アイナ・ジ・エンド、公開初日に吉祥寺で鑑賞 パンフを買う男性の独り言に感激
2023年10月14日 22:26

岩俊二監督最新作「キリエのうた」公開記念舞台挨拶が10月14日、東京・新宿バルト9で行われ、主演を務めたアイナ・ジ・エンドが、松村北斗、広瀬すず、岩井監督と共に登壇。岩井監督からねぎらいの言葉をもらったアイナは「心から棘がなくなりました」と感慨深い表情を浮かべていた。
本作は「スワロウテイル」「リリイ・シュシュのすべて」などの監督・岩井俊二&音楽・小林武史が再タッグを組んだ音楽映画。石巻、大阪、帯広、東京を舞台に、歌うことでしか“声”を出せない住所不定の路上ミュージシャン・キリエ(アイナ)、行方のわからなくなった婚約者を探す青年・夏彦(松村)、過去と名前を捨ててキリエのマネージャーとなる謎めいた女性・イッコ(広瀬)らが織りなす物語を、切ない音楽と映像で描く。

13日に全国347館で封切られた本作。アイナは初日に吉祥寺の劇場に足を運んだことを明かすと「映画が終わってパンフレットを買ったのですが、スーツのお兄さんも『キリエのうた』のパンフレットを買ってくださっていて、独り言で『このシーン良かった』と話しているのを見ました。これまで自分発信で映画のことを話してきましたが、こうして観てくださった方の感想をいただけるのが嬉しい」と破顔していた。

キリエのマネージャーのイッコに扮した広瀬は「アイナちゃんの歌声が世界中に届き始めている実感がある」と述べると、本編を鑑賞した際、自身が演じたイッコが失踪したことで、アイナのことを振り回してしまったことに衝撃を受け「アイナちゃんに長文の謝罪メールを送ったんです」と裏話を披露。アイナは「『わたしがいないシーンでこんな大変なことがあったんだね。本当にごめんね』というメールが来ました」と微笑ましいエピソードを明かしていた。

この日は劇中で、ストリートミュージシャン・松坂珈琲を演じた笠原秀幸がMCを務めたが、笠原は松村があるシーンで靴紐を結ぶシーンの表情に触れ、「あれは最高だった」と称賛。松村は「あのシーン、真昼間から日が落ちるまで何十回もやりました」と撮影を振り返ると、岩井監督は「芝居がどうのということではなく、光の加減がもっと良くなるかもと粘らせてもらいました。でも彼を信じてやって良かった」と納得のシーンになったという。


舞台挨拶終盤には、岩井監督からアイナ、松村、広瀬に感謝のコメントと花束が寄せられた。松村に対して「初めてお会いしたとき、なんて美しい人なんだと思った。さらに服を脱いだら美しすぎて動揺してしまった」と語り、会場を沸かせると「一色ではない夏彦という役を松村北斗が作り上げてくれました」と役を多面的に表現した松村を称えた。
アイナに対しては「まだ名前も知らないとき、歌っている姿を見て、キリエはこの子しかいないと思った」と大きな衝撃を受けたことを明かす。そして「演技もほとんどしたことがないばかりか、作詞作曲もお願いしてしまった。当時は言いませんでしたが、大変なことをお願いしてしまったという思いはありました。この作品はアイナ・ジ・エンドが純度100%で作った映画です」と感謝を述べていた。


満員の客席を見渡したアイナは、「岩井さんからお言葉をいただけて、心から棘がなくなりました」とほほ笑む。「みんな何かの棘を心に抱えて生きていると思いますが、映画を観て『明日も生きてみようかな』と思っていただけたら嬉しいです。無理して上を向かなくてもいい。でも暗がりばかり見なくてもいいんだと思っていただければ」と作品に込めたメッセージを観客に届けていた。
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