【本日放送】「コーダ あいのうた」あらすじ・キャストまとめ アカデミー賞授賞式では“感動スピーチ”
2024年1月27日 11:00
2022年・第94回アカデミー賞で作品賞、脚色賞、助演男優賞の3部門を制した「コーダ あいのうた」(シアン・ヘダー監督)が本日1月27日、NHK BSで放送されます(22時20分~0時12分)。本記事ではあらすじ、キャスト一覧に加えて、第94回アカデミー賞授賞式での“感動スピーチ”をお届けします。
【概要&あらすじ】
オリジナル版となるフランス映画「エール!」は、日本で2015年10月に劇場公開。英語リメイクされた「コーダ あいのうた」は、21年4月に行われたサンダンス映画祭で上映され、観客賞、審査員賞、監督賞、アンサンブルキャスト賞の4冠を達成。同映画祭史上最高額となる約26億円でアップルに配給権が落札された。
海の町でやさしい両親と兄と暮らす高校生のルビー。彼女は家族の中でひとりだけ耳が聞こえる。幼い頃から家族の耳となったルビーは家業の漁業も毎日欠かさず手伝っていた。新学期、合唱クラブに入部したルビーの歌の才能に気づいた顧問の先生は、都会の名門音楽大学の受験を強く勧めるが、 ルビーの歌声が聞こえない両親は娘の才能を信じられずにいた。家業の方が大事だと大反対する両親に、ルビーは自分の夢よりも家族の助けを続けることを決意するが……。
【キャスト】
【アカデミー賞授賞式での“感動スピーチ”】
2022年3月27日(現地時間)に開催された第94回アカデミー賞授賞式で、耳の聞こえない父親・フランク役を演じたトロイ・コッツァーが男性ろう者として初めて助演男優賞を受賞しました。
米アリゾナ出身のコッツァーは、生後9カ月で聴覚に障がいがあることが判明。12歳のとき、ろう学校のフェニックス・デイ・スクールで演技の世界に初めて触れます。高校の演劇教師にパントマイムの寸劇を演じることを勧められ、俳優のキャリアのスタートに立つことになります。
87年に大学へ進学したものの、国立ろう者劇場で働くことになり中退。01年にテレビシリーズ「ダナ&ルー リッテンハウス女性クリニック」の第1話での本格デビュー後、「CSI:ニューヨーク3」(06~07)、「クリミナル・マインド8 FBI行動分析課」(12~13)、「マンダロリアン」(19)など、数々のテレビシリーズで活躍してきた実績があります。
そんなコッツァーにオスカー像を手渡したのは、前年に「ミナリ」で助演女優賞に輝き、プレゼンターとして登壇したユン・ヨジョン。コッツァーが手話でスピーチしやすいよう、オスカー像を彼から預かる気遣いをみせました。
ここからはコッツァーの感動的なスピーチ全文をお届けします。
この「コーダ あいのうた」の旅のなかで、この場に立つことができるなんて、本当にすごいことです。信じられません。アカデミー賞の皆さんに評価して頂いて、感謝します。「コーダ あいのうた」は世界中で公開されました。キャストの皆でホワイトハウスを訪問し、バイデン大統領とファーストレディのジルさん夫妻にもお会いしました。手話で汚い言葉を教えようとしましたが、マーリー・マトリンから大人しくするよう言われました。だからマーリー、心配しないで、今日のスピーチのなかでも汚い言葉は使わないようにするからね(笑)。
その代わりに、私が俳優としてのキャリアを築く機会を与えてくれた、ろう者のための素晴らしい劇場に感謝を伝えたいと思います。実は最近、スティーブン・スピルバーグ監督の本を読んだんですが、彼によると「最高の監督の定義は、非常にスキルのあるコミュニケーターである」ということでした。シアン・ヘダー監督は、最高のコミュニケーターです。なぜなら、ろう者の世界と、それ以外の世界の橋渡し役を務めたわけですから。あなたの名前は、いつまでもハリウッドのその橋に残るでしょう。アップル、サンダンス、キャストとスタッフの皆さん、プロデューサー、そしてマサチューセッツ・グロスターのコミュニティに支えられました。そして私は「やぁ、漁師たちよ、ポパイたちよ、ほうれん草を食べるのを忘れるなよ」と伝えたいです。
私の父は、家族のなかで1番の手話の使い手でした。ですが、彼は自動車事故に巻き込まれ、首から下が麻痺になり、手話ができなくなりました。お父さん、あなたから多くのことを学びました。いつも愛しています。私にとっての英雄です。ファンの皆さん、それから妻と娘、アリゾナの故郷、チームの皆さん、ありがとう。これは、ろう者に捧げたいと思います。「コーダ あいのうた」のコミュニティ、そして障がい者のコミュニティに捧げます。これこそが、我々の素晴らしい瞬間です。お母さん、お父さん、兄弟のマークは本日参加していませんが、私はやり遂げました。愛しています、ありがとうございます。
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