

とある出版社で、女性誌志望だったものの成人雑誌の編集に配属されてしまった女性が主人公。癖のある編集者やライター、営業担当者たちに囲まれながら一人前の編集者として成長するが、電子出版の台頭による出版不況、東京オリンピック開催決定に伴うコンビニエンスストアからの成人雑誌撤去、コロナ禍の影響など、エロ本業界に生きる人々の苦悩と葛藤を描き出す。

アダルトビデオ業界を知る二村は、自身の体験とも重ね合わせ「奇跡的な映画」と本作を絶賛。「こういう人知ってる、この感情に身に覚えがある、と僕にとってリアルで、コメディに見えない映画だった」と感想を語り、「資本主義の話にもなりますが、大手のコンビ二にしてみたら、売れなくなったから撤去する理由ができたのでしょう」と分析する。

エビタニは「私はコンビニからエロ本が消えたことに気づいていなくて、この映画で条例ができたことを知った」と驚き、世の中の流れや、大きな声に淘汰されてしまう成人雑誌の行く末に「劇中の編集者が、テープで閉じられた雑誌に『中身は本当にいいのに…』と言うセリフが切ない」と作り手の気持ちに寄り添う。そして、老齢男性が雑誌を購入していくシーンを挙げ「映画も人間の生活には必要ない、いつかは滅びると言われたけど意外と消えない。やはり、そこには少数だけれども需要があって、そこを経済的に回すためにどうするか、市場の原理はある程度働いて残るのかな、とこの作品を見て思った」と持論を述べる。

紙の出版物がインターネットに追いやられ、またそれがきちんとゾーニングができているかと言うと決してそうではない、と二村は最近の社会風潮にも問題があると指摘。「子供はエッチなものをちらっと見て、親に『あれ、なあに?』って尋ねて怒られるのも僕は健全だと思う。その一方で、エロ本は表紙がどんどんえぐくなって、そしてテープ張りになったりと、撤去はなるべくしてなったこと。今後AVも間違いなく滅びる。でも、今、インターネット上に勝手に出てくる広告の方がよっぽど問題だと思うし、今欲しくないエロが出てきてもエロくない」と語る。

また、「女にとってセックスとは何か、脱ぐ女と脱がない女にとってセックスの商品化とは何か」も本作のテーマだと言う二村。登場人物たちの仕事に対する意識や、愛憎入り混じる人間関係の描き方についても言及し、エビタニは「家族を支えるために仕事をやめられない人もいる。コミカルに描いているけどちゃんと人間を描いている」とエロだけではないドラマ性を評価した。

「いろんなバッドなものが消えていき、でも世の中は良くなりましたか? そんなことを声高には言う映画ではありませんが、エロが好きな人にも見てほしいし、まともな仕事をしている人も、子育て中にコンビニにあるエロ本に困った方にも見てほしい」と二村。エビタニも「純粋にお仕事映画としても面白い」と鑑賞を薦めた。

トーク全編はAuDee(https://audee.jp/voice/show/55260)で聞くことができる(無料配信中)。次回は、「タンジェリン」「フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法」のショーン・ベイカー監督が、転落した元ポルノスターの男を描く「レッド・ロケット」を取り上げる。

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