「コヴェナント」リアルさにこだわった銃撃戦! サバゲー界のカリスマが解説「ミリヲタにとってはたまらない」
2024年2月24日 14:00
辛口批評サイト「Rotten Tomatoes」で98%支持(観客スコア/2024年2月15日時点)の高評価を受けている映画「コヴェナント 約束の救出」(公開中)の本編映像が、このほど披露された。映し出しているのは、ガイ・リッチー監督がリアルさにこだわった“ド迫力の銃撃戦シーン”。あわせて、サバイバルゲーム界のカリスマ“モエガミ”による見どころ4選も到着した。
数々の痛快なアクション・エンターテインメントを世に送り出してきたリッチー監督。今なお続くアフガニスタン問題とアフガン人通訳についてのドキュメンタリーから着想を得て、壮大な社会派ヒューマンドラマに初挑戦している。描かれるのは、2018年のアフガニスタンを舞台にした、アメリカ軍曹長のジョン・キンリー(ジェイク・ギレンホール)とアフガン人通訳アーメッド(ダール・サリム)の絆だ。
映像は、主人公ジョン・キンリー率いる米軍部隊とタリバン兵士の銃撃戦シーン。タリバンの爆弾工場を探す任務を受けたキンリーの部隊は、ついに工場の場所を突き止めるが、そこにタリバンの兵士が現れ、仲間のひとりが撃たれてしまう。戸惑うキンリーたちに対して追い打ちをかけるように、タリバンの援軍が到着し現場は激しい銃撃戦に。味方の航空支援を要請するが、到着まで残り15分。ひとり、またひとりと仲間が倒れていき、キンリーは次第に追い詰められていく……という内容だ。
本作の撮影は、現場にアメリカの元海兵隊員が立ち会い、銃の撃ち方や兵士たちのふるまいにいたるまで、俳優たちがさまざまな訓練を受けた上で行なわれている。撮影では安全を考慮して空気のみを撃つ銃が使用されたそう。ギレンホールは「武器を自由に扱えることができたし、安全だとも感じた。映画の撮影で使う武器が変化していることは、素晴らしいし、重要なことだ」とコメントしている。
“モエガミ”は、サバイバルゲームや玩具関連のイベントを主催、協力。専門メディア編集長、企業・広告代理店への商品企画アドバイス、Radio Personality、映画やドラマのガンアクションアドバイザーも務めている。ミリタリー映画ファンは要チェックの見どころは、以下の通り。
「コヴェナント 約束の救出」では数多くの銃や兵器が登場する。アフガニスタン紛争においては、アメリカから現地のアフガン治安部隊に供与された銃と兵器は、20年にわたる戦争を通して830億ドル超の費用となるほどに膨れ上がっていた。それだけの物量が投入された紛争であり、「コヴェナント 約束の救出」では戦闘車両から航空機に至るまでほぼ全てといってもいいほどに映像として登場する。主人公ジョン・キンリーの装備についても当時のアメリカ特殊部隊の装備が再現されている。
「コヴェナント 約束の救出」の戦闘描写では、リアルさにこだわった描写が随所に盛り込まれている。それこそ、マガジン装填や残弾数も気にしながら戦うような戦闘描写が最後まであるのだ。ミリタリーヲタクにとっては、リアルさを追求した戦闘描写は何回観ても飽きないものだろう。ガイ・リッチー監督が「コヴェナント 約束の救出」を撮影するにあたり、こだわったであろうポイントのひとつであることは間違いない。主人公ジョン・キンリーたちが身に着けている戦闘装備もそうだが登場する車輌やその車輌の使われ方についてもぜひ観て欲しいポイントだ。
「コヴェナント 約束の救出」では、アメリカが使用する近代的な装備だけでなく、当時の中東アフガニスタンで敵対民兵が多く使用していた装備も多数出てくる。代表的なアフガニスタンにおける敵対民兵が使用する装備といえば鉄と木でできた銃「AK」だ。「AK」はソビエト連邦軍が制式採用した自動小銃であり、ミハイル・カラシニコフが1949年に設計した歴史的にも有名な古くからの銃となる。「AK」は砂漠においても動作が安定し、メンテナンスも簡単なことから耐久性と信頼性において世界で最も多く運用された軍用銃で、近代的なアメリカ銃との比較がミリヲタにとってはたまらない見どころのひとつとなる。
「コヴェナント 約束の救出」の舞台は、中東アフガニスタンとなる。現地住民たちはサルワール・カミーズ(Shalwar kameez)という民族衣装を纏っている。インドなどの南アジアでは女性が着用するものだが、アフガニスタンやパキスタンの国々では男性も着用しており、チュニックという服の種類に分類される。映画の中では主に主人公ジョン・キンリーたち以外の現地住民や敵対する民兵たちが衣装として纏っており、アメリカ側の衣装・装備との違いを感じさせ、中東の民族衣装として強く印象付けている(アメリカのアフガニスタン撤退後の民兵たちの装備・衣装がどのように変わるのかを歴史的にも意識させようとしているのかもしれない)。
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