パリ郊外、移民が住む団地群を一掃したい行政との闘い描く「バティモン5 望まれざる者」5月24日公開
2024年2月16日 12:00

第72回カンヌ国際映画祭審査員賞受賞作「レ・ミゼラブル」で注目を集めた、フランスの気鋭監督ラジ・リが“排除”と“怒り”の衝突を描いた最新作「BATIMENT 5」が、「バティモン5 望まれざる者」の邦題で5月24日から公開されることが決定、場面写真9点が披露された。
パリ郊外(=バンリュー)。ここに立ち並ぶいくつもの団地には労働者階級の移民家族たちが多く暮らしているが、このエリアの一画=バティモン5では再開発のために老朽化が進んだ団地の取り壊し計画が進められている。そんな中、前任者の急逝で臨時市長となったピエールは、自身の信念のもと、バティモン5の復興と治安を改善する政策の強行を決意。だがその横暴なやり方に住民たちは猛反発、やがて、これまで移民たちに寄り添い、ケアスタッフとして長年働いていたアビーたちを中心とした住民側と、市長を中心とした行政側が、ある事件をきっかけについに衝突!やがて激しい抗争へと発展していく――。
移民たちの居住団地群の一画=バティモン5の一掃を目論む「行政」とそれに反発する「住人」による“排除”と“怒り”の衝突。本作では、恐れと不満の積み重ねが徐々に両者間の溝を深くし、憎しみのボルテージが加速していく様が息もつかせぬ緊迫感で描き、このコミュニティ内にある「権力」「革新」「暴力」の3つの視点を交錯させることでバンリュー地区の実態、ひいては花の都パリの知られざる“暗部”を炙り出していく。

前作「レ・ミゼラブル」では、自身が生まれ育ったパリ郊外の犯罪多発地区モンフェルメイユを舞台に、そのエリアを取り締まる犯罪防止班(BAC)と少年たちの対立を、手に汗握る圧倒的な臨場感で描き出したラジ・リ監督は、役者として、また1995年にアーティスト集団クルトラジメのメンバーとしてキャリアをスタートした1997年、初の短編映画「Montfermeil Les Bosquets(原題)」を監督、2004年にはドキュメンタリー「28 Millimeters(原題)」の脚本を、クリシー、モンフェルメイユ、パリの街の壁に巨大な写真を貼ったことで有名になった写真家JR(ジェイアール)と共同で手がけるなど、今、注目を集める新進気鋭のアートティストの1人でもある。
今作「バティモン5 望まれざる者」は、「レ・ミゼラブル」製作スタッフが再集結し、再びバンリューが抱える問題を持ち前の臨場感に新しい視点を交え、前作と地繋がりのテーマを採用しつつも、そのドラマはより人間臭さを帯びながらさらに社会性をまとい、観るものを圧倒する力強さで進化した作品となっている。
今作は「横浜フランス映画祭2024」(3月20日~24日)での上映が決定し、ラジ・リ監督の来日も予定されている。5月24日から新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町で公開。
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