実際のFBI尋問記録を“一言一句”完全再現! トランプ政権を揺るがす疑惑をリークした女性を描く「リアリティ」予告
2023年10月2日 12:00
トランプ政権を揺るがす疑惑をリークした女性に対する、実際のFBI尋問記録を“一言一句”完全再現した「リアリティ」の予告編がお披露目。緊張感が途切れない映像では、録音記録の何気ない会話や息遣い、咳払いひとつに至るまで完全再現した本作の凄味が垣間見える。
2017年、25歳の米国家安全保障局(NSA)の契約社員であるリアリティ・ウィナーが、「ロシアのハッカーによる、2016年米大統領選挙介入疑惑に関する報告書」をメディアにリークした罪で、FBIに逮捕された。その後、彼女は“第二のスノーデン”と呼ばれることになる。
トランプ大統領誕生は、ロシア政府に仕組まれたものだったのか――全米で大論争を巻き起こしたリーク事件の真相に挑んだのは、米演劇シーンで“超新星”と評される劇作家であり、本作で映画監督デビューを果たしたティナ・サッター。第73回ベルリン国際映画祭のパノラマ部門に正式出品され、話題を呼んだ。
予告編は、感情を何とか抑え込むように、じっと1点を見つめる主人公リアリティに、FBI捜査官がなだめるような口調で語りかけるシーンで幕を開ける。実際のFBI尋問記録をなぞり、「やあ、調子は?」という軽い挨拶までもが完璧に再現されており、「セリフは全て現実の出来事そのままである」という衝撃の事実が、見る者の脳裏に浮かび上がる。
一見FBIとは思えないラフな服装や、にこやかな振る舞いの捜査官たちに、始めは愛想笑いを浮かべ、余裕すら見せるリアリティ。しかし、そんな彼女を見据える捜査官の視線が、“事件の容疑者”に向けられるものになっていることが分かった瞬間、たちまち不穏な空気が漂い始める。会話が核心に迫るとともに、混乱、不安、焦燥感が徐々に高まり、緊迫感が溢れ出す。映像は、「彼女はいかにして国家の反逆者となったのか――」という意味深なテロップで幕を閉じる。
鬼気迫る演技で世界中から絶賛を集めた、リアリティ役のシドニー・スウィーニーは、1997年生まれの26歳。ドラマ「ハンドメイズ・テイル 侍女の物語」「ユーフォリア EUPHORIA」「ホワイト・ロータス 諸事情だらけのリゾートホテル」などの話題作に出演し、映画「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」などで一躍ブレイクを果たした。「スパイダーマン」のスピンオフで、24年全米公開予定の「マダム・ウェブ」も控えている。
「リアリティ」は、11月18日から東京のシアター・イメージフォーラム、シネ・リーブル池袋ほか全国公開。