貧しき被害者遺族が、裕福な加害者家族に使用人として雇われ… 不穏な共同生活をとらえた「FEAST 狂宴」特報
2023年12月4日 17:00

フィリピンの鬼才ブリランテ・メンドーサ監督の最新作「FEAST 狂宴」から、不穏な特報とポスタービジュアルがお披露目された。物語の中心となるのは、息子の罪を庇う裕福な加害者家族と、全てを失った貧しき被害者遺族。加害者家族が、遺族を使用人として雇ったことで始まる奇妙な共同生活を描く。あわせて、公開日は2024年3月1日に決定した。
息子が起こした交通事故の罪を被り、刑務所に収監されていた家族の長の帰還を祝う宴の準備が進められている。彼が収監されている間、妻と息子は協力して家族と家計を守り、亡くなった男の妻と子どもたちを引き取り、使用人として面倒を見ていた。しかし、宴の日が近付くにつれて、後ろめたさと悲しみが再び浮かび上がる。やがて、「失った者」と「失わせた者」との間の平穏は、かき乱されていく。
特報では、祝祭ムードから一転、交通事故を起こし絶望する父子と、嘆き悲しむ遺族が切り取られている。加害者家族と被害者遺族がともに暮らす様子が映し出され、不穏な雰囲気のまま、宴の料理を作る音が響きわたる。穏やかな音楽が徐々に変質していくかのような、続きが気になる映像だ。
ポスターでは、加害者家族と被害者遺族が、まるでひとつの家族のように、宴の料理を囲んでいる。「宴が、はじまる――」のコピーとともに、一見すると楽しそうな記念写真だが、よく見ると笑っていない顔が混ざり込んでおり、異様さを醸し出すビジュアルに仕上がった。
「ローサは密告された」「キナタイ マニラ・アンダーグラウンド」など、フィリピン社会の暗部をえぐり、社会問題や社会的リアリズムを通して、強くたくましく生きる庶民の姿を描いてきたメンドーサ監督。本作では、フィリピンの田舎町で巻き起こった交通死亡事故から始まる当事者家族同士の心の機微と赦しを描く。ストーリーは次々と予想を裏切る展開を見せ、抒情的な映像の奥で、大きな疑問を観客に突きつける。
主演は、フィリピンの国民的人気ドラマ「プロビンシャノ」で知られるココ・マルティン。さらに、メンドーサ作品の常連であり、第69回カンヌ国際映画祭で、東南アジア初の主演女優賞を獲得したジャクリン・ホセ、人気アクション俳優であり、現在は上院議員を務めるリト・ラピッド、子役からスタートし、数々の作品に出演するグラディス・レイエスら、フィリピンの人気俳優が集結した。
「FEAST 狂宴」は、24年3月1日から東京・ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国で公開。
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