磯村勇斗主演「若き見知らぬ者たち」予告&場面写真7点 理不尽な世界で生きる主人公を、何が殺したのか?
2024年8月14日 07:00
磯村勇斗が主演し、「佐々木、イン、マイマイン」の内山拓也監督が商業長編デビューを飾る「若き見知らぬ者たち」の予告編と場面写真7点がお披露目。両親の借金返済と母の介護を背負う主人公・風間彩人(磯村)の死によって、周囲の人々が揺らいでいくさまが切り取られている。
本作は、内山監督が身近な見聞にインスパイアされた、自身のオリジナル脚本による“いまを生きる全ての人たちに送る物語”。磯村のほか、岸井ゆきの、福山翔大、染谷将太、滝藤賢一、豊原功補、霧島れいかが共演。フランス、韓国、香港、日本の共同製作作品でもあり、企画の段階で海外3つの国と地域での配給が決定した。ポストプロダクションの最後の工程、音仕上げ(サウンド・ミックス)はフランスで行われ、内山監督も現地に出向くなど、文字通り日仏チームの共同作業が行われた。
風間彩人は、亡くなった父の借金を返済し、難病を患う母・麻美(霧島)の介護をしながら、昼は工事現場、夜は両親が開いたカラオケバーで働いている。彩人の弟・壮平(福山)も同居し、同じく借金返済と介護を担いながら、父の背を追って始めた総合格闘技の選手として、日々練習に明け暮れている。息の詰まるような生活に蝕まれながらも、彩人は恋人・日向(岸井)との小さな幸せを掴みたいと考えていた。しかし、彩人の親友の大和(染谷)の結婚を祝う、つつましくも幸せな宴会の夜、彼らのささやかな日常は、思いもよらない暴力によって奪われる。
予告編の冒頭では、彩人を忘れたくない母・麻美、彼を支える恋人・日向、彼を心配する友人・大和、彼の夢を背負う弟・壮平ら、彩人を取り巻く人々の日常が映し出される。彩人と壮平は、麻美を自宅で介護し続けていたが、ままならない生活と、立ち行かないほどの貧困で、満身創痍の状態が続いていた。「もう限界だって……」と呟く壮平を、「やめろ」と一蹴する彩人。身体は疲れ切っているが、家族を守りたいという意思の強さが垣間見える。
そして訪れる、彩人の突然の死――。彼の無念の死が、遺された者たちを突き動かしていくさまが切り取られている。亡き父・亮介(豊原)がいた頃の幸せだった記憶、彩人を気遣う日向、背負ったものの重さと虚しさに飲み込まれまいと、肩を震わせむせび泣く彩人ら、彼が確かに生きた軌跡の映像が連なる。「この世のあらゆる暴力から自分の範囲を守るんだよ」と自分に言い聞かせながら生きてきた彩人。理不尽な世界で、彼は何を思い、何を願い、そして何が彼を殺したのか――。自分の正義を守り、懸命に生きようとする名も無き人々の姿が胸に迫る仕上がりだ。
場面写真には、鋭いまなざしを投げかける彩人をはじめ、ボクシングに取り組む壮平、かつての幸せそうな家族の姿などが写し出されている。
「若き見知らぬ者たち」は、10月11日から東京・新宿ピカデリーほか全国公開。
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