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平泉成、俳優人生60年で映画初主演「感無量です」 Aぇ! group佐野晶哉は「孫だと思っています」と息ぴったり

2024年5月23日 21:00

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60年のキャリアを誇り、公開直前に80歳を迎える俳優の平泉成が映画初主演を務めた「明日を綴る写真館」の完成披露舞台挨拶が5月23日に有楽町朝日ホールで行われ、平泉をはじめ、佐野晶哉(Aぇ! group)、佐藤浩市市毛良枝、秋山純監督が出席した。

原作は、あるた梨沙氏による同名漫画。平泉が演じるのは、自身の趣味である写真撮影ともリンクするカメラマン役として、さびれた写真館を営む鮫島役。鮫島に弟子入りを志願する気鋭の若手カメラマン・太一に佐野が扮する。年齢も考え方も全く違うが、“自分に素直になれない”という共通点を持つふたりが人々の抱える“想い残し”のために奔走する姿を描く。この日、登壇者は客席の間を通って、大きな拍手を浴びながら笑顔でステージに上がった。

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本作で映画初主演を務めた平泉は、「感無量です。『継続は力なり』と言いますが、60年俳優をやって、80歳で初めて主役をやらせていただいた。しかもこんなにすてきな映画で、夢のようです」としみじみ。オファーが舞い込んできた時は「長いこと俳優をコツコツとやってきましたので、いつの日かこんなことがあるかもしれないなと思い続けてきましたが、79歳になって『もうないだろう』と思っていたところ、監督から『やりませんか。一緒にやろうよ』とお誘いをいただいて。脚本を読ませていただいたら、とても温かいすてきな映画でした。二つ返事でお受けさせていただきました」と驚きつつも、喜びと共に受け取ったという。

「勝手に成さんの孫だと思っています」という佐野は、「現場から、とても仲良くさせていただいた。ご自宅の『バラが咲いたよ』という写メを送ってくださったり、お孫さんと旅行に行かれた写真を送ってくださったり」とプライベートでも連絡を取り合うほどの仲となり、「メル友です」とにっこり。「成さんが現場に入られるだけで、皆さんの肩の荷がふっと下りるようだった。『成さんの初主演だから』と集まった、友情出演の面々も本当に豪華。愛にあふれたこの現場だからこそ撮れる、温かい作品になりました」と心を込めながら、「成さん、本当におめでとうございます」と祝福していた。

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ステージでは「大ベテラン、大ベテラン、大ベテラン、佐野で、めちゃめちゃ緊張しております」と素直な心境を明かした佐野だが、ベテラン勢はそんな彼を大絶賛した。平泉は「CDデビュー、おめでとうございます」とAぇ! groupのデビューを祝い、これには佐野も「わあ!ありがとうございます!」と大喜び。すると佐藤から「(CDデビューが)俺より遅いんだ」といじられる場面もあり、会場も大笑いだった。

さらに佐野の俳優としての魅力について、平泉は「豊かな感性がある。素直で柔らかい。柔らかさは俳優にとって一番大切なもの。そして横顔を見ていると、結構可愛い顔をしている」と目尻を下げながら、「藤沢周平の小説で、時代劇を彼にやってもらったらいいじゃないかと思った」と提案。佐野は「成さんがそう言ってくれるなら、挑戦してみたいです!」と声を弾ませていた。俳優としても今後の活躍を期待された佐野は、「映画は2本目。浩市さんとは、2本ともご一緒させていただいている。浩市さんから『佐野、芝居好きだろう。もっと芝居したほうがいい』と言っていただいたことが自信につながって、映像の芝居が大好きになった。すてきな方々とすてきな映画を撮れて、本当に幸せです」と感激しきりだった。

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また平泉が初主演を果たしたことにちなみ、「挑戦してみたいこと」を聞かれた登壇者たち。秋山監督は、本作が大ヒットをして「男はつらいよ」のようなシリーズになることを希望。市毛は「楽器をやりたい」、佐藤は「常に、もらう役が初めてになる。役で新しい経験をさせてもらっている」と話した。そして佐野は「いつか浩市さんの曲を作曲したいです。浩市さんが『曲を書いてくれよ』と言ってくださったことがある。めちゃめちゃうれしくて、忘れられない。叶えられるように頑張りたい」、平泉は「リズムが苦手なので、ジャズダンスなどダンスを覚えてみたい」と意気込みを語った。全員の答えがそろうと佐野は「僕が書いた曲を浩市さんが歌って、市毛さんが楽器を演奏して、それに合わせて成さんが踊る」とそれぞれの夢を詰め込んだアイデアを繰り出し、市毛も「それを映画の劇伴にする」、佐野も「やりましょう!第二弾はそれで!」と息ぴったりに想像を膨らませて、会場を盛り上げていた。

最後に佐野は「成さんがクランクインされた時に、長くお話をさせてもらった。そこで『60年間やっていたらいいことがある。80歳になってチャンスが巡ってきた。俳優って、どれだけやっても満足できなくて、正解がわからなくて、それが楽しい。佐野も80歳になっても、芝居をしていてくれよ』と熱い言葉をいただいた」と回顧。「5月15日にデビューをさせていただいて、またゼロからスタートするようなタイミングで、すてきなご縁をいただけた」と心を込めた。平泉は「秋山監督の映画に対する情熱と愛情が、こんなに温かい映画を作ってくれました」と感謝を伝え、大きな拍手を浴びていた。

明日を綴る写真館」は、6月7日から全国公開。

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