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高畑勲監督は子どもたちの異常な心理状態も描いていた 片渕須直監督と臨床心理学者が読み解く「高畑勲という作家のこれまで語られていなかった作家性」

2024年3月20日 13:00

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(左から)片渕須直監督と横田正夫氏(日本大学文理学部心理学科特任教授)
(左から)片渕須直監督と横田正夫氏(日本大学文理学部心理学科特任教授)

新潟市で開催中の「第2回新潟国際アニメーション映画祭」で3月19日、片渕須直監督と臨床心理学者でアニメーション研究者の横田正夫氏(日本大学文理学部心理学科特任教授)が「高畑勲という作家のこれまで語られていなかった作家性」と題したトークイベントを行った。

両者ともに日大芸術学部映画学科出身、高畑勲監督の東映動画勤務時代の同僚でもあった池田宏氏のゼミの先輩後輩という間柄で、長年の交流があり、片渕監督が横田氏に声をかけこの日の対談が実現した。

逆境を乗り越える少年少女が主人公で、いわゆる健全な成長譚というイメージを持たれている高畑監督作品だが、その多くで「正常な心理を書いているようで、異常な心理状態を的確に表現している」「(子どもたちが)すくすく育たず、現実ではなく妄想を繰り広げる。それは楽しいことだけではないから」と横田氏は語る。

具体例として、「アルプスの少女ハイジ」では、「ハイジは都会で一人ぼっちになり、誰も救いがない状態で、過去に体験したアルプスが幻想として再現されて、部分的に救われる。それは異常状態であり、子どものアニメーションで的確に表現するのはすごいこと。それは、お母さんを探しているマルコには街がよろめいて、幻影のように見える『母をたずねて三千里』にも言える」「『かぐや姫の物語』では、幻聴のような言葉も使われている。桜の花を見て歓喜に打ち震えていたはずなのに現実のギャップに打ちひしがれる。追い詰められた女性が陥りやすい状況で、それが少女に起きている」と解説する。

また、戦時下のきょうだい愛を描いた「火垂るの墓」では、幼い節子が落ち込んだ兄を慰める場面もあり「節子は妹だけれど、恋人のような存在でもあるし、母親のような存在でもある神々しい表現」と分析。その一方で清太が妹の節子に対し「少年が感じるエロティシズム」を表現する描写もあると指摘し「それは現在の新聞沙汰になるようなことと、同じようなまなざしかもしれない。きょうだいであるのにそういう見方をしている可能性があり、それは危険である。そこまで読み取らなければいけないのかもしれない」と言及する。

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片渕監督は「高畑勲は人間を描く素晴らしい作家として、僕が学生の頃から定評があった。ですから、人間を描くっていうのは何なんだろう? どうやったら自分もそこへ近づけるんだろう、どうしたらそれを理解できるのか……それが僕にとってのもがきだった」と、若き日からの思いを吐露し、「横田さんの話を聞くと、必ずしもその人間って正常なだけではなく、状況的におかしなことになってしまう時がある。その時のありさまみたいなものが的確に描かれることが、人間を描くひとつの方法なのかもしれない」とコメント。

このほか、両者は高畑監督のアニメーションの登場人物の視線の移動から心理状態が窺えること、片渕監督、横田氏ともに「情念としか言いようがない」と表現する、自然風景の描き方などから見る高畑監督の“美しさ”への執着など、高畑勲という作家の内面についても、様々なエピソードと角度から語り合った。

最後に片渕監督は「高畑さんからの薫陶のようなものをきちんと理解しようと思ったら、精神分析学や臨床心理学の知識も持たなければいけないのかもしれない。しかし、それでも日本のアニメーションのかなりの多くの部分が、高畑さんの作品からの影響を被っている。そういう意味でも、高畑勲の作家性を普遍化して、一般論として残さなければ。高畑作品の表面的なものだけではなく、そこに本来何があったのか? 今日の話で言うと、必ずしも健全だけを描いているのではなく、不健全であったり、そういった場合に人間に表出してしまうものの理解がきちんとあった上でできていた。それが高畑勲という作家のやったことの本質」とまとめ、横田氏とともに、高畑監督と作品へのさらなる深い理解を観客や作り手に求めていた。

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第2回新潟国際アニメーション映画祭は3月20日まで開催、チケットは絶賛発売中。公式HP(https://niaff.net)でのクレジットカード決済、または上映会場にて現金でも購入可能(※一部例外もあり)。チケット販売、プログラム、会場など詳細は公式HP、SNSで随時告知する。

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