アマチュアスタッフだけで全編撮影 「莉の対」キャストの愛あるイジりに田中稔彦監督がタジタジ
2024年6月3日 16:00
第53回ロッテルダム国際映画祭で最優秀作品賞(タイガーアワード)を受賞した「莉の対」(読み:れいのつい)の公開記念舞台挨拶が6月1日、東京・テアトル新宿で行われ、主演の鈴木タカラ、大山真絵子、森山祥伍、池田彰夫、勝又啓太、田中稔彦監督が登壇した。
本作は、東京と北海道を舞台に出会うはずのなかった2人の男女の姿を描く物語。とりまく周りの人たちも様々な問題を抱えていることを映し出し、人間の脆さや弱さを自然の美しさと対を成すように描いた190分のヒューマンドラマ。
出演もしている和木亜央、舘若奈によるMCの呼び込みで、キャスト陣が登壇した。満席で迎えた舞台挨拶の開始早々、監督補であり慎也役の池田が「朝起きて、満席になったのを知ってテンション上がっちゃいました!」と喜びをあらわにするとキャスト陣が頷き、田中監督も「200回くらいテアトル新宿のホームページにアクセスして、客席の埋まり具合をチェックしていた」と明かす。
映画制作経験が全くなかったアマチュアスタッフ達だけで全編を撮影しており、キャスト陣は「不安しかなかった」「天候予備日がなかった」「スタッフが全員素人」「常に余裕がなかった」と次々と愛あるディスりを披露し、場内は笑いの渦に。田中監督はタジタジになりながらも、主人公の親友・麻美役の大山からの「でもお弁当の内容は頑張ってくれた。ご飯は大事!」という言葉に安堵の表情を見せた。
「ロッテルダム国際映画祭」の話題になると、麻美の夫・公平を演じた森山は「シェアハウスを借りてキャスト・スタッフ9人で生活をしていた。僕が料理担当でした」と、現地では料理の腕を振るっていたそう。
さらに、「授賞式でトロフィーを落としましたよね?」と池田から問い詰められた田中監督は、「みんなが胴上げをはじめて。それで焦って落としてしまった」と釈明。胴上げをした理由について池田は「受賞する前提で宣伝担当が前もって用意したプレスリリースに、“監督をみんなで胴上げする”って書いてあった。これはやらなきゃいけないなと思った」という裏話を明かし、観客を笑わせていた。
最後に、鈴木は「3時間10分という時間の中にはたくさんの人間が出てきます。幸せも不幸せも結末も、人によって受け取り方が違うと思うので気楽に観ていただき、上映時間が長いので隣の方のトイレには寛容になっていただければ」と呼び掛け、田中監督は「商業的なエンターテインメントを作る気ははじめから全くなかった。どこにでもいる人間たちの葛藤や息苦しさ、弱さや汚さを描きながら、自然の美しさや厳しさ、温かさをコントラストとして描きたかった。3時間という長旅ですが、最後までご覧ください」と締めくくった。
本作の上映はテアトル新宿では6月6日まで。キノシネマ新宿にて6月7日から上映、以降全国順次公開。
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