城定秀夫監督、映画館の思い出は名画座巡り「1日に数千円で8本見た」
2023年10月27日 22:00
第36回東京国際映画祭のNippon Cinema Now部門の監督特集「映画の職人 城定秀夫という稀有な才能」で10月27日、「銀平町シネマブルース」(2022)が角川シネマ有楽町で上映された。
城定監督は主演の小出恵介と上映後にトークショーを行い、特集タイトルについて「威張ることじゃない。言われた仕事をやるスタンスなので本数が多いからかな」と謙そん。続けて「1本1本がすごく小さくてVシネマや成人映画をやってきた中で、この作品は他の撮影に比べるとぜいたくな方。これより予算がいいとやらなければいけない制約が出てきて自由がなくなるし、これより小さくなるとお金がないからできない、有名な俳優が出てくれないということがある。だからサイズ的にもやりやすく、自分らしさが出た映画かな」と説明した。
地元に戻り古い映画館でアルバイトを始めた青年が、さまざまな人との出会いを通して自らの人生を顧みる物語。小出は「撮影は12日間で、期間的には十分ではないが監督ならではの演出やこだわりがふんだんに感じられる。俳優部としてやりやすい環境をつくってくださり、凄く感銘を受けた。稀有な才能、その描写しかない」と称えた。
映画館での思い出について、城定監督は名画座好きを自任し「川崎国際で『新幹線大爆破』を見て、隣の川崎国際2で『ガス人間第一号』と『マタンゴ』を見て、そこから文芸坐(池袋)でオールナイトのピンク映画特集で5本。1日に数千円で8本見たのが思い出」と明かした。小出は渋谷のミニシアターを挙げ、「高校生の頃に渋谷で『トレインスポッティング』や『ブラウン・バニー』を見た。小さい映画も盛り上がっていましたよね」と懐かしそうに語った。
映写技師役で出演した渡辺裕之さんが本作の撮影後の昨年5月に死去。城定監督は、「くしくも弔うような映画になった。最後にふさわしい作品になってしまい残念でならない」と追悼。小出も、「物語の中にいる居住まいが神々しくて印象的でした。俳優の形として格好いいし、勉強になると影響を受けた次第です」と感謝した。
また、映画監督を目指す人へのアドバイスを求められると「テレビも含め業界自体は今お薦めです。人手が少なくて、一般常識さえあれば会社員より稼げるチャンスはある。ただし、監督をやりたいと思わない方がいい。スタッフの方がつぶしがきく」と自虐も込めてエール。小出も俳優について、「やりがいは格別。映画の一部になれることは好きな人には夢の職業だし、俳優になっても夢の世界にいます」と話した。
第36回東京国際映画祭は、11月1日まで開催される。
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