半地下はまだマシ? 最底辺住居で暮らす主人公の悲劇描く「ビニールハウス」3月15日公開 ポスター&予告編&場面写真披露
2024年1月10日 10:00

第27回釜山国際映画祭で3冠に輝いたキム・ソヒョン主演の「ビニールハウス」が、3月15日よりシネマート新宿、ヒューマントラストシネマ渋谷、ヒューマントラストシネマ有楽町、アップリンク吉祥寺ほかで全国順次公開されることが決定した。日本版ポスタービジュアルと予告編、場面写真10点が一挙披露された。


ビニールハウスで暮らすムンジョンの夢は、少年院にいる息子と再び一緒に暮らすこと。引っ越し資金を稼ぐために盲目の老人テガンと、その妻で重い認知症を患うファオクの訪問介護士として働いている。ある日、風呂場で突然暴れ出したファオクが、ムンジョンと揉み合いになり転倒。床に後頭部を打ちつけ、そのまま息絶えてしまう。ムンジョンは息子との未来を守るため、認知症の自分の母親を連れて来て、ファオクの身代わりに据える。絶望の中で咄嗟に下したこの決断は、さらなる取り返しのつかない悲劇を招き寄せる。
監督・脚本・編集を手掛けるのは、ポン・ジュノらを輩出した名門映画学校・韓国映画アカデミーで学んだ29歳のイ・ソルヒ監督。認知症の祖母と、祖母をケアする母親の関係性から着想を得てオリジナル脚本を執筆した。貧困や孤独、高齢者をめぐる介護や認知症といった社会問題に鋭く切り込みながら、主人公の想像を絶する運命をスリリングに描出。新人監督ながら第27回釜山国際映画祭で3冠を獲得したほか、第59回大鐘賞映画祭、第44回青龍映画賞の新人監督賞にノミネートされるなど、鮮烈な長編映画監督デビューを飾った。

主人公ムンジョンを演じたのは、「SKYキャッスル 上流階級の妻たち」「Mine」などで知られるキム・ソヒョン。出演するにあたって「綱渡りのような危うい人生を生きる彼女こそ、まさに私自身ではないかと感じ、最初に台本を読んだときには涙を流しました」と語り、極限の感情表現を求められる難役に挑んだ。韓国のアカデミー賞と称される第59回大鐘賞映画祭をはじめ、第43回韓国映画評論家協会賞、第32回釜日映画賞、第43回黄金撮影賞などで主演女優賞ほか6冠の快挙を成し遂げた。


盲目の老人テガン役は、「VIP 迷路の始まり」「私の解放日記」など韓国ドラマを中心に活躍するベテラン俳優のヤン・ジェソン。さらに、「ザ・グローリー 輝かしき復讐」で脚光を浴び、本作で第44回青龍映画賞新人女優賞にノミネートされたアン・ソヨらがキャストに名を連ねる。
日本版ポスターには、「半地下はまだマシ」というキャッチコピーが添えられ、ムンジョンが暮らす黒いビニールハウスが写されている。「パラサイト 半地下の家族」で注目を浴びた韓国の住居貧困だが、不動産価格の高騰や経済の低迷により、農業施設であるビニールハウスも正規の住宅を失った低所得者層、移民労働者が転がり込むなど、半地下や屋上部屋より「最底辺」の住居として社会問題となっている。

予告編では、訪問介護士として働くムンジョンの日常が、認知症の老婦人の死をきっかけに破滅へと向かっていく様子が描かれる。さらに、場面写真では介護先で献身的に働くムンジョン、盲目の夫が認知症の妻を老老介護する様子のほか、夫がすり替えられた“妻”を疑うサスペンスフルな場面なども切り取られている。
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