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2023年のベスト邦画作「エゴイスト」見どころを二村ヒトシ、映画.com編集部が熱くトーク

2024年2月1日 21:00

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「エゴイスト」
「エゴイスト」
(C)2023 高山真・小学館/「エゴイスト」製作委員会

TOKYO FMほか全国38のFM局のオーディオコンテンツプラットフォームで、スマートフォンアプリとウェブサイトで楽しめるサービス「AuDee(オーディー)」 と映画.comのコラボ新番組「映画と愛とオトナノハナシ at 半蔵門」。作家でAV監督の二村ヒトシと映画.com編集部エビタニが映画トークを繰り広げる。

今回取り上げたのは、エッセイスト・高山真の自伝的小説を、鈴木亮平主演、宮沢氷魚阿川佐和子が共演、松永大司監督が映画化した「エゴイスト」。ゲイである本当の自分を押し殺して思春期を過ごし、現在は東京でファッション誌の編集者として自由な生活を送っている主人公の浩輔が、母を支えながら暮らすパーソナルトレーナーの龍太と出会い恋に落ちる物語。

奇遇にも本作は、二村、エビタニにとって2023年のベスト邦画作品となったそう。二村は「阿川佐和子さんのお母さん役に驚いた」そうで、「前半は恋愛映画、お母さんが出てくる後半はケアとセラピーの物語になっている。2回見て、その構造に感動した」とリピート鑑賞での気づきを挙げる。エビタニは「見終わってから『エゴイスト』というタイトルに感動した。こんなにも人を思いやれるエゴイストがあるのかと…」と、ラストシーンを述懐する。

そして役者陣の素晴らしさや、浩輔と龍太のふたりの恋が始まるキスシーンについて盛り上がる。二村は「エッチなシーンは割ってあるけれど、そこに行くまでのふたりの顔をノーカットでしっかり映している。完全に役者に任せないとあの長回しはできない」とAV監督の視点から、印象的な撮影術に舌を巻く。エビタニは「お母さんの家に行くときのシーンなど、ふたりはアドリブが多かったそうですね」と鈴木亮平宮沢氷魚の息の合った演技について振り返る。

二村は劇中の飲み会のシーンを挙げ、「感心するのは、ゲイバーではなく一般的な居酒屋で飲んでいても、ゲイの仲間同士での席なので女言葉でしゃべっている。でも、(店員に)注文をするときは普通(の男性の口調)になるのがものすごくリアル。鈴木亮平さんは本当に芝居が上手くて、新宿二丁目の人たちから吸収している」と称えた。

浩輔の過去を始めとした、キャラクター設定について「語りすぎていない」ことが、本作の魅力であると、二村、エビタニふたりの意見は一致。男性ふたりの恋愛が軸ではあるが、エビタニは「最後のお母さんのわがままが、人を喜ばせていた。エゴが愛にもなっているのが感動した。私は、後半30分ずっと泣いてました」としみじみ語っていた。

トーク全編はAuDee(https://audee.jp/voice/show/55260)で聞くことができる(無料配信中)。次回は、俳優のジェシー・アイゼンバーグの初監督作「僕らの世界が交わるまで」を取り上げる。

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