天体物理学者が驚嘆 「アルマゲドン」より非科学的なトンデモ映画とは?
2023年9月28日 11:00
映画などのフィクションは科学的正確性を犠牲にしてストーリーを優先することが少なくない。アメリカの天体物理学者のニール・デグラス・タイソン博士によると、過去数十年のあいだに発表されたハリウッド映画でもっとも非科学的な映画は大ヒット作「アルマゲドン」だという。
だが、米ラジオ番組「The Jess Cagle Show」に出演したタイソン博士は、「アルマゲドン」を超えるトンデモ映画を見たと告白。その映画とは、ローランド・エメリッヒ監督の2022年の作品「ムーンフォール」だという。
「コロナ禍で公開された映画で、ハル・ベリーが出演している映画だ。月が地球に落ちてくるというストーリーなんだが、月は実際には空洞で、なかには人工物があって、アポロ計画の真相は月の生物に食料を与えるためだったいう。あの映画を見ながら、『アルマゲドン』が最低のトンデモ映画だと思っていたが、自分が間違っていたようだ、と悟ったよ」
ちなみに、タイソン博士が「アルマゲドン」を批判する最大の理由は、小惑星をわざわざ爆破しなくても、軌道を変える方法があるからだという。
「1秒あたり1センチ、右方向へ移動させれば、宇宙空間では摩擦がないため、小惑星は右方向へ移動し続ける。もし十分に早い段階で行えば、小惑星は地球に衝突せず、地球の前を通過させることもできるし、地球の後ろを通過するように速度を落とすこともできる」
「ターミネーター」にも、タイソン博士は容赦しない。
「子どもが生まれてこないように両親を殺すという『ターミネーター』にしても同様だ。必要なのは、両親を会わないようにさせるか、あるいは、セックスの時間を20分ほどずらすだけでいい。そうすれば、別の接合体となるため、同じ子どもは生まれない。映画はいつも問題解決のために誇張した描写をしたがるものなんだ」