嘉島陸、「どうする家康」小早川秀秋役を経て芽生えた思い LA留学で得た実践力も【担当マネージャ―撮影オフショット多数】
2023年12月29日 09:00
かつて天才子役として活躍していた嘉島は、「流星の絆」で錦戸亮が演じた有明泰輔の幼年時代に扮したほか、NHK大河ドラマ「江~姫たちの戦国~」では竹千代に息吹を注ぐなど話題作で実力を発揮していた。沖縄移住を機に俳優活動を休止していたが、18年に現在の事務所に籍を置き再開。「花のち晴れ~花男Next Season~」や「SUPER RICH」などに出演している。
もともと人見知りでおっとりした性格の嘉島だが、今年経験したドラマの現場での出会いは大きな刺激をもたらしたようだ。1月に放送された「イチケイのカラス スペシャル」では、傷害事件の加害者と推定され全面的に罪状を認める内田亘という難役に息吹を注いだ。クランクアップ時に主演・竹野内豊からかけられた言葉が忘れられないという。
「現場の空気も出来上がっている人気ドラマの中にゲストとして入るのは、作品の空気を壊してはいけないから緊張もしたのですが、クランクアップのときに竹野内さんが『すごく良かったよ。ありがとうね』と声をかけてくれたんです。裁判官の席と証言台で距離が微妙にあったのでお話するタイミングがなかったのですが、見てくれていたことがとにかく嬉しかったんです」
その思いは、ドラマ「うちの弁護士は手がかかる」第5話に出演した際、主演を務めたムロツヨシの気遣いで更に強くなった。
「ムロさんとは子役時代にご一緒させていただいたことがあって、10数年ぶりに再会したのですが、ご挨拶したときに『流星の絆のとき、一緒だったんだよね』と声をかけてくださってビックリしました。スタッフさんへの気遣いとか、とにかく誰もが楽しくなるような雰囲気作りをされていて、たくさん学ばせてもらいました。そして、お芝居もすごくて段取り、テスト、本番と全部アプローチが違うんです。ムロさんと対峙したシーンでは心がリアルに動かされたんです。そんなことは初めての感覚だったので、また共演できるように頑張りたいです」
「どうする家康」では、歴史上の人物を演じることの重みも体感した。演じることになった小早川秀秋の墓前へ報告すべく岡山を訪れた際、菩提寺の住職から洗礼を浴びたようだ。
「ご住職から小早川秀秋がどういう人物だったのか、お話をうかがいました。『うちの殿は裏切り者なんかじゃなかった』というお話を、色々な資料とともに2時間聞かせてくださったんです。制作サイドにもこれまでと全く違う小早川秀秋像を描きたいという思いがあったようなので、すごく参考になりました。大河ドラマで歴史上の人物を演じるって、こういうことなのかと。歴史上の人物を演じる面白さというものに気づかせてもらえました」
そしてまた、今年は約2カ月間、米ロサンゼルスに滞在して語学を学ぶ機会を得た。
「出演を予定していた作品が延期になったので、急きょ行くことにしました。準備もせずに行ったので、語学学校も全然調べる時間がなくて……。事務所の社長から『自分で学校と交渉してきなさい』と言われて、学校の前で車を降ろされて『じゃあ行ってらっしゃい』って(笑)。まともに英語を話せないのに『エクスキューズミー』ってところから始めたら、1週間後にその学校に入れたんです。それ以降は、朝から5~6時間の授業を受けて、夜ご飯で街に繰り出して自分で注文したり、店員と会話しながら英語を話す生活をおくりました。やっぱり言ったもん勝ちじゃないですか。そういう精神力はついたと思います。この1年は、本当に色々な変化がありました」
24年は、映画の仕事が既に3本決まっているという。「嘉島陸として初めて役名をいただいて参加する映画作品です。この1年、人とのご縁を感じることが多かったんです。これから色々な作品に参加させていただくなかで監督さん、スタッフさん、共演の方々との繋がりを大事にしたいなと思いましたし、色々な経験を来年に繋げてもっともっと作品に参加したい。それが事務所やファンの皆さんへの恩返しになるとも思っていますから」。
感謝の気持ちを忘れない嘉島が、これからの1年をどのように過ごし、俳優として飛躍していくのか目を離すことができない。
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